コニシ Research Memo(1):2022年3月期は売上高・営業利益ともに過去最高益を更新
[22/06/28]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
コニシ<4956>は、「ボンド」ブランドで知られる国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカーである。一般家庭用が有名であるが、産業用、住宅・建材用、建築・土木用と幅広い製品を揃えており、主たる市場は住宅・建築・土木関連である。
1. 2022年3月期業績(実績)
2022年3月期の業績※は、売上高113,671百万円(前期比5.5%増)、営業利益7,298百万円(同3.1%増)、経常利益7,822百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,135百万円(同4.1%増)となった。売上高・営業利益は過去最高となった。セグメント別では、「ボンド」は主要市場での需要が回復し増収となったが、原材料価格の高騰でセグメント利益は減益となった。「化成品」は需要が堅調に推移して増収となり、それに伴い増益となった。「工事事業」は前期の大型案件の反動で減収となったが、利益については高採算工事が完工したことで増益となった。全体としては堅調な決算であったと言える。設備投資額は2,112百万円、減価償却費は2,266百万円であった。
※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準等」を適用している。前期数値も遡及修正して記載。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高122,000百万円(前期比7.3%増)、営業利益6,950百万円(同4.8%減)、経常利益7,250百万円(同7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,600百万円(同86.9%増)を予想している。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増となるのは、2023年3月期第2四半期に固定資産売却益7,176百万円(税引後:4,986百万円)を特別利益として計上する見込みとなっているためである。セグメント別では、主力の「ボンド」の需要は引き続き堅調に推移すると予想し、増収を見込んでいるものの、原材料価格高騰の影響を受けるため減益予想としている。「化成品」は堅調に推移すると予想されることから増収増益の見込みとなっている。「工事事業」では土木関係の需要が堅調に推移すると予想され、増収増益の予想となるも、資材価格の高騰が予想されるため利益率は低下する見込みである。設備投資額は、3,598百万円、減価償却費は2,057百万円の見込みとなっている。主な投資として、水性製造所新設(栃木工場)、新基幹システムの導入、子会社ボンドエンジニアリング(株)の東京支店開設へ振り向ける予定としている。年間配当は「ボンド発売70周年記念配当」5円を含めて年間49円配とする見込みだ。
3. 中期経営計画:発表を延期
同社は、以前は3年ごとに「中期経営計画」を発表してきたが、足元では原油価格上昇に伴う原材料価格高騰の影響が不透明であることから「中期経営計画」の発表を延期した。同社は、「ある程度先行きが見通せるようになった段階で改めて発表する」と述べている。
■Key Points
・国内最大級の接着剤・シーリング材メーカー。向け先は住宅・建材用、産業用、建築・土木用と幅広い
・2022年3月期の営業利益は前期比3.1%増と過去最高を更新
・原材料価格高騰により「中期経営計画」の発表は延期
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
コニシ<4956>は、「ボンド」ブランドで知られる国内トップクラスの接着剤・シーリング材メーカーである。一般家庭用が有名であるが、産業用、住宅・建材用、建築・土木用と幅広い製品を揃えており、主たる市場は住宅・建築・土木関連である。
1. 2022年3月期業績(実績)
2022年3月期の業績※は、売上高113,671百万円(前期比5.5%増)、営業利益7,298百万円(同3.1%増)、経常利益7,822百万円(同5.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,135百万円(同4.1%増)となった。売上高・営業利益は過去最高となった。セグメント別では、「ボンド」は主要市場での需要が回復し増収となったが、原材料価格の高騰でセグメント利益は減益となった。「化成品」は需要が堅調に推移して増収となり、それに伴い増益となった。「工事事業」は前期の大型案件の反動で減収となったが、利益については高採算工事が完工したことで増益となった。全体としては堅調な決算であったと言える。設備投資額は2,112百万円、減価償却費は2,266百万円であった。
※2022年3月期より「収益認識に関する会計基準等」を適用している。前期数値も遡及修正して記載。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高122,000百万円(前期比7.3%増)、営業利益6,950百万円(同4.8%減)、経常利益7,250百万円(同7.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9,600百万円(同86.9%増)を予想している。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅増となるのは、2023年3月期第2四半期に固定資産売却益7,176百万円(税引後:4,986百万円)を特別利益として計上する見込みとなっているためである。セグメント別では、主力の「ボンド」の需要は引き続き堅調に推移すると予想し、増収を見込んでいるものの、原材料価格高騰の影響を受けるため減益予想としている。「化成品」は堅調に推移すると予想されることから増収増益の見込みとなっている。「工事事業」では土木関係の需要が堅調に推移すると予想され、増収増益の予想となるも、資材価格の高騰が予想されるため利益率は低下する見込みである。設備投資額は、3,598百万円、減価償却費は2,057百万円の見込みとなっている。主な投資として、水性製造所新設(栃木工場)、新基幹システムの導入、子会社ボンドエンジニアリング(株)の東京支店開設へ振り向ける予定としている。年間配当は「ボンド発売70周年記念配当」5円を含めて年間49円配とする見込みだ。
3. 中期経営計画:発表を延期
同社は、以前は3年ごとに「中期経営計画」を発表してきたが、足元では原油価格上昇に伴う原材料価格高騰の影響が不透明であることから「中期経営計画」の発表を延期した。同社は、「ある程度先行きが見通せるようになった段階で改めて発表する」と述べている。
■Key Points
・国内最大級の接着剤・シーリング材メーカー。向け先は住宅・建材用、産業用、建築・土木用と幅広い
・2022年3月期の営業利益は前期比3.1%増と過去最高を更新
・原材料価格高騰により「中期経営計画」の発表は延期
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>