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オークファン Research Memo(1):GMVの拡大とともに「注力事業」は順調に伸び、計画どおりの進捗

注目トピックス 日本株
■要約

1. 会社概要
オークファン<3674>は、「RE-INFRA COMPANY」をコンセプトとして、膨大な蓄積データとAIにより在庫価値を可視化・最適化する「在庫価値ソリューション事業」と、企業在庫の流通を支援する「商品流通プラットフォーム事業」の2軸により、BtoB卸売市場のDX化(業務の効率化等)や社会課題となっている廃棄ロス削減に向けたワンストップサービスを提供している。主なサービスには、相場検索・価格比較サービス「aucfan.com」や国内最大級のBtoB卸売仕入れサイト「NETSEA」、返品・型落ち品・滞留在庫などの流動化支援サービス「NETSEAオークション」などがあり、中小企業・個人事業主(副業を含む)を中心とする小売・流通業向けの在庫流動化支援ソリューションを展開している。創業来、蓄積してきた商品売買データは700億件を超え、ビジネス利用アカウント数は140万を超える。EC市場やリユース市場の拡大をはじめ、個人の副業ニーズや法人の商品在庫の流動化ニーズの高まりなどを背景として、同社独自の価値提供により事業を拡大してきた。今後も、「モノの再流通インフラ」の構築を通じて、成長を加速していく構想を描いている。

2022年9月期からは、GMV(流通額)の拡大に向けて、事業の選択と集中を進めるため、主力事業を「注力事業」と「撤退事業」に事業区分を変更した。「NETSEA」「NETSEAオークション」「aucfan.com」を軸とする「注力事業」への積極投資を行っていく方針である。また、M&A等を通じて、オフライン展示会の取り組みも開始。オンラインとリアルの融合による新しい形の取引の場を提供することで、GMVの拡大につなげる考えだ。

2. 2022年9月期上期の業績
2022年9月期上期の業績は、売上高が前年同期比36.5%減の2,952百万円、営業利益が同92.8%減の56百万円と大幅な減収減益となったものの、通期計画に対しては順調に進捗している。大幅な減収となったのは、「インキュベーション事業」と「撤退事業」の縮小によるものであり、「注力事業」の売上高は同19.5%増の2,042百万円と着実に伸びている。また、重視するGMV(流通額)についても、先行費用(プロモーション強化等)の効果により、同20.1%増の5,392百万円と拡大した。利益面でも、「インキュベーション事業」における株式売却益の減少に加え、「注力事業」への先行投資により大幅な減益となったものの、第2四半期(四半期ベース)だけで見ると、「注力事業」は黒字化を実現しており、GMVの拡大とともに損益も改善に向かっている。

3. 2022年9月期の業績予想
2022年9月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比37.7%減の5,200百万円、営業利益を同82.9%減の100百万円と大幅な減収減益を見込んでいる。減収予想となっているのは、「撤退事業」による影響のほか、「インキュベーション事業」における株式売却の減少によるものである。一方、「注力事業」の売上高については、同35.0%増の4,800百万円と大きく伸長する見通しとなっている。特に、積極投資の継続によりGMVを同約1.5倍に拡大することで、「NETSEA」及び「NETSEAオークション」の成長を加速していく。利益面については、「撤退事業」からの損益改善が見込まれるものの、「インキュベーション事業」における株式売却益の減少のほか、「注力事業」への大規模な先行投資(約6億円)により大幅な営業減益となる見通しである。

4. 今後の方向性
巨大な国内BtoB卸売市場をはじめ、深刻化している商品在庫の廃棄ロス、今後拡大が見込まれるリバースロジスティクス(返品市場)を対象とし、社会課題の解決に向けた取り組みを同社自らの成長に結び付ける方向性である。同社グループの各機能を結集・統合した「モノの再流通インフラ」(在庫流動化のワンストップソリューション)の構築により、流通高1兆円以上の実現を視野に入れている。また、これまでの国内BtoB卸売オンライン市場から、オフライン市場や海外市場のBtoB卸へも進出し、GMVのさらなる拡大にも取り組む方針である。

■Key Points
・2022年9月期上期は大幅な減収減益となるも、計画どおりの進捗
・先行投資の効果もあり、GMVの拡大とともに「注力事業」は着実に伸長
・2022年9月期は、将来を見据えた「注力事業」への先行投資等により大幅な減益を見込むものの、GMVを前期比約1.5倍へ拡大させる計画
・同社グループの各機能を結集・統合した「モノの再流通インフラ」の構築により、国内BtoB卸売市場のDX化や廃棄ロス問題の解決に向けた取り組みを同社自らの成長に結び付ける戦略

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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