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システム ディ Research Memo(8):2022年10月期はすべての事業部門で増収を目指す

注目トピックス 日本株
■システム ディ<3804>の今後の見通し

2. 事業部門別売上見通し
(1) 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業は前期比9.1%増収と2期ぶりの増収を見込んでいる。第2四半期累計では減収となったが、下期は営業体制の見直しや提案力の強化に取り組んでおり、カスタマイズ案件の受注獲得に注力していく方針となっている。また、既存顧客に対するパッケージ製品から次世代学園総合情報システム「Campus Plan Smart」へのリプレイスや新規顧客の獲得も進めていく。特に大学では会計制度の変更によって2015年前後にシステム改修・更新の特需が発生しており、この部分の更新需要が2022年頃まで発生すると見られており、他社製品をリプレイスする好機となる。既に、大学向けで大型案件を2〜3件受注しているもようで、2023年10月期に売上計上する予定となっている。このため、2022年10月期の売上高は減収となる可能性もあるが、2023年10月期には回復に転じるものと予想される。

「キャンパスプラン」の大きな特長は、学務系業務や法人系業務などをトータルで提供できる点にある。領域ごと(例えば会計・経理や人事、学務などの領域)では強い競合製品がそれぞれ複数存在するが、異なる企業のソフトウェア製品を導入している場合はシステム操作に慣れるまで時間を要するといった課題がある。すべての業務システムを同一製品で網羅することができれば、職員が他部署に異動となった場合でもスムーズにシステムを操作でき、業務効率の向上にもつながる。既存顧客から同社製品が高く評価されている一因ともなっている。「Campus Plan Smart」についてもほぼ主要機能の開発が終わり、2023年までに学務系システムも含めてすべての機能がカバーされる予定となっている。既存製品との連携にも対応しているため、スムーズにリプレイスすることが可能で今後の受注増が期待される。

大学向け以外では、私立高校や専門学校向けでの顧客開拓を進めていく。私立高校は全国に約1,300校、専門学校は約2,900校あり、そのうち同社製品は約150校に導入されていると見られる。導入シェアで見ると数%とわずかだが、逆にシェア拡大余地が大きいと見ることもできる。私立高校・専門学校の1校当たり生徒数※は、高校で約770名、専門学校で約220名と、大学の約3,500名と比べて規模が小さいため、初期投資負担の少ないクラウドサービス「キャンパスプラン for Azure」で機能性やコストパフォーマンスを訴求し、シェアを拡大していく戦略だ。1校当たりの売上規模は大学と比べて小さいが、導入校数を伸ばしていくことができれば、中長期的に安定収益基盤として収益貢献するものと期待される。

※文部科学省「学校基本調査」(令和3年度)のデータを基に算出。


(2) ウェルネスソリューション事業
ウェルネスソリューション事業については前期比2.6%増収を見込んでいる。ただ、コロナ禍でフィットネスクラブ事業者や文化・観光施設の投資意欲がまだ回復していないようで、通期でも減収が続く可能性はある。こうしたなかで伸びを期待しているのはパーソナルジムなど小規模事業者をターゲットとしたクラウド型会員管理・会費回収システム「Smart Hello」となる。顧客数は第2四半期末で60施設を超えた程度だが、通期目標の100施設達成に向けて足元の引き合いは好調のようだ。一方、文化・観光施設向け運営管理システム「Hello Fun」については、コロナ禍収束後の市場回復を見据えた新製品の開発が計画どおりに進んでいる。

(3) 公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は前期比26.3%増収を見込んでいる。前述したとおり、第2四半期累計では高校向けで北海道、愛知県、新潟県の約550校の新規導入があったことで売上高が急増したが、下期は新規案件もほとんどなく、ストック売上の積み上げ分が増収要因になる。下期売上高で見ると前年同期比7%の減収見込みと保守的な計画となっており、上振れする可能性はあると弊社では見ている。なお、公立高校向けの統合型校務支援システムの導入率は2022年度でほぼ100%になると見られることから、2023年10月期は新規導入案件が減少する見込みだ。一方で、小・中学校向けはまだ導入が進んでいない自治体も残っており、これら自治体での受注獲得に注力していくこと、また、既存ユーザーに対して「Home Services」の拡販によるアップセルに取り組むことで、2023年10月期以降の増収を目指していく。

(4) 公会計ソリューション事業
公会計ソリューション事業は前期比11.9%増収を見込んでいる。公教育ソリューション事業と同様、第2四半期累計に大型の新規導入案件が集中したことにより、下期の売上高は前年同期比33.6%の減収見込みとなっている。ただ、業界2番手の競合製品が2022年度末でサービスを終了することで、同製品ユーザーからの最終の切り替え需要が残っており、これら案件を受注していくことで売上高の上積みを狙う。なお、2023年10月期についてはこうしたリプレイス需要がなくなるため、売上高は鈍化または反動減となる可能性がある。「Common財務会計システム」の導入が進めば「PPP」の落ち込みをカバーできるが、本格的に導入が進む時期についてはもうしばらく先になる可能性が高いようだ。

(5) ソフトエンジニアリング事業
ソフトエンジニアリング事業は前期比9.9%増収を見込んでいる。コンプライアンスやコーポレートガバナンスの強化に取り組む動きが、一般企業だけでなく金融機関、学校法人などにも広がっていることから、下期も順調な売上拡大が見込まれる。

(6) 薬局ソリューション事業
薬局ソリューション事業は前期比32.5%増収を見込んでいる。前述した通りオンライン資格確認システム導入支援サービスの増加が増収要因となる。ただ、これは特需的な売上げとなるため、薬局への導入が一巡すれば減少要因となる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)




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