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高島 Research Memo(5):2023年3月期第2四半期は増収となるも、先行投資により減益

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
高島<8007>の2023年3月期第2四半期の連結業績は、売上高で前年同期比2.8%増の38,817百万円、営業利益で同30.5%減の596百万円、経常利益で同27.9%減の694百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同26.4%減の509百万円となった。

電子・デバイスセグメントが好調に推移し増収となった一方、販管費の増加により減益となった。販管費の増加要因としては、新市場区分の上場維持基準適合に向けてM&Aを実施したことに加え、中期経営計画「サステナX」で掲げる「生産性向上による強靭なコスト競争力獲得」戦略に基づき、業務の標準化・効率化及び内部統制強化のために、基幹システムの入れ替え(刷新)を実施したことによる。また、コロナ禍からの営業活動の再開による費用も増加した。M&Aやシステム投資は先行投資であることから、前向きなコスト増であると弊社では見ている。

セグメント別の業績は以下のとおりである。

(1) 建材セグメント
売上高は前年同期比0.7%減の21,748百万円、セグメント利益は同72.5%減の107百万円となった。断熱資材関連分野及び住宅資材関連分野は堅調に推移したものの、前年同期の大型案件の反動で建設資材関連分野が微減収となった。太陽エネルギー関連分野は、半導体不足による供給遅延の影響を受け、低調に推移した。利益面では、コロナ禍からの営業活動の再開に加え、生産性向上を目的としたシステム投資により、販管費が増加した。

(2) 産業資材セグメント
売上高は前年同期比5.7%減の8,561百万円、セグメント利益は同87.8%減の9百万円となった。樹脂関連分野は半導体不足による自動車市場の影響を受けたものの、増収となった。繊維関連分野は、原材料価格の高騰を受けた値上げの影響によって需要が減少し、軟調に推移した。利益面では、営業活動の強化及び生産性向上を目的としたシステム投資により、販管費が増加した。

(3) 電子・デバイスセグメント
売上高は前年同期比26.0%増の8,410百万円、セグメント利益は同26.5%増の423百万円と好調に推移した。電子機器関連分野は、主力市場である民生電子機器市場、白物家電市場ともに減速傾向にあったものの、スペックイン営業を着実に遂行し新規顧客開拓につなげた。また、既存顧客との取引も堅調に推移した。所在地別ではタイ、香港が好調に推移した。タイは受託生産事業の新規受注が好調、香港は主力及び準主力顧客からの受注が堅調に推移した。

2. 財務状況
2023年3月期第2四半期末時点の資産合計は、前期末比4,993百万円増の50,169百万円となった。このうち流動資産は同4,737百万円増の40,160百万円となった。主に現金及び預金が1,157百万円減少した一方で、受取手形、売掛金及び契約資産が4,178百万円、商品及び製品が1,353百万円増加した。固定資産は同256百万円増の10,009百万円となった。主に投資その他の資産の投資有価証券が224百万円減少した一方で、有形固定資産が265百万円増加した。

負債合計は前期末比4,538百万円増の31,237百万円となった。このうち流動負債は、同4,629百万円増の25,653百万円となった。主に電子記録債務が1,460百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が5,470百万円増加した。固定負債は、長期借入金が120百万円減少したことなどにより、同92百万円減の5,583百万円となった。純資産合計は同455百万円増の18,932百万円となった。主に配当金の支払いによって利益剰余金が581百万円、その他有価証券評価差額金が108百万円それぞれ減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上によって利益剰余金が509百万円、為替換算調整勘定が613百万円それぞれ増加した。

安全性については、自己資本比率が37.7%(前期末は40.9%)、流動比率が156.6%(同168.5%)、固定比率が52.9%(同52.8%)となった。自己資本比率は前期末比3.2ポイント低下したが、新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書に基づき、外部資金を活用した投資を実効していることによる。有利子負債を含めた外部資金を有効に活用した投資により、ROEが高まるものと弊社では見ている。なお、流動比率及び固定比率は健全で、将来の成長に向けた投資を積極的に行いつつ、財務の健全性を維持していると言える。

2023年3月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは487百万円の支出となった。売上債権の増加3,887百万円などによるもので、コロナ禍からの営業活動の再開による影響であることから、前向きなものであると言える。投資活動によるキャッシュ・フローは300百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは556百万円の支出となった。主に配当金の支払いによる支出581百万円、長期借入金の返済による支出120百万円があった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)



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