CEHD Research Memo(5):2022年9月期は売上高・営業利益・経常利益で過去最高を更新、順調に業績拡大
[23/01/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2022年9月期決算
CEホールディングス<4320>の2022年9月期の連結業績は、売上高が前期比11.5%増の13,702百万円(前期は12,284百万円)、営業利益が同17.3%増の1,031百万円(同879百万円)、経常利益が同14.9%増の1,044百万円(同908百万円)となった。売上高・営業利益・経常利益で過去最高を更新、会社計画に対しても上回って着地した。売上高は主力製品である電子カルテシステム「MI・RA・Is」シリーズが好調な受注を維持しており売上を積み上げたことと、前期末の受注残高が過去最高水準であったことにより順調に拡大したほか、M&A戦略で連結対象に追加されたサンカクカンパニーの業績が第3四半期から加算されたことなどにより2桁増収となった。利益面では増収による収益の押し上げ効果が大きく増収につながった。売上原価もコスト構造改革の効果により抑え、増収の要因となった。販管費は事業拡大に伴い人件費増となったが、増収効果により吸収している。
2. 事業セグメント別動向
(1) 医療ソリューション事業
売上高は13,322百万円(前期12,133百万円)、セグメント利益は1,148百万円(同888百万円の利益)と増収増益となった。受注高は前期比4.6%増の12,177百万円、受注残高は4,431百万円(前期末4,658百万円)と好調に推移している。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は460百万円増加し、セグメント利益は33百万円増加した。医療機関向けの自社パッケージ製品の電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」を中心に、電子カルテシステムと他社の医事会計システム等の部門システムや、ハードウエア等を組み合わせ、主に中小病院向けに販売をしている。また、同社のサービスを採用する病院の増加から、医療情報システムの保守・運用等のサービスを提供も増えている。平行して電子カルテと簡単に連携可能な問診サービス等、新たな製品の開発にも取り組んでいる。また、マイクロンでは、製薬会社・医療機器メーカー等からの医薬品・医療機器等の開発業務受託、医療用画像解析ソフトウエアの開発・販売を行っている。医薬品・医療機器の臨床開発及び臨床研究領域において、電子カルテ記載情報を含む臨床現場を中心とした日常診療の情報を利活用する事業を進める等、電子カルテシステムとのシナジー創出に取り組んでいる。
(2) その他
売上高は380百万円(前期151百万円)、セグメント損失は6百万円(前期11百万円の損失)となった。受注高は前期比268.4%増の267百万円、受注残高は135百万円(前期末17百万円)と増加基調である。企業や健保組合からの健康相談窓口や特定保健指導の受託、人材事業(介護士等の資格保有者派遣、一般紹介・派遣)、他社Webサイトの構築・運用業務、及び公共・商業施設向けデジタルサイネージシステムの販売等を行っている。また、2022年2月17日に連結子会社化したサンカクカンパニーでは、Webサイト再構築(リブランディング)やWebプロモーション支援(Web広告の企画・制作・運用。SNSを含む)等、企業のデジタルマーケティング全般を行っている。
3. 財務状況と経営指標
2022年9月期の流動資産は7,100百万円となり、前期末比で3百万円減少した。これは主に現金及び預金が1,089百万円増加したものの、仕掛品が297百万円、未収入金が799百万円減少したことによる。固定資産は3,804百万円となり、前期末比1,449百万円増加した。有形固定資産が1,087百万円増加したことによるものである。有形固定資産は建築及び構築物が674百万円増加、M&Aを積極的に進めていることから、のれんが203百万円増加した。この結果、総資産は10,905百万円となり、前期比1,446百万円増加した。
流動負債は3,262百万円となり、前期末から401百万円増加した。主に短期借入金が100百万円、1年内返済予定の長期借入金が103百万円増加、契約負債が308百万円増加したことによるものである。固定負債は長期借入金が345百万円増加したことで、前期末比442百万円増加の1,560百万円となった。負債合計は843百万円増の4,823百万円となった。
純資産合計は6,082百万円となり、前期末から602百万円増加した。利益剰余金が528百万円増加したことによるもので、主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益が588百万円、剰余金の配当119百万円などによる。自己資本比率は前期末の53.6%から2.0ポイント低い51.6%となった。
安全性の指標を見ると流動比率が217.7%、負債比率が79.3%となっており財務基盤は安定している。現金及び預金も前期比で1,089百万円増加しており、財務基盤の強化は着実に進んでいる。潤沢な資金の用途については新規事業を対象としたM&Aにも活用する方針であり、対象としては新サービスの周辺領域にて商圏拡大が見込めるデジタルマーケティングの案件や、モバイルサービスを取り扱う技術を保有するシナジーが見込まれる領域の事業を想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)
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1. 2022年9月期決算
CEホールディングス<4320>の2022年9月期の連結業績は、売上高が前期比11.5%増の13,702百万円(前期は12,284百万円)、営業利益が同17.3%増の1,031百万円(同879百万円)、経常利益が同14.9%増の1,044百万円(同908百万円)となった。売上高・営業利益・経常利益で過去最高を更新、会社計画に対しても上回って着地した。売上高は主力製品である電子カルテシステム「MI・RA・Is」シリーズが好調な受注を維持しており売上を積み上げたことと、前期末の受注残高が過去最高水準であったことにより順調に拡大したほか、M&A戦略で連結対象に追加されたサンカクカンパニーの業績が第3四半期から加算されたことなどにより2桁増収となった。利益面では増収による収益の押し上げ効果が大きく増収につながった。売上原価もコスト構造改革の効果により抑え、増収の要因となった。販管費は事業拡大に伴い人件費増となったが、増収効果により吸収している。
2. 事業セグメント別動向
(1) 医療ソリューション事業
売上高は13,322百万円(前期12,133百万円)、セグメント利益は1,148百万円(同888百万円の利益)と増収増益となった。受注高は前期比4.6%増の12,177百万円、受注残高は4,431百万円(前期末4,658百万円)と好調に推移している。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は460百万円増加し、セグメント利益は33百万円増加した。医療機関向けの自社パッケージ製品の電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」を中心に、電子カルテシステムと他社の医事会計システム等の部門システムや、ハードウエア等を組み合わせ、主に中小病院向けに販売をしている。また、同社のサービスを採用する病院の増加から、医療情報システムの保守・運用等のサービスを提供も増えている。平行して電子カルテと簡単に連携可能な問診サービス等、新たな製品の開発にも取り組んでいる。また、マイクロンでは、製薬会社・医療機器メーカー等からの医薬品・医療機器等の開発業務受託、医療用画像解析ソフトウエアの開発・販売を行っている。医薬品・医療機器の臨床開発及び臨床研究領域において、電子カルテ記載情報を含む臨床現場を中心とした日常診療の情報を利活用する事業を進める等、電子カルテシステムとのシナジー創出に取り組んでいる。
(2) その他
売上高は380百万円(前期151百万円)、セグメント損失は6百万円(前期11百万円の損失)となった。受注高は前期比268.4%増の267百万円、受注残高は135百万円(前期末17百万円)と増加基調である。企業や健保組合からの健康相談窓口や特定保健指導の受託、人材事業(介護士等の資格保有者派遣、一般紹介・派遣)、他社Webサイトの構築・運用業務、及び公共・商業施設向けデジタルサイネージシステムの販売等を行っている。また、2022年2月17日に連結子会社化したサンカクカンパニーでは、Webサイト再構築(リブランディング)やWebプロモーション支援(Web広告の企画・制作・運用。SNSを含む)等、企業のデジタルマーケティング全般を行っている。
3. 財務状況と経営指標
2022年9月期の流動資産は7,100百万円となり、前期末比で3百万円減少した。これは主に現金及び預金が1,089百万円増加したものの、仕掛品が297百万円、未収入金が799百万円減少したことによる。固定資産は3,804百万円となり、前期末比1,449百万円増加した。有形固定資産が1,087百万円増加したことによるものである。有形固定資産は建築及び構築物が674百万円増加、M&Aを積極的に進めていることから、のれんが203百万円増加した。この結果、総資産は10,905百万円となり、前期比1,446百万円増加した。
流動負債は3,262百万円となり、前期末から401百万円増加した。主に短期借入金が100百万円、1年内返済予定の長期借入金が103百万円増加、契約負債が308百万円増加したことによるものである。固定負債は長期借入金が345百万円増加したことで、前期末比442百万円増加の1,560百万円となった。負債合計は843百万円増の4,823百万円となった。
純資産合計は6,082百万円となり、前期末から602百万円増加した。利益剰余金が528百万円増加したことによるもので、主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益が588百万円、剰余金の配当119百万円などによる。自己資本比率は前期末の53.6%から2.0ポイント低い51.6%となった。
安全性の指標を見ると流動比率が217.7%、負債比率が79.3%となっており財務基盤は安定している。現金及び預金も前期比で1,089百万円増加しており、財務基盤の強化は着実に進んでいる。潤沢な資金の用途については新規事業を対象としたM&Aにも活用する方針であり、対象としては新サービスの周辺領域にて商圏拡大が見込めるデジタルマーケティングの案件や、モバイルサービスを取り扱う技術を保有するシナジーが見込まれる領域の事業を想定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)
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