かっこ Research Memo(2):データサイエンスを軸に不正検知サービスを提供(1)
[22/05/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
かっこ<4166>は「インターネット・スマートフォンの普及に伴って変化する日々のなか、現状維持では企業が衰退してしまう。変化を推し進めなければ、新しい産業が生まれない。2000年代以降、低成長が続いた状況を打破したい」という使命感と「常に世の中の課題に対して自らを変化させながらも最初から最後まで携わり、データサイエンスの力でともに前進したい」というビジョンの下、2011年に創業した企業である。
同社が事業活動を主に行っている領域は、EC不正検知サービス市場だ。創業以来培ってきたデータサイエンスに関する知見を強みに、ECで起こる様々な不正を検知するサービスをSaaS型で顧客に提供している。具体的には、ECにおける不正注文を検知する主力製品の「O-PLUX」、金融機関や会員サイトなどへの不正アクセスを検知する「O-MOTION」を展開しているほか、BNPL事業者などを対象に「決済コンサルティングサービス」、小売、流通、製造業など様々な業種の顧客を対象にした「データサイエンスサービス」など、EC市場を主戦場としながらもそれ以外の領域でも事業を展開。データサイエンスの活用により、顧客が抱えるビジネス上の課題解決に貢献している。今後は、EC不正検知サービス市場、BNPL市場、EC市場と同社を取り巻く市場の伸びを取り込み、成長を加速させていきたい考えだ。
2. 同社を取り巻く事業環境
同社とその顧客が事業を展開している市場は今後も成長が予想され、外部環境は非常に良好であると弊社は考えている。同社が主力サービスである「O-PLUX」を展開するEC不正検知サービス市場は黎明期であることから、2022年の市場規模で約1,849億円、2026年の予想市場規模は2,742億円まで拡大する見通しだ。今後は市場が黎明期から成長期に移行していくことが予想される。同社の不正検知サービス売上高は約7.7億円であり、十分に業績拡大の余地があると言えるだろう。背景にはSaaS型サービスの普及がある。SaaSを利用することで初期投資などを抑えられ、企業の導入障壁が下がり市場が拡大していくことが予想されている。
また、コロナ禍の影響によって増加したECサービスの利用は今後も継続すると弊社は見ている。総務省の「令和3年版情報通信白書」によると「新型コロナ感染症拡大の収束後に利用したいサービス」のトップがインターネットショッピングとECサービスに対するニーズがあること、スマートフォン保有率が2010年の9.7%から2020年には86.8%まで増加していること、2020年のインターネット利用率が83.4%と高い水準にあることなどによりECを利用する環境が整っていることなどが理由だ。さらに、不正アクセス認知件数とその内訳にも着目したい。不正アクセス認知件数は2014年の約3,500件からは低下しているものの、2020年時点でも約2,800件と高止まりしている状況だ。2020年は、そのうちの71.9%の不正アクセスがECサービスに関連している。
最後に、同社の顧客であるBNPL事業者がビジネスを行う市場を見てみたい。2020年の8,820億円から2024年には1兆8,800億円まで急伸することが見込まれており(CAGRは20.8%)、こちらも今後順調に拡大することが予想される。市場が急拡大する背景には、日本のスタートアップ企業がシェア拡大のためにグローバル企業と連携し、ビジネスを拡大させていることなどがある。
不正検知サービス市場、EC市場、BNPL市場、どれを見ても市場が今後順調に拡大していくことが期待され、良好な外部環境を追い風に同社の成長も加速していくと弊社は見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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1. 会社概要
かっこ<4166>は「インターネット・スマートフォンの普及に伴って変化する日々のなか、現状維持では企業が衰退してしまう。変化を推し進めなければ、新しい産業が生まれない。2000年代以降、低成長が続いた状況を打破したい」という使命感と「常に世の中の課題に対して自らを変化させながらも最初から最後まで携わり、データサイエンスの力でともに前進したい」というビジョンの下、2011年に創業した企業である。
同社が事業活動を主に行っている領域は、EC不正検知サービス市場だ。創業以来培ってきたデータサイエンスに関する知見を強みに、ECで起こる様々な不正を検知するサービスをSaaS型で顧客に提供している。具体的には、ECにおける不正注文を検知する主力製品の「O-PLUX」、金融機関や会員サイトなどへの不正アクセスを検知する「O-MOTION」を展開しているほか、BNPL事業者などを対象に「決済コンサルティングサービス」、小売、流通、製造業など様々な業種の顧客を対象にした「データサイエンスサービス」など、EC市場を主戦場としながらもそれ以外の領域でも事業を展開。データサイエンスの活用により、顧客が抱えるビジネス上の課題解決に貢献している。今後は、EC不正検知サービス市場、BNPL市場、EC市場と同社を取り巻く市場の伸びを取り込み、成長を加速させていきたい考えだ。
2. 同社を取り巻く事業環境
同社とその顧客が事業を展開している市場は今後も成長が予想され、外部環境は非常に良好であると弊社は考えている。同社が主力サービスである「O-PLUX」を展開するEC不正検知サービス市場は黎明期であることから、2022年の市場規模で約1,849億円、2026年の予想市場規模は2,742億円まで拡大する見通しだ。今後は市場が黎明期から成長期に移行していくことが予想される。同社の不正検知サービス売上高は約7.7億円であり、十分に業績拡大の余地があると言えるだろう。背景にはSaaS型サービスの普及がある。SaaSを利用することで初期投資などを抑えられ、企業の導入障壁が下がり市場が拡大していくことが予想されている。
また、コロナ禍の影響によって増加したECサービスの利用は今後も継続すると弊社は見ている。総務省の「令和3年版情報通信白書」によると「新型コロナ感染症拡大の収束後に利用したいサービス」のトップがインターネットショッピングとECサービスに対するニーズがあること、スマートフォン保有率が2010年の9.7%から2020年には86.8%まで増加していること、2020年のインターネット利用率が83.4%と高い水準にあることなどによりECを利用する環境が整っていることなどが理由だ。さらに、不正アクセス認知件数とその内訳にも着目したい。不正アクセス認知件数は2014年の約3,500件からは低下しているものの、2020年時点でも約2,800件と高止まりしている状況だ。2020年は、そのうちの71.9%の不正アクセスがECサービスに関連している。
最後に、同社の顧客であるBNPL事業者がビジネスを行う市場を見てみたい。2020年の8,820億円から2024年には1兆8,800億円まで急伸することが見込まれており(CAGRは20.8%)、こちらも今後順調に拡大することが予想される。市場が急拡大する背景には、日本のスタートアップ企業がシェア拡大のためにグローバル企業と連携し、ビジネスを拡大させていることなどがある。
不正検知サービス市場、EC市場、BNPL市場、どれを見ても市場が今後順調に拡大していくことが期待され、良好な外部環境を追い風に同社の成長も加速していくと弊社は見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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