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はてな Research Memo(4):2022年7月期業績は期初計画を据え置くも、利益ベースでは上振れ余地あり

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2022年7月期業績の見通し
はてな<3930>の2022年7月期の業績は、売上高で前期比17.0%増の3,069百万円、営業利益で同14.1%増の284百万円、経常利益で同12.0%増の284百万円、当期純利益で同13.5%増の196百万円と期初計画を据え置いた※。通期計画に対する第2四半期までの進捗率を見ると、売上高で49.6%、営業利益で62.1%と順調に推移している。市場環境に大きな変化はなく、売上高については引き続きテクノロジーソリューションサービスやコンテンツマーケティングサービスの伸長により、計画を達成できる見通しだ。

※2022年7月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しており、2022年7月期業績予想は当該会計基準等の適用後の金額となる。全体の収益に与える影響は軽微(従来基準で試算した会社計画は売上高で3,052百万円、営業利益、経常利益で282百万円)であることから、2022年7月期の対前期増減率は2021年7月期実績と比較している。


事業費用は前期比17.3%増の2,784百万円を計画している。このうち人件費については、同16.5%増の1,581百万円を見込む。従業員数は前期末比22名増の189名を目標に採用を進めているが(新卒社員5名)、第2四半期末で166名と進捗率はやや低いため、人件費は計画の範囲内にとどまる可能性が高い。一方、DC利用料については、前期比8.0%増の484百万円を計画し、第2四半期までの進捗率が51.3%となっており、「GigaViewer」等のサービス利用拡大や円安が進んでいることを考えると、計画を上回ることが予想される。また、その他費用については、第2四半期までの進捗率が46.7%となっている。例年、費用計画については保守的に策定する傾向にあるため、売上高が計画並みの水準を達成すれば利益は上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

なお、サービス別の通期売上見通しについては期初計画を据え置いている。2022年7月期下期の取り組み方針は以下のとおり。

(1) コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスの売上高は、前期比0.9%増の529百万円を見込んでいる。コロナ禍が期中も続き、アドネットワーク広告単価は急回復しないことを前提としている。

計画を達成するためには下期に前年同期比で10%以上の回復が必要となるが、売上回復に向けては月間ユニークブラウザ数をいかに増やしていくことができるかがカギを握る。良質なブロガーを増やしていくことに加えて、SEO対策による検索エンジンからの流入件数を増やすなど、地道な取り組みを続けていくことが重要と考えている。また、有料課金サービスについては、機能拡充等により法人向けサービス「はてなブログBusiness」の顧客獲得に注力していく方針だ。オウンドメディアの代わりとして、ブログ形式で自社商品・サービスを発信していきたいと考える法人の需要を取り込んでいく。

(2) コンテンツマーケティングサービス
コンテンツマーケティングサービスの売上高は、前期比7.0%増の709百万円を計画している。前提となる「はてなブログMedia」の運用件数は前期末比9件増の120件を目標とし、メディア当たり月平均売上高は期中平均で2021年7月期下期並みの水準が続くことを前提としている。

運用件数については第2四半期末で118件となっており、引き合いも多数来ていることから、通期目標の120件に対して数件程度上積みできるものと予想される。また、メディア当たり月平均売上単価も2021年7月期下期の529千円に対して、2022年7月期上期は580千円と前提に対して10%弱超過している状況にある。足元では景気の先行き不透明感が強まっているものの、下期も売上単価については堅調に推移するものと予想され、通期売上高は会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。

(3) テクノロジーソリューションサービス
テクノロジーソリューションサービスの売上高は、前期比27.5%増の1,829百万円を計画している。第2四半期までの進捗率は48.5%と順調に進んでおり、下期も引き続き「Mackerel」や「GigaViewer」等の受託開発サービスの売上成長を見込んでいる。

「Mackerel」については累積顧客件数で前期末比19.5%増を計画しているのに対して、第2四半期までの進捗率が通期目標の11%にとどまったが、売上高は順調に伸長している。今後はオンライン展示会への出展やデジタルマーケティングの強化により新規リードを獲得し、顧客件数もキャッチアップしていく考えだ。また、利便性向上につながる機能の拡充にも継続的に取り組んでいく。一方、受託サービスについては「GigaViewer」の導入件数拡大やレベニューシェアモデル(広告運用、課金収益等)の育成を図っていくほか、新規大型開発案件の獲得にも取り組んでいく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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