ミロク情報 Research Memo(6):2023年3月期は投資フェーズ。2024年3月期以降に利益成長する見通し
[22/07/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
ミロク情報サービス<9928>の2023年3月期の連結業績は売上高で前期比6.0%増の38,800百万円、営業利益で同0.2%増の4,800百万円、経常利益で同0.6%増の4,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同35.8%減の2,900百万円となる見通し。単体売上についてはERP製品の提供形態を売切り型からクラウド・サブスク型へ徐々に移行する影響を勘案し、同2.9%増と微増収を計画している一方で、前期低調だった子会社の営業体制を強化することで連結売上高については同6.0%増収を見込んでいる。
営業利益については、2022年4月に提供開始した中堅企業向けERP製品「Galileopt DX」等のソフトウェア資産の減価償却費が前期比5億円強増加することに加えて、人員増に伴う人件費の増加(単体ベースで新卒社員70名入社)や統合型DXプラットフォームの本格サービス開始に向けたプロモーション費用の増加等があるものの、増収効果によりこれら費用増を吸収して若干の増益を確保する計画だ。子会社については受託開発3社やMJS M&Aパートナーズ、アド・トップで増収増益を見込むものの、トライベックについては統合型DXプラットフォーム事業の立ち上げ費用の増加により増収減益に、トランストラクチャについては人員体制の強化に取り組むため前期並みの収益水準を見込む。子会社全体の営業利益としては前期比横ばい水準で計画している。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した関係会社株式売却益がなくなるため、減益見通しとなっている。
2023年3月期の品目別売上高については、システム導入契約売上高が前期比2.6%増の20,771百万円、サービス収入が同8.3%増の14,084百万円、その他(主に子会社の売上)が同17.5%増の3,944百万円を計画しており、主なポイントは以下のとおりとなる。
(1) システム導入契約売上高
システム導入契約売上高に関しては、2022年3月期末の受注残高(単体)が前期末比17.3%増の9,976百万円と過去最高水準に積み上がっており、足元の受注動向にも翳りは見られないことから、計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。2023年3月期のクラウド・サブスク型への移行による売上高へのマイナス影響額は15億円程度を見込んでおり、ソフト使用料の2023年3月期以降の売上に計上されることになる。ソフトウェアの売上高が前期比0.6%増の伸びにとどまるのに対して、ユースウェアは同8.4%増と増収率に開きが出るのはこのためだ。なお、同社はクラウド・サブスク型への移行スピードについて、全体の業績に影響を与えない範囲で進めていく方針としている。このため、新規顧客についてもニーズに応じて売切り型での販売を継続していくことなる。
販売先別で見ると、企業向けは前期比12.1%増の11,860百万円と2ケタ成長となる見通し。中堅・中小企業向けERP製品の販売に特化したソリューション支社を新たに4支社(千葉、静岡、北陸、四国)立ち上げ、合計15支社体制に拡大し、全国各地で積極的な拡販活動を進めていく方針だ。2021年3月にリリースした「MJSLINK DX」に加えて、2022年4月に提供開始した「Galileopt DX」によって、既存顧客のリプレースだけでなく新規顧客の開拓を推進していく。「Galileopt DX」は従来品と比較してAI技術の活用により操作性を向上したほか、処理スピードの高速化、API連携先の拡充なども図るなど、利便性が一段と向上した製品となっており、顧客基盤の拡大が期待される。
一方、会計事務所向けについては同11.5%減の5,299百万円と減収を見込んでいる。顧客数は変わらないものの、クラウド・サブスク型への移行の影響を織り込んだものになっていると見られる。また、その他(子会社売上、パートナー向け等)については前期比1.7%減の3,611百万円となっている。同社は業績が伸び悩んでいる子会社について営業力に課題があると考えており、2023年3月期から営業部門の最高執行責任者兼副社長が全子会社の業績管理を担当することになり、同社の営業手法を子会社に導入すべく、営業力の強化を図っていくことにしている。
(2) サービス収入
サービス収入の内訳を見ると、ソフト運用支援サービスが前期比2.3%増の5,725百万円、TVSが同0.3%増の2,524百万円と微増にとどまるのに対して、ソフト使用料が同40.2%増の3,894百万円と大きく伸長する見通しとなっている。売切り型からクラウド・サブスク型への移行が進むことが主因だ。また、統合型DXプラットフォーム事業について、第3四半期より有料サービスの提供を開始する予定であり数億円の売上を見込んでいる。同事業は今後の同社の成長を担う戦略事業となるだけに、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ミロク情報サービス<9928>の2023年3月期の連結業績は売上高で前期比6.0%増の38,800百万円、営業利益で同0.2%増の4,800百万円、経常利益で同0.6%増の4,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同35.8%減の2,900百万円となる見通し。単体売上についてはERP製品の提供形態を売切り型からクラウド・サブスク型へ徐々に移行する影響を勘案し、同2.9%増と微増収を計画している一方で、前期低調だった子会社の営業体制を強化することで連結売上高については同6.0%増収を見込んでいる。
営業利益については、2022年4月に提供開始した中堅企業向けERP製品「Galileopt DX」等のソフトウェア資産の減価償却費が前期比5億円強増加することに加えて、人員増に伴う人件費の増加(単体ベースで新卒社員70名入社)や統合型DXプラットフォームの本格サービス開始に向けたプロモーション費用の増加等があるものの、増収効果によりこれら費用増を吸収して若干の増益を確保する計画だ。子会社については受託開発3社やMJS M&Aパートナーズ、アド・トップで増収増益を見込むものの、トライベックについては統合型DXプラットフォーム事業の立ち上げ費用の増加により増収減益に、トランストラクチャについては人員体制の強化に取り組むため前期並みの収益水準を見込む。子会社全体の営業利益としては前期比横ばい水準で計画している。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した関係会社株式売却益がなくなるため、減益見通しとなっている。
2023年3月期の品目別売上高については、システム導入契約売上高が前期比2.6%増の20,771百万円、サービス収入が同8.3%増の14,084百万円、その他(主に子会社の売上)が同17.5%増の3,944百万円を計画しており、主なポイントは以下のとおりとなる。
(1) システム導入契約売上高
システム導入契約売上高に関しては、2022年3月期末の受注残高(単体)が前期末比17.3%増の9,976百万円と過去最高水準に積み上がっており、足元の受注動向にも翳りは見られないことから、計画を達成する可能性は高いと弊社では見ている。2023年3月期のクラウド・サブスク型への移行による売上高へのマイナス影響額は15億円程度を見込んでおり、ソフト使用料の2023年3月期以降の売上に計上されることになる。ソフトウェアの売上高が前期比0.6%増の伸びにとどまるのに対して、ユースウェアは同8.4%増と増収率に開きが出るのはこのためだ。なお、同社はクラウド・サブスク型への移行スピードについて、全体の業績に影響を与えない範囲で進めていく方針としている。このため、新規顧客についてもニーズに応じて売切り型での販売を継続していくことなる。
販売先別で見ると、企業向けは前期比12.1%増の11,860百万円と2ケタ成長となる見通し。中堅・中小企業向けERP製品の販売に特化したソリューション支社を新たに4支社(千葉、静岡、北陸、四国)立ち上げ、合計15支社体制に拡大し、全国各地で積極的な拡販活動を進めていく方針だ。2021年3月にリリースした「MJSLINK DX」に加えて、2022年4月に提供開始した「Galileopt DX」によって、既存顧客のリプレースだけでなく新規顧客の開拓を推進していく。「Galileopt DX」は従来品と比較してAI技術の活用により操作性を向上したほか、処理スピードの高速化、API連携先の拡充なども図るなど、利便性が一段と向上した製品となっており、顧客基盤の拡大が期待される。
一方、会計事務所向けについては同11.5%減の5,299百万円と減収を見込んでいる。顧客数は変わらないものの、クラウド・サブスク型への移行の影響を織り込んだものになっていると見られる。また、その他(子会社売上、パートナー向け等)については前期比1.7%減の3,611百万円となっている。同社は業績が伸び悩んでいる子会社について営業力に課題があると考えており、2023年3月期から営業部門の最高執行責任者兼副社長が全子会社の業績管理を担当することになり、同社の営業手法を子会社に導入すべく、営業力の強化を図っていくことにしている。
(2) サービス収入
サービス収入の内訳を見ると、ソフト運用支援サービスが前期比2.3%増の5,725百万円、TVSが同0.3%増の2,524百万円と微増にとどまるのに対して、ソフト使用料が同40.2%増の3,894百万円と大きく伸長する見通しとなっている。売切り型からクラウド・サブスク型への移行が進むことが主因だ。また、統合型DXプラットフォーム事業について、第3四半期より有料サービスの提供を開始する予定であり数億円の売上を見込んでいる。同事業は今後の同社の成長を担う戦略事業となるだけに、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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