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三井松島HD Research Memo(6):2023年3月期の各利益はいずれも創業来最高益を大きく更新する見通し

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

● 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の連結業績予想について三井松島ホールディングス<1518>は、売上高が前期比22.3%増の57,000百万円、営業利益が同69.9%増の14,300百万円、経常利益が同72.2%増の14,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同76.0%増の9,500百万円とし、各利益はいずれも創業来最高益を大きく更新する見込みとしている。また、生活関連事業及びエネルギー事業ともに増収増益を見込んでいる。

セグメント別の業績見通しは以下のとおり。

(1) 生活関連事業
日本カタンの子会社化などが寄与し、売上高は前期比7.5%増の29,000百万円、営業利益は同1.4%増の3,000百万円と堅調に推移する見通しである。主要事業の見通しは以下のとおり。

a) 飲食用資材分野(日本ストロー)
売上は堅調に推移する見通しであるものの、レジン等の原料高の影響が予想されている。付加価値の高い環境対応素材ストロー(バイオマスプラスチック、海洋生分解性プラスチックが主流)の拡販などにより販売単価アップを進めるが、原料高の影響を補いきれず減益となる見通しだ。

b) 衣料品分野(花菱)
オーダースーツ市場は厳しい環境が継続するものの、全自社工場の閉鎖による固定費大幅削減等により黒字を確保する見通しだ。なお、全量外注生産であることから、昨今の原料高の影響は限定的としている。このほか、自社ホームページリニューアルやSEO対策を強化することで新規顧客獲得を目指すほか、SNSを活用した積極的な情報配信により認知度を向上させ、さらなる受注拡大を見込んでいる。

c) 電子部品分野(クリーンサアフェイス技術、三生電子)
クリーンサアフェイス技術は、原料高の影響はあるものの、需要の増加等により利益は微増となる見通し。三生電子は、顧客の設備投資がひと段落するため減収を見込んでいる。原料高の影響を受けるものの、多くの受注残を抱えていることから、業績は底堅く推移する見通しだ。

d) 事務機器分野(明光商会)
鋼材価格や物流費の上昇、バーツ高による原価増の影響が懸念されている。コスト削減や新型コロナウイルスに対応した新製品「AIRVIO/AIRVIO+」の販売に注力していくものの、これらの影響を補いきれず減益となる見通しだ。

e) ペット分野(ケイエムテイ)
原料高・円安による輸入コスト等の増加が見込まれるものの、ペットサロン、販売代理店、卸などへの営業活動に注力することで新規顧客の開拓を推進するほか、値上げ等により業績は横ばいとなる見通しだ。

f) 住宅関連部材分野(システックキョーワ)
原料高・バーツ高の影響を受けるものの、ドアストッパーなどの形状をブラッシュアップした新商品投入や値上げにより、業績は横ばいとなる見通しだ。

g) 電力関連資材分野(日本カタン)
原料高の影響は想定されるものの、電力会社向けの販売単価の見直し交渉等により、一定の利益は確保できる見通し。また、2024年3月期以降は、安定的な更新需要に加えて大型連系線工事による受注増も期待でき、中長期的に安定した利益貢献が見込まれる。

(2) エネルギー事業
石炭価格の上昇により、売上高は前期比同46.0%増の26,700百万円、セグメント利益は同97.4%増の12,500百万円を見込んでいる。なお、直近2022年1〜3月のGCI(グローバルコールインデックス)が百万トン当たり262.8米ドルのところ、同社は一般炭の1〜12月の平均価格を200米ドルと保守的に想定していることに留意したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)




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