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アクシージア Research Memo(1):2022年7月期業績は売上・利益ともに過去最高を達成

注目トピックス 日本株
■要約

アクシージア<4936>は、Made In Japanの高・中価格帯の化粧品・サプリメントの企画・製造を行い、主に中国市場でのEコマース(以下、EC)で販売する成長性の高い化粧品会社である。社名のAXXZIA(アクシージア)とは、『女性の染色体「XX」』を美の象徴とし、『アジア(ASIA⇒AZIA)の美』を日本から世界へ発信するとの想いを社名に込めている。主力ブランドは「AXXZIA(アクシージア)」と「AGtheory(エイジーセオリー)」であり、それぞれ目元ケア製品「エッセンスシート」と美容サプリメント「AGドリンク」のヒーロープロダクツ(ヒット商品)化に成功している。2020年には、中国最大のECプラットフォーム「天猫(Tmall)」(アリババグループ。以下、Tmall)で「2020年度新鋭企業賞」を受賞、創業10年目にあたる2021年2月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場した(2022年4月の東証市場再編に伴い、グロース市場へ移行)。また、2022年4月には(株)ユイット・ラボラトリーズを連結子会社化した。

1. 2022年7月期の業績概要
2022年7月期の連結業績については、売上高8,215百万円(前期比42.0%増)、営業利益1,633百万円(同18.1%増)となり、過去最高業績を達成した。また、期初計画比では売上高で15.4%、営業利益で11.4%上振れて着地した。主戦場の中国EC(越境ECを含む)が前期比48.7%増の6,088百万円と好調に推移し、全体を牽引した。上海ロックダウンや各種規制強化による逆風があったものの、計画どおり広告宣伝費を先行的に投下したことで売上拡大に成功した。中国ECの内訳では、主力チャネルの「Tmall Global(天猫国際)」(以下、Tmall Global)」が伸長したことに加え、2022年7月期に旗艦店を出店した「TikTok」の中国本土版「Douyin(抖音)」(以下、Douyin)の上乗せが寄与した。利益面では期初計画どおり先行投資を実施した結果、販管費率は計画よりも増加したものの、原価率低減などもあって計画を上回る増益となり、高い利益率を維持した。

2. 2023年7月期の業績見通し
2023年7月期の連結業績については、売上高10,351百万円(前期比26.0%増)、営業利益1,818百万円(同11.3%増)と、高成長を持続することで売上高100億円超を達成する計画である。好調な中国ECの事業拡大を軸に売上成長を図りながら、中長期成長に向けた投資(工場・研究開発)を先行して実施することで、事業の安定的な成長を目指す。販管費は増加するものの、増収効果により増益を計画している。なお、営業利益率が同2.3ポイント低下する予想だが、ユイット・ラボラトリーズの業績の影響が大きい。同社の主要市場である中国では、ゼロコロナ政策などによる経済成長の鈍化や各種規制強化など、マクロの視点では弱含みの観測もある。一方、ミクロの視点では、同社が対象とする化粧品EC市場はECプラットフォームの多様化に伴い成長が著しい。また、各種規制に関しても、同社は化粧品登録(NMPA※)をはじめとして徹底した対応を行っており、相対的に強みとなっている。これらのことから、2023年7月期の売上高・営業利益は予想を達成する可能性が十分あると弊社では見ている。

※National Medical Products Administrationの略で、中国国家食品薬品監督管理局。米国FDAによるPMA認証に相当。


3. 成長戦略
同社は、中長期計画に従って2023年7月期の戦略基本方針を掲げている。「ブランド戦略」としては、主力2ブランド(「AXXZIA」「AGtheory」)の展開強化に加え、市場規模が大きくニッチニーズでの差別化が狙える美白市場でのブランド育成・ヒーロープロダクツ化を推進する。「マーケティング戦略」としては、中国ECチャネルの多角化と深耕を進めつつ、日本国内を含めた次なるエリアへの進出を強化する。特に、2022年7月期に旗艦店を出店した「Douyin」「Kuaishou(快手)」(以下、Kuaishou)に続く中国ECプラットフォーム展開に注力する。「M&A・アライアンス方針」としては、ユイット・ラボラトリーズのM&Aシナジーを推進するとともに、積極的な事業拡大・収益基盤の多様化に向け、潤沢なキャッシュ(2022年7月期末の現金及び預金6,389百万円)を活用し、継続したM&A・アライアンスを推進する。なお、M&Aについては、国内事業の迅速な強化・拡大を目的とし、優良な化粧品事業を対象としている。

4. 株主還元策
同社は、当面は内部留保充の確保を最優先とするものの、将来的には業績及び財務状況を勘案しながら株主への継続的な利益還元を図る方針だ。潜在力のあるアジア市場で急成長していることから、当面の投資スタンスはキャピタルゲインが主目的になるものの、将来的な配当等を見据えた基盤整備を進めている。具体的には、2022年5月に、さらなる知名度向上と株主増加を目的に株主優待制度を新設した。また、「取締役会の決議をもって剰余金の配当等を行うことができる」旨を定める定款変更を、2022年10月開催予定の定時株主総会へ付議することを決定した。弊社では、現実的な配当の導入はプライム市場への指定替えの前後であると想定している。

■Key Points
・2022年7月期業績は売上・利益ともに過去最高を達成。積極的な先行投資により主力の中国ECの売上拡大に成功
・2023年7月期業績は高成長を持続することで売上高100億円超を計画。中長期成長に向けた先行投資も実施
・第3の主力ブランド育成と中国ECプラットフォームの多角化に注力
・当面は内部留保確保が最優先となるものの、機動的な株主還元策の実施基盤を整備

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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