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三菱総研 Research Memo(6):VCP経営・連結経営のもと、社会実装機能強化に注力

注目トピックス 日本株
■三菱総合研究所<3636>の中長期の成長戦略

1. 中期経営計画の概要
2020年11月に発表した「中期経営計画2023」(2021年9月期〜2023年9月期)において、同社グループは「VCP経営」「連結経営」「新常態経営」の3つを基本的方針として設定し、「A:研究・提言」「D:社会実装」機能の強化とDX事業をはじめとする新事業の創出・拡大により持続的成長企業への土台を構築することを目指している。そのうえで財務価値の具体的目標として、2023年9月期に経常利益100億円(年平均成長率12%)、自己資本利益率(ROE)10%を掲げている(なお、前述のとおり経常利益目標は2022年9月期に前倒しで達成できる見込みとしている)。

基本方針の1つとして掲げた「VCP経営」おいて、同社グループのバリューチェーンを「A:研究・提言」「B:分析・構想」「C:設計・実証」「D:社会実装」と定義付けた。世の中に存在する社会課題を起点に、「D:社会実装」までを意識した現実性の高い「A:研究・提言」を行うなど各機能のつながりを意識した事業活動を展開することによって課題解決と事業機会の拡大を目指し、「D:社会実装」まで主体的に関与していくことで社会に変革を根付かせることを目的としている。重点分野として、ヘルスケア、人財、都市・モビリティ、エネルギー、情報通信、食農、循環、レジリエンスを設定した。例えば、エネルギー分野においては、将来のあるべきエネルギー政策の研究・提言からメガソーラー事業の運営まで手掛けており、AからDまでを一気通貫で提供するVCP経営を実行している。これらの重点分野を中心にVCP経営を推進することにより、社会価値(社会課題の解決)、非財務価値(人と組織の持続的成長)、財務価値(事業の成長)の3つの価値の拡大化を目指す考えだ。

「連結経営」は、「D:社会実装」機能を強化することで「VCP経営」の実効性をさらに高めるために重要となる。グループの中核企業であるDCS、JBS、INESとの協業をより一層推進し、グループ資産の横断的な活用を目的としたものだ。DX事業などの新事業創造においてはグループ企業との連携に留まらず、研究機関やベンチャー企業をはじめとする外部との協業も積極的に模索・推進している。

「新常態経営」は、社会の大きな変化を見据えて働き方改革を加速するものである。ポストコロナ社会における変革を同社グループが先駆けて行うことを意図している。これにより、従業員のワーク・ライフ・バランスの最適化・企業パフォーマンスの最大化を実現するとともに、変革を先導するなかから得た知見をVCP経営の「A:研究・提言」、「D:社会実装」へとつなげ、新たな事業機会を創出することも狙っている。

同社グループは、これらの3つの基本方針のもと、さらに5つの改革戦略「成長事業改革」「基盤事業改革」「シンクタンク事業改革」「人財・風土改革」「経営システム改革」を策定し、具体的な活動に落とし込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)




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