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エノモト Research Memo(5):メッキ加工内製化やスマートファクトリー化で収益力向上へ

注目トピックス 日本株
■事業概要

3. 生産体制
エノモト<6928>は津軽、岩手、本社(上野原)、本社(塩山)の国内4工場のほか、海外に中国中山工場とフィリピン工場を有している。どの工場でも、蓄積してきた技術と独創的で効率的な生産ラインにより、高度な要求を満たす高品質な製品を生み出すことができる。国内の各工場では、インサート成形の本社工場(上野原サイト)、リードフレームの本社工場(塩山サイト)、コネクタ用部品の津軽工場、リードフレーム及びコネクタ用部品の岩手工場と、それぞれの工場が得意とする分野で様々な技術やノウハウを集積している。また、中国とフィリピンでは、日本と同様の製品を安定して大量に一貫生産することができるため、周辺地域のスマートフォンや自動車などの生産拡大に伴って高成長を遂げることができた。こうした生産体制を支えているのが品質管理である。同社は、全工場でISO9001とISO14001を取得し、海外でも国内生産と同じ基準で品質管理を実施している。三次元SEM(走査電子顕微鏡)による分析や品質に厳しい車載デバイス向け製品の供給実績から、同社の品質管理技術が高水準にあることが理解できる。さらに車載向け製品におけるさらに厳しい品質管理・環境管理に対応するため、自動車産業の国際的な品質マネジメントシステムであるIATF16949の認証を全工場で取得した。

同社の生産体制は進化を続けている。一貫生産体制強化の方針の下メッキ加工の内製化を進めており、現在はメッキラインで津軽工場1ライン(金)、中国新工場4ライン(金・銀)の増強を行っている。このため、表面処理プロジェクト室を新設してメッキ加工の体制を強化した。2024年3月期から本格量産を開始する計画で、現在はコネクタやリードフレームの高付加価値化による収益力向上を図っている。メッキの内製化によって全工程がほぼ内製化することになり、今後、一層の付加価値向上を目指すことができる体制となってきた。一方、津軽工場のスマートファクトリー化も着実に進捗している。増築工事を行った津軽工場は、2022年1月より本格稼働し、作業の自動化・効率化に向けて自動倉庫やAGV(無人搬送車)の導入を進めてきた。2022年4月に切り替えた新ERPシステムを活用し、今後は柔軟で効率的な生産体制を構築する計画で、将来的にはビッグデータやAIを活用した生産効率の向上や経営判断の迅速化につなげる考えである。また、津軽工場のスマートファクトリー化で得られたノウハウは、津軽工場以外の工場に横展開を図る方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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