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EMシステムズ Research Memo(8):クラウド型介護/福祉事業所向けシステムをリリース

注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略・トピックス

1. クラウド型介護/福祉事業所向けシステム「MAPs for NURSING CARE」をリリース、医療介護情報連携に優位性
2022年8月、EMシステムズ<4820>は「MAPs for NURSING CARE」をリリースした。MAPsシリーズの発表(2018年11月)から3年半余りをかけて丁寧に開発し、多様なサービスが存在する介護/福祉業界におけるクラウドシステムを完成させた。特長は、1)クラウドシステムの提供、導入作業軽減・入力業務の効率化、2)介護/福祉事業所の業務負担を軽減できるツール類の提供、3)医療と介護/福祉の情報連携を実現、4)共通エンジン・マスタ等の他社に向けた低価格でのOEM提供の4点である。特に、場所や端末を選ばないため利便性が高い。また、医療と介護/福祉の情報連携は他社にはない優位性であり、対象者の情報を一元管理できる点でニーズを先取りしている。介護システム業界は、100社以上の企業が参入する分散市場であり、NDソフトウェア(株)、(株)ワイズマン、エス・エム・エス <2175>のトップ3社の合計シェアでも40%前後である。同社は2016年に本格参入して以来、複数のM&Aにより4ブランドの製品を製造・販売してきた。今後は他社システム利用者の獲得とともに、自社顧客においてもMAPsへの変更を促していく計画である。

2. よりシームレスな薬局DXを実現する調剤システム「MAPs for PHARMACY DX」の開発に着手
同社では、リリース済みである主力製品「MAPs for PHARMACY」の機能を拡張・強化し、「MAPs for PHARMACY DX」として年内にリリースする開発に着手している。薬局・薬剤師をとりまく業務の「対物中心から対人中心への転換」が迫られるなか、それを全面的にサポートするのがこのシステム開発の目的である。これまでの薬局システムは、レセコン、電子薬歴、周辺機器(処方箋リーダー、オンライン決済端末など)がバラバラに投入され、連携が不十分であった。「MAPs for PHARMACY DX」では、これらの単体システムをシームレスに連携させ、顧客の要望に合わせて選択・組み合わせて利用することが可能となる。一例として、分析・洞察関連システム分野では、薬歴管理の連携を強化すべくグループ会社の(株)グッドサイクルシステムと協同開発を行う。また、ユーザー関連システム分野では、子会社が提供するチョキペイ(オンライン決済)を選択しやすくする。2023年1月からは国策として電子処方箋の運用が開始され、薬局のDX化はますます進展することが想定される。調剤システムのトップ企業として、製品競争力をさらに強化し、顧客のDXをしっかり支援する計画である。

3. サステナビリティ経営の強化
同社では、従来から本業や社会貢献活動、研究・実験への支援活動等を通じて持続可能な社会に貢献する取り組みを行ってきた。代表例としては、テニスにおけるジュニアの育成や電子処方箋に関する実証実験への協力などがある。2020年からは、サステナビリティ経営の基本方針の策定、2021年からは重要課題の策定などにより体制を整備した。2022年からは、2030年までの長期目標(KPI)を策定し、KPI達成に向けた実践活動に着手している。これらの活動が第三者機関に評価され、2022年には、「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」及び「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」に初選定されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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