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オークファン Research Memo(6):「注力事業」への積極投資により、GMVの拡大を目指す

注目トピックス 日本株
■業績見通し

1. 2022年9月期の業績予想
2022年9月期の業績予想についてオークファン<3674>は、期初予想を据え置き、売上高を前期比37.7%減の5,200百万円、営業利益を同82.9%減の100百万円、経常利益を同86.6%減の80百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同67.0%減の50百万円と、「注力事業」への積極投資等により大幅な減益を見込んでいる。

減収予想となっているのは、「撤退事業」による影響(約30億円の減収要因)のほか、「インキュベーション事業」における株式売却の減少(約13億円の減収要因)によるものである。一方、「注力事業」についての売上高は、前期比35.0%増の4,800百万円と大きく伸長する見通しとなっている。特に、積極投資の継続によりGMVを同約1.5倍に拡大することで、「NETSEA」及び「NETSEAオークション」の成長を加速していく想定である。

利益面についても、「注力事業」における収益の底上げや「撤退事業」からの損益改善が見込まれるものの、「インキュベーション事業」における株式売却益の減少のほか、「注力事業」への大規模な先行投資(約6億円)により大幅な営業減益となる見通しである。なお、先行投資による影響を除くと、「注力事業」の実力ベースの営業利益は6億円を見込んでいることから、その全額を先行投資に振り向ける計画と言える。したがって、営業利益予想(全社)の1億円は「インキュベーション事業」における株式売却益によるものである。

2. 各注力事業の活動方針
(1) NETSEA(商品流通プラットフォーム事業)
OSRとの連携によりオフライン展示会に取り組むほか、グローバル展開にも挑戦していく方針である。特に、中国・東南アジア、中東・アフリカ方面などを視野に入れ、新たなチャネルの開拓を図っていく計画のようだ。また、Webサイトの機能拡充(新型キーワード検索連動広告の開始等)により、アクセス数・顧客単価の向上を目指していく。

(2) NETSEAオークション(商品流通プラットフォーム事業)
「預かり在庫サービス」の普及促進やOSRとの連携による在庫の流動化支援のほか、リユース業界や美術・骨董品市場などを対象として、オークションシステムの外部提供によるレベニューシェアモデルの構築などにも取り組む。

(3) aucfan.com(在庫価値ソリューション事業)
サイトリニューアルによるアクセス数の増加施策や、新機能開発及びプラットフォーム連携強化による課金会員数の増加施策などに取り組む方針である。

3. 弊社アナリストの見方
2022年9月期は「注力事業」への積極投資により大幅な減益となる見通しとなっているが、潜在的な需要を掘り起こし、GMVを加速度的に生み出していくためには必要なプロセスであると、弊社では捉えている。したがって、先行投資や様々な取り組みを通じて、いかにGMVの拡大を実現し、来期以降の成長加速につなげていくのか、中長期的な視点からその道筋に注目したい。特に、第3四半期より連結化されたOSRとのシナジー創出を含め、オフライン市場への進出がGMVの拡大やビジネスモデルの進化にどのように寄与するか、予定している海外展開がどのような形で立ち上がってくるかに注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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