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アイナボHD Research Memo(1):中堅の住設・外壁工事会社。M&Aで成長を図る

注目トピックス 日本株
■要約

アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社6社、非連結子会社3社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンや各種水周り機器等の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売を両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、手元のネットキャッシュ(現金及び預金-長期・短期借入金)は11,534百万円(2022年9月期末)と豊富であり、バランスシートは強固である。

1. 2022年9月期業績(実績)
2022年9月期の連結業績は、売上高79,143百万円(前期比19.7%増)、営業利益1,899百万円(同0.2%減)、経常利益2,167百万円(同2.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,647百万円(同25.8%増)となった。新規連結子会社となった(株)マニックスの負ののれん発生益328百万円を特別利益として計上したため親会社株主に帰属する当期純利益は大幅増益となった。セグメント別では、戸建住宅事業はリフォーム需要が回復したことや部材供給が追い付いてきたことなどから増収増益となった。大型物件事業は増収を確保したが、前期まで好調であった温調技研(株)が競争激化により減益となったことから、セグメント利益は減益となった。売上総利益率は14.2%(前期14.4%)と前期比0.2ポイント減少したが、増収により売上総利益は11,261百万円(同17.9%増)となった。一方で、販管費は物流コストの上昇、インフレ手当や賞与の支給額の増加などにより前期比22.5%増となったことから、営業利益はほぼ前期並みにとどまった。

2. 2023年9月期業績見通し
2023年9月期は売上高で83,500百万円(前期比5.5%増)、営業利益で2,080百万円(同9.5%増)、経常利益で2,410百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,650百万円(同0.2%増)と予想している。住宅市場の先行きは依然不透明であるが、新規顧客の積み上げなどで主力の戸建住宅事業を伸ばす計画だ。一方で、大型物件事業は足元の受注が必ずしも堅調ではないことから、前期並みを予想している。全体として前期比で増収増益を見込んでいるが、大型物件事業はかなり厳しく見ており、堅めの予想であると思われ、今後の動向は注視する必要がある。

3. 新中期経営計画を発表予定
同社は、2022年9月期を最終年度とする中期経営計画(売上高800億円、営業利益22億円)を発表していたが、未達に終わった。同社は、「現在、新しい中期経営計画を策定中であり、第1四半期決算発表時には公表する予定だ」と述べている。株主還元については配当性向30%を目途としており、2022年9月期は年間44円配当(配当性向30.9%)を行った。2023年9月期は年間46円(同31.9%)を予定しているが、業績次第では増配の可能性も残る。

■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・進行中の2023年9月期は先行き不透明だが営業利益は前期比9.5%増益予想
・新中期経営計画を策定中で第1四半期決算発表時に公表予定

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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