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ココナラ Research Memo(8):高スキル人材のマッチングを組み合わせたVC事業を始動

注目トピックス 日本株
■ココナラ<4176>の業績動向

3. ココナラスキルパートナーズについて
2022年1月に子会社として新設したココナラスキルパートナーズは、各ビジネス領域における専門家と初期フェーズのスタートアップ企業のマッチングを、ベンチャーキャピタル(VC)の仕組みを活用して実現する、マッチングプラットフォーム型のVC事業として取り組んでいる。

1社当たりの投資額は10〜50百万円で、自らリードは獲らず協調投資(フォロー投資)専門のファンドとしている。また、出資金は外部の投資家からすべて調達し、同社はファンドの運営と投資先企業に対して経営課題に応じたスキルパートナーのマッチングを行う役割を担う。スキルパートナーは当初10名でスタートし、現在は12名となっている。エンジニア、事業開発、人事、営業などに精通したコンサルタント、弁護士などで構成されており、既に出資先企業へのメンタリングを無償で行うなど、出資先企業が抱える課題を解消することに貢献している。

同社がVC事業を行う意義として、以下の6点を挙げている。
・トップレベルのスキルホルダーと新規ビジネスに挑戦する起業家を結び付けエンパワーメントするモデルは、同社のミッションに合致すること
・起業家にトップレベルのスキルホルダーのサポートを提供することで、当該企業を育成し経済全体のパイを広げていくことに貢献すること
・投資先企業が抱える課題に対して、「ココナラ」のサービスを使って解決できる可能性があること
・スキルホルダーに対して新しい働き方を提示することで、スキルホルダーの可能性を広げていくこと
・トップレベルのスキルホルダーが、ココナラのブランドで活動することでブランド力の向上が期待される
こと
・スタートアップ企業のトレンドを把握しつつ、M&Aや新規ビジネスのヒントを得ることによって、同社本体のM&A戦略に活用できること

なお、ファンド運用の報酬スキームに関しては、一般的なVCが投資利益の約8割を投資家、約2割を運用会社で分配するのに対して、ココナラスキルパートナーズでは約7割を投資家、約2割を運用会社、約1割をスキルパートナーで分配する格好となる。スキルパートナーは活動した期間やサポート内容、投資企業からの評価等に基づいた「疑似的な投資持分」を獲得し、ファンドの運用成績に応じて投資利益の分配を受けることになる。同スキームであれば資金的な面で難しかった高スキル人材の活用が容易となるため、ベンチャー企業が成功する確率も上昇するものと期待される。

当初目標として2022年8月までに10億円の運用資金を調達する目標を掲げていたが、ベンチャー企業への投資意欲が旺盛なほか同社のスキームに関心を寄せるVCや起業家も多く、想定より早く10億円を達成したほか投資候補先企業も積み上がってきたことから、調達期限を2023年4月まで延長し、目標金額も20億円規模に上方修正した。投資回収され連結業績に貢献するのは数年先になると見られるが、「ココナラ」の認知度の拡大やブランド力の向上にもつながる取り組みとして注目される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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