ネクスグループ Research Memo(1):事業構造改革の推進により、営業利益の大幅黒字転換を実現
[22/08/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ネクスグループ<6634>は、ファブレス型の通信機器メーカーである(株)ネクス、電子書籍事業を手掛ける(株)実業之日本デジタル、コンピューター・ソフトウェアの開発・販売及びマーケティング事業を展開する(株)ワイルドマンを擁するホールディングカンパニーである。現在は、「IoT関連事業」「インターネット旅行事業」「メタバース・デジタルコンテンツ事業」「ブランドリテールプラットフォーム事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」「その他」の6セグメントで事業を展開している。
1. 2022年11月期第2四半期累計の業績概要
2022年11月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が2,151百万円(前年同期比6.4%減)、営業利益が474百万円(前年同期は324百万円の損失)、経常利益が545百万円(同255百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が323百万円(前年同期比11.1%減)となった。新型コロナウイルス変異株の検出やウクライナ情勢の緊迫化、急激な円安、資源価格の高騰など、先行きの不透明感が一層強まるなかでも、IoT関連事業を筆頭に着実に売上を確保した。利益面では、事業構造改革の推進により収益性が改善したことに加え、暗号資産・ブロックチェーン事業で一部暗号資産の売却を行ったことにより、営業利益は大幅黒字転換となった。トピックスとしては、新規事業としてメタバース及びデジタルコンテンツ関連の事業を「メタバース・デジタルコンテンツ事業」とし、2022年2月に実業之日本デジタルを子会社化、同年3月にワイルドマンを持分法適用関連会社とした。また、事業構造改革の推進により、インターネット旅行事業及びブランドリテールプラットフォーム事業から撤退した。
2. 2022年11月期の業績見通し
2022年11月期の連結業績については、依然として新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う先行き不透明な状況や、事業構造改革における新規事業の整備・事業再編による影響を踏まえた業績予想を、現時点で適正かつ合理的に算定することが困難であることから、開示していない。なお、事業構造改革の目的の1つである「慢性的な営業赤字の解消」については、経営資源の選択と集中のため、損失を計上しており早期の業績回復が見込めないと判断したインターネット旅行事業及びブランドリテールプラットフォーム事業について、事業から撤退した。また、今後の収益の柱となる新事業(メタバース分野及びデジタルコンテンツ分野)への進出も進めている。M&Aを活用することでリスク低減を図ったうえで参入し、事業開始時から安定した売上の確保を実現した。既存事業である「IoT×新技術」を活用した新サービスの提供とともに事業構造改革も推進することで、安定的な収益・財務基盤の構築は順調に進むと弊社では見ている。
3. 中長期経営方針
同社は、中長期経営方針において、対処すべき課題等として、1) 事業構造改革の推進、2) IoT関連事業の拡大、3) 財務体制の強化、4) 事業ポートフォリオの分散化、5) ブランドイメージ戦略を挙げている。事業構造改革を推進することでグループ各社のシナジーを創出するほか、組織再編や取引先口座共有による営業力の強化、事業収益性の改善により、安定した利益確保を目指す。同社は、メタバース・デジタルコンテンツ事業を通じてWeb3.0分野へ積極的な投資を行う方針であり、新たなM&Aについても継続的に検討している。既存事業であるIoT関連事業とのシナジー創出を見込めることから、第2の収益軸としてさらなる成長が期待できると弊社では見ている。なお、株主還元については、株主に対する利益還元を経営戦略上の重要要素と考え、利益配分については経営基盤の安定及び将来の事業拡大に向けての内部留保の充実を勘案しつつ、収益やキャッシュ・フローの状況に応じた配当を実施していくとしている。
■Key Points
・2022年11月期第2四半期累計業績は営業利益が大幅黒字転換。不採算事業からの撤退により収益性が高まる
・2022年11月期業績予想は未定とするも、事業構造改革の推進により営業損失の早期解消及び新事業への進出を進める
・IoT関連事業とのシナジー創出を見込めるWeb3.0分野へ積極的な投資を行うことで、第2の収益軸へと育成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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ネクスグループ<6634>は、ファブレス型の通信機器メーカーである(株)ネクス、電子書籍事業を手掛ける(株)実業之日本デジタル、コンピューター・ソフトウェアの開発・販売及びマーケティング事業を展開する(株)ワイルドマンを擁するホールディングカンパニーである。現在は、「IoT関連事業」「インターネット旅行事業」「メタバース・デジタルコンテンツ事業」「ブランドリテールプラットフォーム事業」「暗号資産・ブロックチェーン事業」「その他」の6セグメントで事業を展開している。
1. 2022年11月期第2四半期累計の業績概要
2022年11月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が2,151百万円(前年同期比6.4%減)、営業利益が474百万円(前年同期は324百万円の損失)、経常利益が545百万円(同255百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が323百万円(前年同期比11.1%減)となった。新型コロナウイルス変異株の検出やウクライナ情勢の緊迫化、急激な円安、資源価格の高騰など、先行きの不透明感が一層強まるなかでも、IoT関連事業を筆頭に着実に売上を確保した。利益面では、事業構造改革の推進により収益性が改善したことに加え、暗号資産・ブロックチェーン事業で一部暗号資産の売却を行ったことにより、営業利益は大幅黒字転換となった。トピックスとしては、新規事業としてメタバース及びデジタルコンテンツ関連の事業を「メタバース・デジタルコンテンツ事業」とし、2022年2月に実業之日本デジタルを子会社化、同年3月にワイルドマンを持分法適用関連会社とした。また、事業構造改革の推進により、インターネット旅行事業及びブランドリテールプラットフォーム事業から撤退した。
2. 2022年11月期の業績見通し
2022年11月期の連結業績については、依然として新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う先行き不透明な状況や、事業構造改革における新規事業の整備・事業再編による影響を踏まえた業績予想を、現時点で適正かつ合理的に算定することが困難であることから、開示していない。なお、事業構造改革の目的の1つである「慢性的な営業赤字の解消」については、経営資源の選択と集中のため、損失を計上しており早期の業績回復が見込めないと判断したインターネット旅行事業及びブランドリテールプラットフォーム事業について、事業から撤退した。また、今後の収益の柱となる新事業(メタバース分野及びデジタルコンテンツ分野)への進出も進めている。M&Aを活用することでリスク低減を図ったうえで参入し、事業開始時から安定した売上の確保を実現した。既存事業である「IoT×新技術」を活用した新サービスの提供とともに事業構造改革も推進することで、安定的な収益・財務基盤の構築は順調に進むと弊社では見ている。
3. 中長期経営方針
同社は、中長期経営方針において、対処すべき課題等として、1) 事業構造改革の推進、2) IoT関連事業の拡大、3) 財務体制の強化、4) 事業ポートフォリオの分散化、5) ブランドイメージ戦略を挙げている。事業構造改革を推進することでグループ各社のシナジーを創出するほか、組織再編や取引先口座共有による営業力の強化、事業収益性の改善により、安定した利益確保を目指す。同社は、メタバース・デジタルコンテンツ事業を通じてWeb3.0分野へ積極的な投資を行う方針であり、新たなM&Aについても継続的に検討している。既存事業であるIoT関連事業とのシナジー創出を見込めることから、第2の収益軸としてさらなる成長が期待できると弊社では見ている。なお、株主還元については、株主に対する利益還元を経営戦略上の重要要素と考え、利益配分については経営基盤の安定及び将来の事業拡大に向けての内部留保の充実を勘案しつつ、収益やキャッシュ・フローの状況に応じた配当を実施していくとしている。
■Key Points
・2022年11月期第2四半期累計業績は営業利益が大幅黒字転換。不採算事業からの撤退により収益性が高まる
・2022年11月期業績予想は未定とするも、事業構造改革の推進により営業損失の早期解消及び新事業への進出を進める
・IoT関連事業とのシナジー創出を見込めるWeb3.0分野へ積極的な投資を行うことで、第2の収益軸へと育成
(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)
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