エレマテック Research Memo(1):高付加価値型ビジネスの拡大、海外有力顧客の開拓、自動車ビジネスの拡充へ
[22/06/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
エレマテック<2715>は、2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した電子材料を得意とするエレクトロニクス商社だが、その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。近年は単なる部品・部材の販売だけでなく、モジュール製品やODM製品(Original Design Manufacturing、企画段階から参画する製品)の拡販に注力している。
1. 2022年3月期:コロナ禍からの回復もあり52.8%の営業増益を達成
2022年3月期の業績は、売上高200,646百万円(前年同期比11.3%増※)、営業利益8,346百万円(同52.8%増)、経常利益7,867百万円(同51.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,374百万円(同46.6%増)となった。前年上期が最も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けた時期であったことから、前期比での増益率が高くなっているが、コロナ禍以前の期(2020年3月期)と比較しても営業利益は大幅増となった。地域別では、すべての地域で増収となった。マーケット別では、3分野すべてで増収となったが、特に生産回復によるAutomotiveとドライブレコーダー向けに牽引されたBroad Marketの伸び率が高かった。世界的に半導体不足が注目されているが、2022年3月期については大きな影響はなかった。
※2022年3月期の期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用しているが、前期については同基準採用前の数値となっている。
2. 2023年3月期:営業利益は7.2%増予想、配当は年間60円(配当性向40.6%)の予定
2023年3月期は、売上高225,500百万円(前期比12.4%増)、営業利益8,950百万円(同7.2%増)、経常利益8,650百万円(同9.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,050百万円(同12.6%増)と予想されている。マーケット別では、Digital Electronicsは液晶、タッチパネル、半導体等を中心に8,669百万円増(同10.1%増)、Automotiveは自動車生産の増加と新規案件の獲得により7,615百万円増(同27.1%増)、Broad Marketでは、ドライブレコーダー向けを中心としたアフターマーケットが牽引し8,569百万円増(同9.9%増)が見込まれている。売上総利益率は前期並みを予想しているが、販管費の増加が見込まれることから営業利益は7.2%増予想となっている。但し、対ドル円レートの前提を115円としていることから、現在の水準が続けば利益が上乗せされる可能性はある。配当は年間60円(予想配当性向40.6%)を予定している。
3. 中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中
同社は、2020年春に中期経営戦略「エレマテックNEXT」を発表した。主要戦略として「高付加価値型ビジネスの拡大」「海外有力顧客の開拓」「自動車ビジネスの拡充」を掲げている。この戦略を推進・実行していくことで、単なる量的拡大だけでなく、質的な改善を目指していく方針だ。高付加価値型ビジネスでは、完成品ODMビジネスが本格的に稼働し始めている。国内外有力顧客の開拓では、フォルダブルスマートフォン向けを強化することで、中国系、米系顧客の攻略を目指す。自動車向けでは、生産の回復に加えてEV化に伴う周辺商材の拡販で売上増を計画している。
なお、中期経営戦略とは別に中期の業績計画として、同社は毎年期初に、ローリング方式による当該年度と2年後の業績予想を開示している。2023年3月期の開始に当たっては、当期業績予想とともに2025年3月期において、売上高2,550億円、経常利益106億円を目指す中期予想を公表している。
■Key Points
・「高付加価値型ビジネスの拡大」「海外有力顧客開拓」「自動車向け拡充」を3本柱に収益拡大を目指す
・2023年3月期は7.2%営業増益を予想
・中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中、2025年3月期に経常利益106億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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エレマテック<2715>は、2009年に高千穂電気株式会社と大西電気株式会社が合併して誕生した電子材料を得意とするエレクトロニクス商社だが、その後2012年に豊田通商<8015>グループ入りした。近年は単なる部品・部材の販売だけでなく、モジュール製品やODM製品(Original Design Manufacturing、企画段階から参画する製品)の拡販に注力している。
1. 2022年3月期:コロナ禍からの回復もあり52.8%の営業増益を達成
2022年3月期の業績は、売上高200,646百万円(前年同期比11.3%増※)、営業利益8,346百万円(同52.8%増)、経常利益7,867百万円(同51.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,374百万円(同46.6%増)となった。前年上期が最も新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けた時期であったことから、前期比での増益率が高くなっているが、コロナ禍以前の期(2020年3月期)と比較しても営業利益は大幅増となった。地域別では、すべての地域で増収となった。マーケット別では、3分野すべてで増収となったが、特に生産回復によるAutomotiveとドライブレコーダー向けに牽引されたBroad Marketの伸び率が高かった。世界的に半導体不足が注目されているが、2022年3月期については大きな影響はなかった。
※2022年3月期の期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用しているが、前期については同基準採用前の数値となっている。
2. 2023年3月期:営業利益は7.2%増予想、配当は年間60円(配当性向40.6%)の予定
2023年3月期は、売上高225,500百万円(前期比12.4%増)、営業利益8,950百万円(同7.2%増)、経常利益8,650百万円(同9.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,050百万円(同12.6%増)と予想されている。マーケット別では、Digital Electronicsは液晶、タッチパネル、半導体等を中心に8,669百万円増(同10.1%増)、Automotiveは自動車生産の増加と新規案件の獲得により7,615百万円増(同27.1%増)、Broad Marketでは、ドライブレコーダー向けを中心としたアフターマーケットが牽引し8,569百万円増(同9.9%増)が見込まれている。売上総利益率は前期並みを予想しているが、販管費の増加が見込まれることから営業利益は7.2%増予想となっている。但し、対ドル円レートの前提を115円としていることから、現在の水準が続けば利益が上乗せされる可能性はある。配当は年間60円(予想配当性向40.6%)を予定している。
3. 中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中
同社は、2020年春に中期経営戦略「エレマテックNEXT」を発表した。主要戦略として「高付加価値型ビジネスの拡大」「海外有力顧客の開拓」「自動車ビジネスの拡充」を掲げている。この戦略を推進・実行していくことで、単なる量的拡大だけでなく、質的な改善を目指していく方針だ。高付加価値型ビジネスでは、完成品ODMビジネスが本格的に稼働し始めている。国内外有力顧客の開拓では、フォルダブルスマートフォン向けを強化することで、中国系、米系顧客の攻略を目指す。自動車向けでは、生産の回復に加えてEV化に伴う周辺商材の拡販で売上増を計画している。
なお、中期経営戦略とは別に中期の業績計画として、同社は毎年期初に、ローリング方式による当該年度と2年後の業績予想を開示している。2023年3月期の開始に当たっては、当期業績予想とともに2025年3月期において、売上高2,550億円、経常利益106億円を目指す中期予想を公表している。
■Key Points
・「高付加価値型ビジネスの拡大」「海外有力顧客開拓」「自動車向け拡充」を3本柱に収益拡大を目指す
・2023年3月期は7.2%営業増益を予想
・中期経営戦略「エレマテックNEXT」を推進中、2025年3月期に経常利益106億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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