丸運 Research Memo(1):成長分野の事業拡大により、2031年3月期に経常利益20億円以上を目指す
[22/06/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
丸運<9067>は2022年に130周年を迎える老舗の運送会社で、ENEOSホールディングス<5020>の関係会社である。全国各地に運送・保管などの拠点をネットワークとして張り巡らせており、連結子会社は21社を数える。また、国内のみならず国際貨物事業として海外にも拠点を有している。丸運国際貨運代理(上海)有限公司、丸運安科迅物流(常州)有限公司、丸運物流(天津)有限公司と中国に3つの現地法人(5拠点)を有し、2017年8月にベトナム(ハノイ)で有限会社丸運物流ベトナムを現地法人化、2019年6月には同現地法人ホーチミン支店を開設した。
同社はこれまで、貨物輸送、石油輸送、潤滑油・化成品、国際貨物、その他、と5つのセグメントとしていたが、2021年3月期第2四半期より、貨物輸送、エネルギー輸送、海外物流、テクノサポート、その他の5つのセグメントに集約した。このうち営業収益の構成比率が最も高いのは貨物輸送であり、全体の多くを占めている。一方、ENEOS系であることから、石油輸送や潤滑油・化成品など石油に関係するビジネスの構成比も高いのが特長である。さらに、2021年3月期第2四半期よりセグメントに追加された海外物流にも力を注いでいる。
現在、運送業界には、ドライバー不足問題や働き方改革等への対応など対処すべき課題もあるが、同社は石油関連の輸送の取り扱いも多いことから、石油業界の再編による影響を受けるのも特長だ。
2. 業績動向
2022年3月期の連結業績※は、営業収益が46,705百万円、営業利益が665百万円(前期比0.7%増)となった。主力の貨物輸送を中心に、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が残るものの、運賃改定が寄与し、営業収益・営業利益ともに前期並みの水準を確保した。2023年3月期の連結業績予想については、営業収益が前期比1.7%増の47,500百万円と増収を見込んでいる一方、基幹システム更新による減価償却費増加を予定していることから、営業利益は同54.9%減の300百万円としている。一方、配当については年間8.0円を継続する予定だ。
※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用している。
3. 今後の成長戦略
同社は、以前より取り組んできたCSR経営を基に、2022年3月期から事業活動と一体化させ、さらなるグループの成長に結び付けるESG経営へ移行した。加えて2022年5月には、今後の成長戦略の方向性を示し、同社グループの経営資源を重点分野に集中するために、「2030丸運グループ長期ビジョン」を策定した。事業の将来像や重点目標のほか、数値目標も掲げており、成長分野の事業を拡大することで2031年3月期に営業収益600億円以上、経常利益20億円以上を目指している。また投融資計画として、2023年3月期〜2031年3月期の投融資枠(M&A含む)250億円を計画している。
■Key Points
・石油輸送にも強みがある老舗の総合物流会社
・2022年3月期はエネルギー輸送での輸送数量増加が大きく寄与し、経常増益を確保
・「2030丸運グループ長期ビジョン」を策定。成長分野の事業拡大により、2031年3月期に経常利益20億円以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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1. 会社概要
丸運<9067>は2022年に130周年を迎える老舗の運送会社で、ENEOSホールディングス<5020>の関係会社である。全国各地に運送・保管などの拠点をネットワークとして張り巡らせており、連結子会社は21社を数える。また、国内のみならず国際貨物事業として海外にも拠点を有している。丸運国際貨運代理(上海)有限公司、丸運安科迅物流(常州)有限公司、丸運物流(天津)有限公司と中国に3つの現地法人(5拠点)を有し、2017年8月にベトナム(ハノイ)で有限会社丸運物流ベトナムを現地法人化、2019年6月には同現地法人ホーチミン支店を開設した。
同社はこれまで、貨物輸送、石油輸送、潤滑油・化成品、国際貨物、その他、と5つのセグメントとしていたが、2021年3月期第2四半期より、貨物輸送、エネルギー輸送、海外物流、テクノサポート、その他の5つのセグメントに集約した。このうち営業収益の構成比率が最も高いのは貨物輸送であり、全体の多くを占めている。一方、ENEOS系であることから、石油輸送や潤滑油・化成品など石油に関係するビジネスの構成比も高いのが特長である。さらに、2021年3月期第2四半期よりセグメントに追加された海外物流にも力を注いでいる。
現在、運送業界には、ドライバー不足問題や働き方改革等への対応など対処すべき課題もあるが、同社は石油関連の輸送の取り扱いも多いことから、石油業界の再編による影響を受けるのも特長だ。
2. 業績動向
2022年3月期の連結業績※は、営業収益が46,705百万円、営業利益が665百万円(前期比0.7%増)となった。主力の貨物輸送を中心に、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が残るものの、運賃改定が寄与し、営業収益・営業利益ともに前期並みの水準を確保した。2023年3月期の連結業績予想については、営業収益が前期比1.7%増の47,500百万円と増収を見込んでいる一方、基幹システム更新による減価償却費増加を予定していることから、営業利益は同54.9%減の300百万円としている。一方、配当については年間8.0円を継続する予定だ。
※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準」等を適用している。
3. 今後の成長戦略
同社は、以前より取り組んできたCSR経営を基に、2022年3月期から事業活動と一体化させ、さらなるグループの成長に結び付けるESG経営へ移行した。加えて2022年5月には、今後の成長戦略の方向性を示し、同社グループの経営資源を重点分野に集中するために、「2030丸運グループ長期ビジョン」を策定した。事業の将来像や重点目標のほか、数値目標も掲げており、成長分野の事業を拡大することで2031年3月期に営業収益600億円以上、経常利益20億円以上を目指している。また投融資計画として、2023年3月期〜2031年3月期の投融資枠(M&A含む)250億円を計画している。
■Key Points
・石油輸送にも強みがある老舗の総合物流会社
・2022年3月期はエネルギー輸送での輸送数量増加が大きく寄与し、経常増益を確保
・「2030丸運グループ長期ビジョン」を策定。成長分野の事業拡大により、2031年3月期に経常利益20億円以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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