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ドラフト Research Memo(1):減収減益も、来期のプロジェクトストックは順調に推移

注目トピックス 日本株
■要約

ドラフト<5070>は、デザイナーの山下泰樹(やましたたいじゅ)氏により2008年に設立された設計デザイン会社である。「ALL HAPPY BY DESIGN」の理念のもと、デザインの力で世界にHAPPYの循環を作り出し、ヒューマンエクスペリエンスの向上によって社会に貢献することを目指している。国内外のグループ全体で185名(2022年9月末現在)の社員の半数を占めるデザイナーとプロジェクトマネジメントを行う部門が両輪となって、空間に対し高度なデザインを実現しており、年間約200件ものプロジェクトを遂行する独自の組織形態を採る。空間設計及びプロダクトデザインなどで国際的なアワードを受賞している。オフィス空間や商業施設だけでなく、都市計画における建築設計・環境デザインなどに関わる売上のウエイトが高まり、大型案件の割合も増加している。

1. 2022年12月期第3四半期の業績
2022年12月期第3四半期の連結業績は、売上高で4,169百万円(前年同期比17.8%減)、営業損益は377百万円、経常損益は394百万円、親会社株主に帰属する四半期純損益は310百万円となった。同社グループにとって、コロナ禍による生活様式の変化、とりわけ人々が生活する場の在り方の変化、行動制限解除に向けた社会の変容は事業においては追い風ではあるが、新型コロナウィルス感染症拡大(以下、コロナ禍)、為替変動を背景とする世の中の不安定な側面は業績動向へ影響した。売上高については、引き合い自体は計画を上回り順調であったものの、第2四半期末までのプロジェクトストックが第4四半期以降に偏重し、第3四半期は売上高が伸びなかった。営業利益については、販売費及び一般管理費が、成長に向けた費用が増加したため、同第3四半期連結累計期間においては営業損失となった。

2. 2022年12月期の見通し
2021年12月期末に発表した2022年12月期の業績見通しについては、売上高で前期比24.5%増の10,000百万円、営業利益で同0.5%増の960百万円、経常利益で同0.3%増の950百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.4%増の600百万円と過去最高益を更新する見込みであったが、2022年12月期第2四半期末の業績予想を、売上高で2022年12月期末予想比16.6%減の8,340百万円、営業利益で同87.1%減の123百万円、経常利益で同88.1%減の113百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同95.6%減の26百万円に下方修正した。配当については、成長資金を留保しながら継続実施する方針で、2022年12月期末に1株当たり5.0円の配当を予定しており、これについて2022年12月期第3四半期時点変更はない。第3四半期以降に獲得した案件は、来年以降売上計上予定のものが多く、売上計上予定時期が来期にずれ込む期ずれ案件が発生したため下方修正したが、一方で2023年12月期に売上計上予定のプロジェクトストックは2022年10月25日時点で前年同期比約8%増の約4,200百万円となっている。この数字は従前よりも厳しい基準で算出しており、より精度の高いものとなっているため、今後順調に推移するものと見ている。

※受注残高(契約書などの証憑を取得済みの受注)及び見込み受注残高の合計額


3. 成長戦略
同社グループは2021年10月に中期経営計画を発表した。デザインの領域拡大とプロジェクト規模の拡大により、2028年12月期を目途に売上高300億円の達成を長期的な成長目標とする。中期的な成長目標としては、売上高の継続的な拡大を重視しており、前連結会計年度を15〜20%程度上回る成長を目標としている。また、足元の2022年12月期は売上高100億円を見込む。同社グループは、高いデザイン性と企画提案力によって創業から14期継続増収(変則決算期を除く)と着実な業績拡大を実現している。先進的なデザイン提案を強みとし、1億円以上の大型案件が増加、プロジェクトの生産性・効率性もアップしていることから、計画の実現可能性は高いものと弊社では見ている。

■Key Points
・2022年12月期第3四半期は、期ずれにより売上高、営業利益ともに第4四半期以降へ偏重
・2023年12月期はプロジェクトストックが2022年10月25日時点で前年同期比約8%増で順調に推移する見通し
・2028年12月期を目途に売上高300億円の達成を長期的な成長目標とする

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)



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