高島 Research Memo(1):効率的な成長投資により、企業価値のさらなる向上を目指す
[22/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
高島<8007>は、建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメントの3セグメント※で事業を展開している。バリューチェーンの上流工程である企画・設計から下流の施工・サポートまでの幅広い範囲にわたって顧客ニーズに合わせて商流をデザインし、顧客の省エネ化、軽量化、省力化に貢献するとともに、サステナビリティ社会の実現に寄与している「サステナの先進商社」である。直近10年間の親会社株主に帰属する当期純利益は10億円前後と安定した業績で、堅実な収益基盤と財務基盤を構築している。同社は、中期経営計画「サステナX(クロス)」と2021年11月に開示した上場維持基準の適合に向けた計画書の下、戦略的投資の実行による持続的成長企業への転換に注力している。同計画書においてはROIC(投下資本利益率)の基準を6.0%と具体的に設定しており、資本コストを意識した事業活動・投資活動を行うなかで、今後のさらなる企業価値向上が期待される。
※ほかに賃貸不動産セグメントがあるが、規模が小さいため割愛している。
1. 業績動向
2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比2.8%増の38,817百万円、営業利益で同30.5%減の596百万円となった。電子・デバイスセグメントが好調に推移し増収となった一方、先行投資(M&A及びシステム投資)や新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの営業活動の再開による費用増加により販管費が増加し、減益となった。ただしこれらの先行投資は一過性のものであり、下期にかけて業績に寄与することが期待される。
2023年3月期の連結業績は期初予想を据え置き、売上高で前期比10.7%増の82,000百万円、営業利益で同16.3%増の1,800百万円と増収増益を見込んでいる。通期予想に対する進捗率は、売上高が47.3%、営業利益が33.2%と想定の範囲内であった。M&Aや基幹システムの入れ替え(刷新)を実行しており、これらが寄与し、業績拡大及び収益性向上につながるとしている。各機能を強化することで、顧客価値のさらなる向上を目指していく。
2. 中期経営計画
同社は2020年12月、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画「サステナX」を発表した。前中期経営計画「サステナ2020」の基本戦略である「ダントツ戦略」「生産性の向上」「コーポレート・ガバナンスの強化」は踏襲しつつ、「ダントツ戦略のさらなる進化」「生産性向上による強靭なコスト競争力獲得」「コーポレート・ガバナンスの強化」によって、バリューチェーンにおける設計から施工・サポートに至るまで各機能の形成・拡充を一層強く推進する。長期的な成長基盤の確立に向けて、事業構造・ポートフォリオの転換を図り、最終年度である2023年3月期に親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円を目指している。
進行中の中期経営計画「サステナX」に加えて、2022年11月には次期中期経営計画として「サステナV(バリュー)」(2024年3月期〜2026年3月期)を策定した。超長期的な目標として2050年に「カーボンニュートラル社会の実現」を掲げ、市場の成長機会を捉えた価値創造により、サステナ社会への適応と持続的成長を同時に実現することを目指している。数値目標としては、2026年3月期に連結売上高1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益17億円、ROE8%以上などを掲げている。各事業のキャッシュと外部資金を有効に活用することで、親会社株主に帰属する当期純利益及びROEを高める方針だ。
3. 上場維持基準の適合に向けた取り組み
中期経営計画に加え同社は、2021年11月、東京証券取引所(以下、東証)の市場区分の見直しに対応し、上場維持基準の適合に向けた計画書を提出した。2026年3月期末までにプライム市場の上場維持基準を充たすことを目標に、これまでの堅実経営から、戦略的投資を実行することで持続的成長企業へと転換している。2022年11月には同計画書の数値目標を上方修正し、2026年3月期までに親会社株主に帰属する当期純利益17億円(当初予想比2億円増)、ROE8.0%以上、ROIC6.0%以上、流通株式時価総額100億円以上、1日平均売買代金2,000万円以上を掲げている。目標を達成するために「資本配分方針」「投資リターンを伴う持続的な利益成長」「株主還元策の充実」「IR体制の確立」「コーポレートガバナンス・コードへの対応」の観点から企業価値と株主価値の向上を実現していく。
■Key Points
・資本コストを意識した戦略的投資により持続的成長企業へと転換中
・2023年3月期第2四半期は増収となるも、先行投資(M&A及びシステム投資)により減益
・2023年3月期は期初予想を据え置き、増収増益予想。各機能の強化により顧客価値の向上を目指す
・次期中期経営計画「サステナV」を策定。効率的な成長投資により、2026年3月期に親会社株主に帰属する当期純利益17億円、ROE8%以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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高島<8007>は、建材セグメント、産業資材セグメント、電子・デバイスセグメントの3セグメント※で事業を展開している。バリューチェーンの上流工程である企画・設計から下流の施工・サポートまでの幅広い範囲にわたって顧客ニーズに合わせて商流をデザインし、顧客の省エネ化、軽量化、省力化に貢献するとともに、サステナビリティ社会の実現に寄与している「サステナの先進商社」である。直近10年間の親会社株主に帰属する当期純利益は10億円前後と安定した業績で、堅実な収益基盤と財務基盤を構築している。同社は、中期経営計画「サステナX(クロス)」と2021年11月に開示した上場維持基準の適合に向けた計画書の下、戦略的投資の実行による持続的成長企業への転換に注力している。同計画書においてはROIC(投下資本利益率)の基準を6.0%と具体的に設定しており、資本コストを意識した事業活動・投資活動を行うなかで、今後のさらなる企業価値向上が期待される。
※ほかに賃貸不動産セグメントがあるが、規模が小さいため割愛している。
1. 業績動向
2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比2.8%増の38,817百万円、営業利益で同30.5%減の596百万円となった。電子・デバイスセグメントが好調に推移し増収となった一方、先行投資(M&A及びシステム投資)や新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの営業活動の再開による費用増加により販管費が増加し、減益となった。ただしこれらの先行投資は一過性のものであり、下期にかけて業績に寄与することが期待される。
2023年3月期の連結業績は期初予想を据え置き、売上高で前期比10.7%増の82,000百万円、営業利益で同16.3%増の1,800百万円と増収増益を見込んでいる。通期予想に対する進捗率は、売上高が47.3%、営業利益が33.2%と想定の範囲内であった。M&Aや基幹システムの入れ替え(刷新)を実行しており、これらが寄与し、業績拡大及び収益性向上につながるとしている。各機能を強化することで、顧客価値のさらなる向上を目指していく。
2. 中期経営計画
同社は2020年12月、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画「サステナX」を発表した。前中期経営計画「サステナ2020」の基本戦略である「ダントツ戦略」「生産性の向上」「コーポレート・ガバナンスの強化」は踏襲しつつ、「ダントツ戦略のさらなる進化」「生産性向上による強靭なコスト競争力獲得」「コーポレート・ガバナンスの強化」によって、バリューチェーンにおける設計から施工・サポートに至るまで各機能の形成・拡充を一層強く推進する。長期的な成長基盤の確立に向けて、事業構造・ポートフォリオの転換を図り、最終年度である2023年3月期に親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円を目指している。
進行中の中期経営計画「サステナX」に加えて、2022年11月には次期中期経営計画として「サステナV(バリュー)」(2024年3月期〜2026年3月期)を策定した。超長期的な目標として2050年に「カーボンニュートラル社会の実現」を掲げ、市場の成長機会を捉えた価値創造により、サステナ社会への適応と持続的成長を同時に実現することを目指している。数値目標としては、2026年3月期に連結売上高1,000億円、親会社株主に帰属する当期純利益17億円、ROE8%以上などを掲げている。各事業のキャッシュと外部資金を有効に活用することで、親会社株主に帰属する当期純利益及びROEを高める方針だ。
3. 上場維持基準の適合に向けた取り組み
中期経営計画に加え同社は、2021年11月、東京証券取引所(以下、東証)の市場区分の見直しに対応し、上場維持基準の適合に向けた計画書を提出した。2026年3月期末までにプライム市場の上場維持基準を充たすことを目標に、これまでの堅実経営から、戦略的投資を実行することで持続的成長企業へと転換している。2022年11月には同計画書の数値目標を上方修正し、2026年3月期までに親会社株主に帰属する当期純利益17億円(当初予想比2億円増)、ROE8.0%以上、ROIC6.0%以上、流通株式時価総額100億円以上、1日平均売買代金2,000万円以上を掲げている。目標を達成するために「資本配分方針」「投資リターンを伴う持続的な利益成長」「株主還元策の充実」「IR体制の確立」「コーポレートガバナンス・コードへの対応」の観点から企業価値と株主価値の向上を実現していく。
■Key Points
・資本コストを意識した戦略的投資により持続的成長企業へと転換中
・2023年3月期第2四半期は増収となるも、先行投資(M&A及びシステム投資)により減益
・2023年3月期は期初予想を据え置き、増収増益予想。各機能の強化により顧客価値の向上を目指す
・次期中期経営計画「サステナV」を策定。効率的な成長投資により、2026年3月期に親会社株主に帰属する当期純利益17億円、ROE8%以上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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