No.1 Research Memo(1):22年2月期は情報セキュリティ機器の伸びなどにより計画上回る増収増益を実現
[22/05/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
No.1<3562>は、「日本の会社を元気にする一番の力へ。」を経営理念に掲げ、全国の中小・零細企業を主な対象として、情報セキュリティ機器の企画開発・製造・販売及び保守事業や、OA関連商品の販売及び保守・メンテナンス事業などを手掛けている。創業来、複合機やビジネスフォン、PCなどOA機器販売や保守・メンテナンス事業を軸として日本各地に営業拠点を開設し、業容を拡大してきた。フローとストックの両軸型のビジネスモデルであるが、最近では顧客接点を生かしたストック型ビジネスの比重を高めるため、月額課金によるコンサルサービスの強化にも注力している。また、2020年7月に子会社化した(株)アレクソンが企画開発・製造する情報セキュリティ機器を含む自社企画商品がデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れに乗って好調に推移しており、同社の成長をけん引している。
2. 2022年2月期の業績
2022年2月期の連結業績は、売上高が前期比17.6%増の13,919百万円、営業利益が同38.7%増の853百万円と計画を上回る大幅な増収増益となり、売上高・各利益いずれも過去最高を更新した。売上高は、DXの進展に伴うセキュリティ対策への需要が高まるなかで、アレクソンとの連携により情報セキュリティ機器が大きく伸びた。また、注力する「No.1ビジネスサポート」についても、企業のIT人材不足に対応する形で堅調に推移した。利益面でも、収益性の高い情報セキュリティ機器の伸びにより売上総利益率が大きく改善。ブランドプロモーションや営業強化、ビジネスコンサルタント増員などを含む先行費用の増加により販管費が拡大したものの、売上総利益の伸びにより営業増益を実現し、営業利益率も6.1%(前期は5.2%)に改善することができた。また、活動面でも、Oracleとの連携によるクラウドサービスの大型受注などストック型収益の強化やラインナップの拡充に向けて成果を残すことができた。
3. 中期経営計画の概要とその進捗
同社は、中期経営計画「Be a Platformer」(2021年2月期〜2024年2月期)を推進している。ビジネスモデルの変革と事業領域の拡大に向けて、1)アレクソンとのシナジー効果発揮、2)ソリューション営業の深化(ストック収益の強化)、3)ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)、4)クラウド型サービスの開発、5)M&A・事業提携・新規事業に取り組むことで、最終年度の売上高(収益認識基準の適用後)13,299百万円、営業利1,280百万円、EBITDA 1,367百万円を目指しており、営業利益率は9.6%に大きく改善する計画となっている。2022年2月期は活動面(重点施策)においても、それぞれ順調に進捗している。
4. 2023年2月期の業績予想
2023年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比13.1%減の12,094百万円、営業利益を同14.8%増の980百万円と見込んでおり、引き続き過去最高益を更新する見通しである。なお、売上高が減収となるのは、収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)の適用によるものであり、その影響を除くと前期比0.6%増と増収を確保する想定となっている。実質的な売上高(収益認識基準の適用前)の伸びが緩やかなのは、前期の売上高がアレクソン製品の急激な伸びなどにより計画を上回ったことから、その反動や不確実性の高い外部環境などを慎重に判断していることが理由と考えられる。もっとも、「No.1ビジネスサポート」を軸とするストック型ビジネスについては、前期に取り組んだ体制強化を軌道に乗せ、着実な伸びを見込んでいるようだ。利益面でも、高付加価値商品の拡充やストック型収益の積み上げにより営業増益となり、営業利益率も8.1%に改善する想定となっている。
■Key Points
・2022年2月期は計画を上回る増収増益により過去最高業績を更新
・ストック型ビジネスの比重の引き上げに向けた先行費用が膨らむも、アレクソンとの連携による情報セキュリティ機器の大幅な伸びが業績をけん引
・中期経営計画「Be a Platformer」についても、ストック型ビジネスの比重の引き上げや事業領域の拡大に向けて一定の成果を残すことができた
・2023年2月期は収益認識基準の適用により減収となるものの、ストック型収益の積み上げなどにより増益を確保し、引き続き過去最高益を更新する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
No.1<3562>は、「日本の会社を元気にする一番の力へ。」を経営理念に掲げ、全国の中小・零細企業を主な対象として、情報セキュリティ機器の企画開発・製造・販売及び保守事業や、OA関連商品の販売及び保守・メンテナンス事業などを手掛けている。創業来、複合機やビジネスフォン、PCなどOA機器販売や保守・メンテナンス事業を軸として日本各地に営業拠点を開設し、業容を拡大してきた。フローとストックの両軸型のビジネスモデルであるが、最近では顧客接点を生かしたストック型ビジネスの比重を高めるため、月額課金によるコンサルサービスの強化にも注力している。また、2020年7月に子会社化した(株)アレクソンが企画開発・製造する情報セキュリティ機器を含む自社企画商品がデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れに乗って好調に推移しており、同社の成長をけん引している。
2. 2022年2月期の業績
2022年2月期の連結業績は、売上高が前期比17.6%増の13,919百万円、営業利益が同38.7%増の853百万円と計画を上回る大幅な増収増益となり、売上高・各利益いずれも過去最高を更新した。売上高は、DXの進展に伴うセキュリティ対策への需要が高まるなかで、アレクソンとの連携により情報セキュリティ機器が大きく伸びた。また、注力する「No.1ビジネスサポート」についても、企業のIT人材不足に対応する形で堅調に推移した。利益面でも、収益性の高い情報セキュリティ機器の伸びにより売上総利益率が大きく改善。ブランドプロモーションや営業強化、ビジネスコンサルタント増員などを含む先行費用の増加により販管費が拡大したものの、売上総利益の伸びにより営業増益を実現し、営業利益率も6.1%(前期は5.2%)に改善することができた。また、活動面でも、Oracle
3. 中期経営計画の概要とその進捗
同社は、中期経営計画「Be a Platformer」(2021年2月期〜2024年2月期)を推進している。ビジネスモデルの変革と事業領域の拡大に向けて、1)アレクソンとのシナジー効果発揮、2)ソリューション営業の深化(ストック収益の強化)、3)ハード×ソフト(情報セキュリティ領域の拡大)、4)クラウド型サービスの開発、5)M&A・事業提携・新規事業に取り組むことで、最終年度の売上高(収益認識基準の適用後)13,299百万円、営業利1,280百万円、EBITDA 1,367百万円を目指しており、営業利益率は9.6%に大きく改善する計画となっている。2022年2月期は活動面(重点施策)においても、それぞれ順調に進捗している。
4. 2023年2月期の業績予想
2023年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比13.1%減の12,094百万円、営業利益を同14.8%増の980百万円と見込んでおり、引き続き過去最高益を更新する見通しである。なお、売上高が減収となるのは、収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)の適用によるものであり、その影響を除くと前期比0.6%増と増収を確保する想定となっている。実質的な売上高(収益認識基準の適用前)の伸びが緩やかなのは、前期の売上高がアレクソン製品の急激な伸びなどにより計画を上回ったことから、その反動や不確実性の高い外部環境などを慎重に判断していることが理由と考えられる。もっとも、「No.1ビジネスサポート」を軸とするストック型ビジネスについては、前期に取り組んだ体制強化を軌道に乗せ、着実な伸びを見込んでいるようだ。利益面でも、高付加価値商品の拡充やストック型収益の積み上げにより営業増益となり、営業利益率も8.1%に改善する想定となっている。
■Key Points
・2022年2月期は計画を上回る増収増益により過去最高業績を更新
・ストック型ビジネスの比重の引き上げに向けた先行費用が膨らむも、アレクソンとの連携による情報セキュリティ機器の大幅な伸びが業績をけん引
・中期経営計画「Be a Platformer」についても、ストック型ビジネスの比重の引き上げや事業領域の拡大に向けて一定の成果を残すことができた
・2023年2月期は収益認識基準の適用により減収となるものの、ストック型収益の積み上げなどにより増益を確保し、引き続き過去最高益を更新する見通し
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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