極東貿易 Research Memo(7):新中期経営計画の最大の目玉は、新規ビジネスの開発と育成
[22/09/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■極東貿易<8093>の中期経営計画と成長戦略
2. 新中期経営計画2期目の進捗
中期経営計画2期目となる2023年3月期も以下の3つの重点施策を継続し強化していく。
・サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資実行
2022年1月に洋上風力に関わる事業会社であるTWD Japanを設立したことで、脱炭素・気候変動への取り組みに関わる事業の新たな収益源泉を創出する。
・株主価値に資する資本政策の実行
2023年3月期においても計画どおり積極的な株主還元を実行することで株主価値を高める。
・パラダイムシフトのなかで「想像」し「創造」できる人材の育成
中長期的な視野で人材投資を行い、社員が活躍できる環境整備を積極的に行っていく。
(1) サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資実行
1) 事業ポートフォリオ戦略の構築へ
同社は2022年4月付で営業組織を統合した。基幹産業関連部門と電子・制御システム関連部門の5つの営業部を統合して、「産業インフラソリューショングループ」へ、産業素材関連部門の3つの営業部を「マテリアルソリューショングループ」へと、2つの営業グループに統合した。もともと各営業組織は規模が小さく慢性的な人手不足であり、新たな戦略的な営業活動ができず機会損失も生じていたと言う。
今回の営業組織の統合を行った狙いは3つある。第1に、事業特性や営業特性に適した事業戦略とその実行組織の再編である。2つの営業グループ(産業インフラソリューション、マテリアルソリューション)は、設備エンジニアリング系ビジネスと素材(“流れモノ”)サプライヤー系ビジネスと定義され、売り方やビジネスのやり方が異なる。今後は、それぞれの営業組織で事業戦略と営業戦略を策定し実行する。第2に、2つの営業組織にしたことにより、将来的には顧客のニーズに応じて、プロジェクトチームで動けるよう柔軟な営業体制を組めるようにする。第3に、顧客情報や専門的知見やノウハウを組織で共有することで、営業人材の育成強化につなげる。今回の営業組織改革は、合理化や人員削減などの守りの組織改革ではなく、戦略的意味を持った、攻めの組織改革であることを付け加えておく。
2) 事業ポートフォリオの再編と強化
同社では、今回の営業組織改革を機に、事業セグメントの再編も同時に行った。2023年3月期より、報告セグメントを従来の4事業セグメントから3事業セグメントへ変更した。「基幹産業関連部門」と「電子・制御システム関連部門」を統合して「産業設備関連部門」を新設し、従来の「産業素材関連部門」「機械部品関連部門」で3事業セグメント体制とした。
その背景には、カーボンニュートラル(脱炭素)の潮流を見据え、同社の火力発電所関連の製品はすべて撤退すると決断したこと、電子・制御システム関連部門では主力事業であった「計装システム(火力発電所向け制御装置)」を失ったことで事業規模が圧倒的に小さくなり、単独で事業セグメントを組む必要がなくなったことがある。そのため実質的には基幹産業関連部門に電子・制御システム関連部門を吸収した形となった。
今回の会計基準変更により、売上高・売上総利益のトップは基幹産業関連部門セグメントから機械部品関連部門セグメントへ交代となった。中長期の事業ポートフォリオで見ると、機械部品関連部門(特にねじ事業)を将来のコア事業に育てるべく、集中的リソース配分を検討する時期に来ているのかもしれない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2. 新中期経営計画2期目の進捗
中期経営計画2期目となる2023年3月期も以下の3つの重点施策を継続し強化していく。
・サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資実行
2022年1月に洋上風力に関わる事業会社であるTWD Japanを設立したことで、脱炭素・気候変動への取り組みに関わる事業の新たな収益源泉を創出する。
・株主価値に資する資本政策の実行
2023年3月期においても計画どおり積極的な株主還元を実行することで株主価値を高める。
・パラダイムシフトのなかで「想像」し「創造」できる人材の育成
中長期的な視野で人材投資を行い、社員が活躍できる環境整備を積極的に行っていく。
(1) サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資実行
1) 事業ポートフォリオ戦略の構築へ
同社は2022年4月付で営業組織を統合した。基幹産業関連部門と電子・制御システム関連部門の5つの営業部を統合して、「産業インフラソリューショングループ」へ、産業素材関連部門の3つの営業部を「マテリアルソリューショングループ」へと、2つの営業グループに統合した。もともと各営業組織は規模が小さく慢性的な人手不足であり、新たな戦略的な営業活動ができず機会損失も生じていたと言う。
今回の営業組織の統合を行った狙いは3つある。第1に、事業特性や営業特性に適した事業戦略とその実行組織の再編である。2つの営業グループ(産業インフラソリューション、マテリアルソリューション)は、設備エンジニアリング系ビジネスと素材(“流れモノ”)サプライヤー系ビジネスと定義され、売り方やビジネスのやり方が異なる。今後は、それぞれの営業組織で事業戦略と営業戦略を策定し実行する。第2に、2つの営業組織にしたことにより、将来的には顧客のニーズに応じて、プロジェクトチームで動けるよう柔軟な営業体制を組めるようにする。第3に、顧客情報や専門的知見やノウハウを組織で共有することで、営業人材の育成強化につなげる。今回の営業組織改革は、合理化や人員削減などの守りの組織改革ではなく、戦略的意味を持った、攻めの組織改革であることを付け加えておく。
2) 事業ポートフォリオの再編と強化
同社では、今回の営業組織改革を機に、事業セグメントの再編も同時に行った。2023年3月期より、報告セグメントを従来の4事業セグメントから3事業セグメントへ変更した。「基幹産業関連部門」と「電子・制御システム関連部門」を統合して「産業設備関連部門」を新設し、従来の「産業素材関連部門」「機械部品関連部門」で3事業セグメント体制とした。
その背景には、カーボンニュートラル(脱炭素)の潮流を見据え、同社の火力発電所関連の製品はすべて撤退すると決断したこと、電子・制御システム関連部門では主力事業であった「計装システム(火力発電所向け制御装置)」を失ったことで事業規模が圧倒的に小さくなり、単独で事業セグメントを組む必要がなくなったことがある。そのため実質的には基幹産業関連部門に電子・制御システム関連部門を吸収した形となった。
今回の会計基準変更により、売上高・売上総利益のトップは基幹産業関連部門セグメントから機械部品関連部門セグメントへ交代となった。中長期の事業ポートフォリオで見ると、機械部品関連部門(特にねじ事業)を将来のコア事業に育てるべく、集中的リソース配分を検討する時期に来ているのかもしれない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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