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ホットリンク Research Memo(5):2021年12月期の売上高は過去最高を更新、各利益も収益性向上(2)

注目トピックス 日本株
■ホットリンク<3680>の業績動向

(2) クロスバウンド事業
クロスバウンド事業の売上高は前期比167.2%増の2,974百万円となった。中国経済のプラス成長に合わせ、引き続きアウトバウンド需要へ注力し、堅調な事業成長を実現し売上高を確保した。また、越境ECプラットフォームの新開発サービスにおいて、取り扱い企業及びブランドが急伸し、売上実績において大きくけん引した。

新たな取り組みとしては、トレンドExpressがマーケティング関連サービスを手掛けるM-Force(株)と協業を開始した。経済産業省「通商白書2021」によると、中国の2020年の実質GDPは前年比2.3%増と主要国で唯一のプラス成長を記録し、小売売上高も2020年8月以降プラス基調を維持するなど、中国市場は世界に先駆けて成長軌道に戻っている。こうしたなか化粧品やラグジュアリー領域の欧米ブランドは、中国に対して果敢なマーケティング投資を実行し、需要取り込みに積極的な姿勢を見せている。そのうえで供給量において欧米企業を上回ることが難しい日本企業にとっては、顧客インサイトの理解に基づいた「質の高い顧客戦略」が求められる。同社傘下のトレンドExpressは中国において消費者行動のビッグデータを活用し、事象だけではなくその背景や顧客インサイトを分析することで、トレンドを見据えた顧客戦略を構築する。また、M-ForceはトレンドExpressが提供するリアルタイムのユーザーボイスに独自のフレームワーク「9segs(R)」を掛け合わせ、中長期目標を達成するための戦略策定に必要な顧客インサイトを分析するほか、自社・競合ブランドの顧客構造と顧客像、購入ドライバーなどを定量的に理解することで、顧客戦略の策定を支援する。この協業により、同社の顧客に対するアウトバウンドでのプロモーション支援サービスの機能はより充実し、足元の好調な受注拡大ペースがさらに早まると弊社は予想する。

(3) DaaS事業
DaaS事業の売上高は前期比7.1%減の1,707百万円となった。第4四半期単独では大手顧客に対する価格改定が進み、前年同四半期に比べ増収となったものの、SNSデータアクセス権の1つが契約更新されなかったことで売上高は前期から減少した。要因は地政学的な問題によるものと捉えており、同社の米国子会社であるEffyisは引き続き、世界中のソーシャル・ビッグデータを保有するメディアとの間で良好な関係を維持し、安定したデータ提供や新規メディアからのデータアクセス権の契約を順調に獲得していくとしている。また、価格改定により第4四半期単独では第三四半期に比べ45百万円の増収となった。今後も必要に応じて価格改定交渉を個別に行う事により収益性を確保していくとしている。

3. 財務状況と経営指標
2021年12月期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,546百万円増加の7,314百万円となった。主な変動としては、流動資産では売上高の増加などにより現金及び現金同等物が531百万円増加、棚卸資産は131百万円増加となった。要因としては、越境ECプラットフォームにおけるソーシャルバイヤーへの引き渡し商品によるものとなっている。同社への滞留は一時的なものであり、在庫リスクはなく資産性に問題はないと弊社は判断する。また、非流動資産では新たなブロックチェーンファンドへの出資114百万円や、当該出資に係る評価益621百万円等によりその他の金融資産が832百万円増加したほか、為替換算調整によりのれんが162百万円増加した。

負債合計は前期末比387百万円増加の3,183百万円となった。非流動負債で、借入金が254百万円増加した。借入金の内容は、SNSマーケティング支援事業における営業開拓費用である。また、資本合計は前期末比1,159百万円増加の4,131百万円となった。主な要因は、利益剰余金が764百万円増加したほか、ストックオプションの行使に伴う払い込みにより、資本金及び資本剰余金が合計で145百万円増加したことである。

経営指標を見ると、経営の安全性を示す親会社所有者帰属持分比率は前期末の48.4%から52.9%へと上昇し、改善が見られた。有利子負債比率は30.5%から28.4%へと下降した。収益性が向上するなかで利益の積み上げが今後期待できるため、当面の財務的懸念は薄いと弊社は考える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)




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