CEHD Research Memo(7):事業成長は加速化、2025年に売上高170億円、営業利益17億円を目指す
[23/01/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
2. 中期経営計画2025
CEホールディングス<4320>は2021年11月に「中期経営計画2025」を発表した。経営目標として2025年9月期に売上高170億円、営業利益17億円(営業利益率10%)を掲げている。前年の「中期経営計画 2024」では2026年9月期に営業利益率10%を達成する計画だったが、その計画を1年前倒しで実現する更新を行い、中期経営計画の上方修正を行った。また、2030年には営業利益率を20%まで引き上げる方針である。成長戦略として「既存事業の収益拡大」「既存事業の強みを生かした新たなサービスビジネスの創出」「既存事業に次ぐ、成長事業の創出」という3つの戦略を掲げている。さらに2030年のさらなる成長に向け、営業利益率20%の達成を決意表明し取り組んでいる。
1) 既存事業の収益拡大
ヘルスケアソリューション事業を中心に、販売面の強化、顧客満足度向上、製品の品質向上と機能強化、及び利益率の改善に取り組む。ICTを活用したヘルスケア関連サービスや、医療介護連携構築のための情報共有基盤の整備を進めるべく、業務提携などを通じた当該サービス拡大への取り組みを積極的に推進している。既存事業の収益拡大は堅調であり、収益性の向上が1年前倒しで実現できる見通しとなっている。これは主要施策である「原価低減」「生産性向上」の取り組みが、同社が当初想定していたよりも早期に効果が出ていることに加え、電子カルテ市場が活性化していることが要因である。来期の受注状況を見ても底堅く、今後も既存事業は拡大する可能性が高いと見られる。また、事業構造の転換も進めており、これまでの販売を主体とした顧客の獲得とともに、サービスを主体とした顧客の獲得にも取り組むことで、利益率を上げながら事業ポートフォリオを構築し、事業基盤を強化していくという狙いがある。
2) 既存事業の強みを生かした新たなサービスビジネスの創出
同社は、電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ」販売を主力とした病院向けのSIerとして、院内情報システム構築の元請けとなった実績を多数有している。複数製品で構成される医療施設のITシステム全体を把握し、これらの製品との接続・連携ノウハウが強みとなり、同社グループのコア・コンピタンスにつながっている。こうした点を生かすことにより、「新たな価値を継続的に提供し続ける高収益なサービスビジネスを創出」につなげていく。
また、小規模医療機関向けクラウド型電子カルテサービス「MI・RA・Is/QS」(ミライズキューエス)を昨年10月からサービス開始している。電子カルテシステムは、導入費用が数千万円〜数億円規模になるため、電子カルテシステム導入に踏み切れない小規模医療機関も多かった。しかし、電子カルテシステムをクラウド化することで、導入・維持コストの大幅な低減が見込める。そこで同社は小規模特有のニーズに特化した機能を実装したクラウド型電子カルテサービスを投入することで、小規模医療施設への販路拡大を狙う。電子カルテシステム普及率の低い小規模医療施設市場(病床数20〜99床)に対して、直販ではなく販売店での販売を中心に営業強化を図る。
3) 既存事業に次ぐ、成長事業の創出
事業ポートフォリオの拡充とグループ内シナジー創出を狙い、デジタルマーケティング事業を開始した。ヘルスケア・メディカル分野のマーケティングの知見を獲得し、独自性を持った事業を確立する。また、DX問診・ePROをはじめとしたWebアプリの制作・開発支援(モバイルアプリ含む)を行うとともに、デジタルマーケティングにより、「コンシューマーへのアクセス」「非対面営業」「大量・少額のサービス販売」を行う。
同社が注力するデジタル問診票サービスは、紙の問診票とは異なり、最初の質問の答えを受けて次の質問が変わるため、患者毎に問診を掘り下げ、よりシャープで深い問診が可能となる。また、デジタル問診は選択的回答のため、答えと症状から疑われる病名等を規格的に整理・構造化することができる。この構造化されたデータを電子カルテに連携・反映させることで、診察時における医者の状況把握が容易になり、精度の高い診察が可能となる。病気になってからだけでなく、企業等による健康問診にも利用できるため、多くの人の健康維持に貢献する。また、こうして集められたデータを統計的に解析することで、これまで見えなかった病理の症例や傾向を顕在化させることができ、医療のさらなる発展につながる可能性もある。
デジタル問診サービスや企業等の健康問診などでの利用を拡大させるためには、同社の製品を医療関係者だけでなく、一般コンシューマーにまで認知を広げるとともに、ユーザーの需要を捉えて製品機能の向上につなげる必要がある。それには高度なデジタルマーケティング能力が必須となる。このため同社は新たな事業展開の動きとして、2022年2月17日付でサンカクカンパニーの全株式を取得し、完全子会社とした。サンカクカンパニーは2005年に設立され、大手企業やブランドのWebサイト再構築(リブランディング)、Webプロモーション支援(Web広告の企画・制作・運用、SNSを含む)等、企業のデジタルマーケティング全般をワンストップで支援している。サンカクカンパニーの子会社化により、同社はデジタルマーケティングの分野を補完強化することとなった。デジタルマーケティングによる販路拡大で、同社製品の高付加価値化と他社との差別化を狙う。
3. さらなる成長に向けて
既存事業の収益拡大に加え、新たなサービスビジネスや成長事業を創出することによりグループ全体の収益性を上げ、2030年までに営業利益率20%の達成を目指すとしている。「ヘルスケアソリューションを通じ様々な社会課題の解決に向けこれまでにないサービスを提供する」という姿勢で、これまでにない新しいサービスの開発に取り組む。医療データは重要性が高く、取り扱い管理は慎重にされてきた。一方、生活の質を向上させるキー情報にもなり得る。同社はここに注目し、病院と社会の連携を支援できるような、より付加価値の高いサービス展開をする構想だ。ロードマップでは構想を3つのフェーズに分けている。フェーズ1ではカルテデータが外部とつながり、フェーズ2ではスマートフォンを活用し、患者が統合された個人データを管理するプラットフォームを構築、フェーズ3では長期で蓄積されたカルテと統合された医療データを個人が管理・活用を行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)
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2. 中期経営計画2025
CEホールディングス<4320>は2021年11月に「中期経営計画2025」を発表した。経営目標として2025年9月期に売上高170億円、営業利益17億円(営業利益率10%)を掲げている。前年の「中期経営計画 2024」では2026年9月期に営業利益率10%を達成する計画だったが、その計画を1年前倒しで実現する更新を行い、中期経営計画の上方修正を行った。また、2030年には営業利益率を20%まで引き上げる方針である。成長戦略として「既存事業の収益拡大」「既存事業の強みを生かした新たなサービスビジネスの創出」「既存事業に次ぐ、成長事業の創出」という3つの戦略を掲げている。さらに2030年のさらなる成長に向け、営業利益率20%の達成を決意表明し取り組んでいる。
1) 既存事業の収益拡大
ヘルスケアソリューション事業を中心に、販売面の強化、顧客満足度向上、製品の品質向上と機能強化、及び利益率の改善に取り組む。ICTを活用したヘルスケア関連サービスや、医療介護連携構築のための情報共有基盤の整備を進めるべく、業務提携などを通じた当該サービス拡大への取り組みを積極的に推進している。既存事業の収益拡大は堅調であり、収益性の向上が1年前倒しで実現できる見通しとなっている。これは主要施策である「原価低減」「生産性向上」の取り組みが、同社が当初想定していたよりも早期に効果が出ていることに加え、電子カルテ市場が活性化していることが要因である。来期の受注状況を見ても底堅く、今後も既存事業は拡大する可能性が高いと見られる。また、事業構造の転換も進めており、これまでの販売を主体とした顧客の獲得とともに、サービスを主体とした顧客の獲得にも取り組むことで、利益率を上げながら事業ポートフォリオを構築し、事業基盤を強化していくという狙いがある。
2) 既存事業の強みを生かした新たなサービスビジネスの創出
同社は、電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ」販売を主力とした病院向けのSIerとして、院内情報システム構築の元請けとなった実績を多数有している。複数製品で構成される医療施設のITシステム全体を把握し、これらの製品との接続・連携ノウハウが強みとなり、同社グループのコア・コンピタンスにつながっている。こうした点を生かすことにより、「新たな価値を継続的に提供し続ける高収益なサービスビジネスを創出」につなげていく。
また、小規模医療機関向けクラウド型電子カルテサービス「MI・RA・Is/QS」(ミライズキューエス)を昨年10月からサービス開始している。電子カルテシステムは、導入費用が数千万円〜数億円規模になるため、電子カルテシステム導入に踏み切れない小規模医療機関も多かった。しかし、電子カルテシステムをクラウド化することで、導入・維持コストの大幅な低減が見込める。そこで同社は小規模特有のニーズに特化した機能を実装したクラウド型電子カルテサービスを投入することで、小規模医療施設への販路拡大を狙う。電子カルテシステム普及率の低い小規模医療施設市場(病床数20〜99床)に対して、直販ではなく販売店での販売を中心に営業強化を図る。
3) 既存事業に次ぐ、成長事業の創出
事業ポートフォリオの拡充とグループ内シナジー創出を狙い、デジタルマーケティング事業を開始した。ヘルスケア・メディカル分野のマーケティングの知見を獲得し、独自性を持った事業を確立する。また、DX問診・ePROをはじめとしたWebアプリの制作・開発支援(モバイルアプリ含む)を行うとともに、デジタルマーケティングにより、「コンシューマーへのアクセス」「非対面営業」「大量・少額のサービス販売」を行う。
同社が注力するデジタル問診票サービスは、紙の問診票とは異なり、最初の質問の答えを受けて次の質問が変わるため、患者毎に問診を掘り下げ、よりシャープで深い問診が可能となる。また、デジタル問診は選択的回答のため、答えと症状から疑われる病名等を規格的に整理・構造化することができる。この構造化されたデータを電子カルテに連携・反映させることで、診察時における医者の状況把握が容易になり、精度の高い診察が可能となる。病気になってからだけでなく、企業等による健康問診にも利用できるため、多くの人の健康維持に貢献する。また、こうして集められたデータを統計的に解析することで、これまで見えなかった病理の症例や傾向を顕在化させることができ、医療のさらなる発展につながる可能性もある。
デジタル問診サービスや企業等の健康問診などでの利用を拡大させるためには、同社の製品を医療関係者だけでなく、一般コンシューマーにまで認知を広げるとともに、ユーザーの需要を捉えて製品機能の向上につなげる必要がある。それには高度なデジタルマーケティング能力が必須となる。このため同社は新たな事業展開の動きとして、2022年2月17日付でサンカクカンパニーの全株式を取得し、完全子会社とした。サンカクカンパニーは2005年に設立され、大手企業やブランドのWebサイト再構築(リブランディング)、Webプロモーション支援(Web広告の企画・制作・運用、SNSを含む)等、企業のデジタルマーケティング全般をワンストップで支援している。サンカクカンパニーの子会社化により、同社はデジタルマーケティングの分野を補完強化することとなった。デジタルマーケティングによる販路拡大で、同社製品の高付加価値化と他社との差別化を狙う。
3. さらなる成長に向けて
既存事業の収益拡大に加え、新たなサービスビジネスや成長事業を創出することによりグループ全体の収益性を上げ、2030年までに営業利益率20%の達成を目指すとしている。「ヘルスケアソリューションを通じ様々な社会課題の解決に向けこれまでにないサービスを提供する」という姿勢で、これまでにない新しいサービスの開発に取り組む。医療データは重要性が高く、取り扱い管理は慎重にされてきた。一方、生活の質を向上させるキー情報にもなり得る。同社はここに注目し、病院と社会の連携を支援できるような、より付加価値の高いサービス展開をする構想だ。ロードマップでは構想を3つのフェーズに分けている。フェーズ1ではカルテデータが外部とつながり、フェーズ2ではスマートフォンを活用し、患者が統合された個人データを管理するプラットフォームを構築、フェーズ3では長期で蓄積されたカルテと統合された医療データを個人が管理・活用を行う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)
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