シナネンHD Research Memo(2):さらなる飛躍・躍進と創業100周年に向け事業基盤を整備
[22/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
シナネンホールディングス<8132>は、各種燃料や石油製品などを販売する燃料卸売業者の大手である。エネルギー流通の業界は生活に必要不可欠な業界だが、競争が激しいうえ、カーボンニュートラル※へ向けて新たなアプローチが求められている。こうした環境のなかで同社は、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を企業理念に掲げ、時代の変化に応える総合エネルギーサービス企業への進化を目指している。このため、現在推進中の第二次中期経営計画で「資本効率の改善」「持続的成長を実現する投資の実行」「社員の考え方・慣習・行動様式の変革」という3つの定性目標に向けて事業基盤を整備しているところで、第三次中期経営計画でのさらなる飛躍・躍進や2027年の創業100周年につなげていく考えである。
※カーボンニュートラル:CO2など温室効果ガスの「排出量」から植林や森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること。政府は2050年までの達成を目指している。
同社は、1927年に朝鮮平壌無煙炭の販売を目的に合資会社電興無煙炭商会として創業、1937年に豆炭の製造販売及び豆炭燃焼器具販売を目的に1934年に設立された品川豆炭(株)と合併し、煉炭の製造販売、石炭の販売業務及び煉炭燃焼器具販売へと業容を拡大した。1952年には灯油・ガソリン・重油・軽油など石油製品と石油製品関連器具の販売を開始、1955年にはLPガスとLPガス関連器具の販売を開始した。2000年以降、地方に広がったLPガスの販売拠点などを再編、2015年に社内の組織体制を再編して持株会社体制に移行、現社の社名へと変更した。このように同社の歴史は、エネルギーの変遷に沿って変革と拡張を繰り返しており、現在では、2027年の創業100周年を目指した長期経営構想に従って、既存のエネルギー事業の効率化、再生可能エネルギー事業の開発、非エネルギー分野の拡張を推進し、高い収益力とサステナブル※な事業構造の確立を目指している。
※サステナブル(Sustainable):環境・社会・経済の観点から持続可能な状態を実現すること。
BtoC 、BtoB 、非エネルギーの3事業を展開
2. 事業セグメント
同社の事業は、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)、非エネルギー事業の3つにセグメントされる。持株会社である同社がグループ企業を通じて事業展開しているが、BtoC事業では、家庭や小売業者向けにLPガス、各種燃料、ガス機器の販売、リフォームサービス、都市ガス供給などを手掛けている。BtoB事業では、大口需要家向けに石油製品や各種燃料を販売するほか、ガソリンスタンドの運営、電源開発・電力小売事業、太陽光発電システムの販売なども行っている。非エネルギー事業では、シェアサイクル事業や環境・リサイクル事業、建物維持管理事業などを展開している。2023年3月期第2四半期の売上高構成比はBtoC事業21.8%、BtoB事業71.5%、非エネルギー事業6.7%となっている。なお、エネルギー別の売上高構成比は、例年、石油6割、LPガス2割強と化石燃料の構成比が高くなる傾向がある。
環境課題などに対応しサステナブルな経営を目指す
3. 業界環境
地球温暖化が進み、世界中で異常気象など異変が相次いでいる。世界の経済発展を支えてきた石油やガスといった化石燃料だが、地球温暖化の主因であるCO2の発生源として使用の中止や削減が求められている。このため、風力やバイオマス、太陽光など環境負荷の小さい再生可能エネルギーへの代替や、自動車など機器・機械の省エネ化が進められている。一方で、安価で確実な化石燃料に対する世界のニーズはいまだ根強く、石油製品への依存は容易にはなくならない。例えば、ガソリンの代替として電気が注目されているが、コストや使い勝手の面で代替が難しい軽油や灯油のニーズは一定程度続くと見られている。しかしながら、地球温暖化は世界的喫緊の課題であるため、化石燃料は徐々にだが確実に再生可能エネルギーに置き換わっていくと予測されている。加えて、国内的には少子高齢化や人口減少、オール電化といった課題もある。こうした事業環境のなかで、LPガス業界3位の規模を誇る同社は、主力のエネルギー事業の収益を維持・改善しつつ、再生可能エネルギー事業の開発や非エネルギー事業の育成など多角化を推進することで、サステナブルな経営を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 会社概要
シナネンホールディングス<8132>は、各種燃料や石油製品などを販売する燃料卸売業者の大手である。エネルギー流通の業界は生活に必要不可欠な業界だが、競争が激しいうえ、カーボンニュートラル※へ向けて新たなアプローチが求められている。こうした環境のなかで同社は、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を企業理念に掲げ、時代の変化に応える総合エネルギーサービス企業への進化を目指している。このため、現在推進中の第二次中期経営計画で「資本効率の改善」「持続的成長を実現する投資の実行」「社員の考え方・慣習・行動様式の変革」という3つの定性目標に向けて事業基盤を整備しているところで、第三次中期経営計画でのさらなる飛躍・躍進や2027年の創業100周年につなげていく考えである。
※カーボンニュートラル:CO2など温室効果ガスの「排出量」から植林や森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすること。政府は2050年までの達成を目指している。
同社は、1927年に朝鮮平壌無煙炭の販売を目的に合資会社電興無煙炭商会として創業、1937年に豆炭の製造販売及び豆炭燃焼器具販売を目的に1934年に設立された品川豆炭(株)と合併し、煉炭の製造販売、石炭の販売業務及び煉炭燃焼器具販売へと業容を拡大した。1952年には灯油・ガソリン・重油・軽油など石油製品と石油製品関連器具の販売を開始、1955年にはLPガスとLPガス関連器具の販売を開始した。2000年以降、地方に広がったLPガスの販売拠点などを再編、2015年に社内の組織体制を再編して持株会社体制に移行、現社の社名へと変更した。このように同社の歴史は、エネルギーの変遷に沿って変革と拡張を繰り返しており、現在では、2027年の創業100周年を目指した長期経営構想に従って、既存のエネルギー事業の効率化、再生可能エネルギー事業の開発、非エネルギー分野の拡張を推進し、高い収益力とサステナブル※な事業構造の確立を目指している。
※サステナブル(Sustainable):環境・社会・経済の観点から持続可能な状態を実現すること。
BtoC 、BtoB 、非エネルギーの3事業を展開
2. 事業セグメント
同社の事業は、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)、非エネルギー事業の3つにセグメントされる。持株会社である同社がグループ企業を通じて事業展開しているが、BtoC事業では、家庭や小売業者向けにLPガス、各種燃料、ガス機器の販売、リフォームサービス、都市ガス供給などを手掛けている。BtoB事業では、大口需要家向けに石油製品や各種燃料を販売するほか、ガソリンスタンドの運営、電源開発・電力小売事業、太陽光発電システムの販売なども行っている。非エネルギー事業では、シェアサイクル事業や環境・リサイクル事業、建物維持管理事業などを展開している。2023年3月期第2四半期の売上高構成比はBtoC事業21.8%、BtoB事業71.5%、非エネルギー事業6.7%となっている。なお、エネルギー別の売上高構成比は、例年、石油6割、LPガス2割強と化石燃料の構成比が高くなる傾向がある。
環境課題などに対応しサステナブルな経営を目指す
3. 業界環境
地球温暖化が進み、世界中で異常気象など異変が相次いでいる。世界の経済発展を支えてきた石油やガスといった化石燃料だが、地球温暖化の主因であるCO2の発生源として使用の中止や削減が求められている。このため、風力やバイオマス、太陽光など環境負荷の小さい再生可能エネルギーへの代替や、自動車など機器・機械の省エネ化が進められている。一方で、安価で確実な化石燃料に対する世界のニーズはいまだ根強く、石油製品への依存は容易にはなくならない。例えば、ガソリンの代替として電気が注目されているが、コストや使い勝手の面で代替が難しい軽油や灯油のニーズは一定程度続くと見られている。しかしながら、地球温暖化は世界的喫緊の課題であるため、化石燃料は徐々にだが確実に再生可能エネルギーに置き換わっていくと予測されている。加えて、国内的には少子高齢化や人口減少、オール電化といった課題もある。こうした事業環境のなかで、LPガス業界3位の規模を誇る同社は、主力のエネルギー事業の収益を維持・改善しつつ、再生可能エネルギー事業の開発や非エネルギー事業の育成など多角化を推進することで、サステナブルな経営を目指している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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