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ランドコンピュ Research Memo(3):50年にわたる安定した経営実績を持つ独立系システムインテグレータ(2)

注目トピックス 日本株
■会社概要

(3) パッケージベースSI・サービス
成長分野の柱としてシステム・パッケージベンダとアライアンスを組み、場合によってはパッケージの提供を受け、顧客へソフトウェアパッケージ製品(Salesforce、COMPANY、SuperStream、SAP等)の導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、保守、運用までを行い、トータルサービスを提供する。

ランドコンピュータ<3924>は、2010年4月よりSalesforceとのビジネスを開始し、2016年11月には販売パートナー契約を締結した。現在は、Salesforce 認定コンサルティングパートナー(Gold)、アプリケーションパートナーとなっている。これまで約500社、2,000件を超えるプロジェクト実績がある。多業種・多業務に及ぶ業務知見と、幅広い製品知識(Sales Cloud、Service Cloud、Community Cloud、Lightning Platform、Einstein Analytics、Field Service Lightning、Heroku、Pardot)で最適なソリューションを提案する。業種としては、損保、保険代理店、大学、専門学校、塾・予備校、製造業(食品、機器、部品、ソフトウェア等)、飲食、卸売業、小売業、専門商社、アパレル、印刷・出版業、不動産、人材派遣、インターネットサービス、法律事務所、施設運営などの実績がある。

なお、インフリーを子会社化したことにより、主要パッケージアライアンスにSAPが加わった。また、同サービスラインの売上高構成比は、Salesforceの販売パートナー契約を開始した2016年3月期の9.0%から2023年3月期第2四半期には32.9%へと大きく伸長した。

3. IT系及び業務系資格
(1) 資格保有者数
同社の強みは、優秀な技術者集団にある。IT系資格のみならず、金融、産業・流通、医療など顧客業務の理解を深める業務系資格の取得を積極的に推進している。2022年3月末現在、IT系資格と業務系資格の保有者数は延べ1,910人(内訳はIT系資格保有者数:1,665人、業務系資格保有者数:245人)であり、1人当たりの平均資格保有数は3.45であったが、2022年12月末現在では、IT資格と業務系資格の保有者は延べ2,117人、1人当たりの平均資格保有数は3.80と増加している。なお、インフリーでは、SAP認定コンサルタントなどのSAP認定資格を延べ59人が取得している。

業務系資格の取得を積極的に推進することにより、同社のエンジニアが顧客と同じ視点からシステムインテグレーション・サービスを提供できるため、結果として顧客満足度の向上、強固な信頼関係構築の原動力となっている。

(2) 新入社員教育
同社は、新入社員教育にも力を入れている。入社前研修として基本情報処理試験対策のe-ラーニングを受講するほか、入社後3ヶ月で社会人導入研修と基礎技術教育を実施する。この新入社員研修期間中には、オープンソースデータベース(OSS-DB)やJavaプログラミングに関するベンダ資格にチャレンジさせている。2022年春に入社した新卒29名の新入社員研修は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で2ヶ月間のオンライン在宅学習と集合研修の組み合わせとなったにもかかわらず、前年に引き続き全員が所定のベンダ試験に合格した。新人研修中の資格取得者は、各社からの受賞実績にも貢献している(「OSS-DB認定者数上位企業」2年連続受賞、「Fujitsu Software Master Award 2022:Top Technology Company賞 第1位」受賞等)。また、入社後3ヶ月の新入社員研修後は配属先でのOJT教育に移行し、先輩社員がトレーナーとなりサポートする。なお、新入社員研修にはコア協力会社社員の参加も認めている。

採用にあたっては、文系/理系、学部卒/院卒を問わない。教育制度が充実しているため、「論理的思考能力」と「学ぶ意欲」「IT業界、SEへの熱意」を重視し、制度を積極的に利用して成長したいという向上心のある人物を採用するようにしている。2022年4月には第二新卒を含め29名が入社し、2023年春は30名前後採用を予定している。

同社の研修体制は体系化されており、IT系の技術研修、ヒューマンスキル研修、階層別研修、管理職研修、プロジェクトマネジメント研修、品質管理研修、資格取得対策研修、新技術勉強会など多岐にわたる。最近では、AIなどの最先端分野の開発に使用されるプログラミング言語の「Python(パイソン)」の研修や、DX推進本部を中心とした「グラフィカル・ユーザー・インターフェース/GUI」の視覚的な操作を用いることで、極めて短期間でのシステム開発を実現するローコード開発など、新デジタル技術を活用したアジャイル開発などにも取り組んでいる。今後はクラウド系の技術習得を強化する方針だ。

4. M&A戦略
同社は、2022年3月期より積極的なM&A戦略を展開しているが、同社が成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスに関連した企業で、グループシナジーが発揮できるポテンシャルであることをM&Aの前提としている。安定成長事業であるシステムインテグレーション・サービスとインフラソリューション・サービスをベースに、成長事業と位置付けるパッケージベースSI・サービスを拡大することで成長を加速していく考えだ。パッケージベースSI・サービスで直ユーザー取引を拡大し、保守などの継続的ビジネスやリピートオーダーを狙う。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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