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サイジニア Research Memo(1):「ZETA CXシリーズ」が引き続き好調、全体の成長をけん引

注目トピックス 日本株
*14:31JST サイジニア Research Memo(1):「ZETA CXシリーズ」が引き続き好調、全体の成長をけん引
■要約

1. 小売などEC事業者向けに一気通貫したデジタルマーケティングサービスを提供
サイジニア<6031>は、小売など消費者向けインターネット通販(EC)事業者に対し、人工知能(AI)技術やビッグデータ解析技術を活用したデジタルマーケティングサービスを一気通貫で提供している。事業領域は、ターゲティング広告などのネット広告サービスとサイト内検索などのCX改善サービスとなる。このうちCX改善サービスについては、ハイエンド型サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」や、カスタマーレビュー機能を容易に実装できる「ZETA VOICE」などの「ZETA CXシリーズ」が好評で、小売を中心に有力企業が導入している。同社は2014年の東京証券取引所マザーズ上場後、米国Yextとの提携やデクワス(株)の子会社化、ZETA(株)の経営統合などにより業容拡大を進めてきたが、足元では実質的な収益改善も進んでおり、成長に弾みがついてきた。

2. ターゲットやサービス領域の拡大を背景に、「ZETA CXシリーズ」が全体の成長をけん引
同社事業に関連する国内インターネット広告市場とデジタルマーケティング市場はいずれも成長を続けている。主力の「ZETA CXシリーズ」は好調なEC市場の恩恵を受けやすいポジションにいるうえ、EC市場の成長を上回るスピードで需要が拡大している。このような市場環境の下で同社は、ポストクッキー※1やリテールメディアテック※2を見据えた新サービスを積極的に開発することで、サービス領域の拡大を目指している。直近では、商品説明やクチコミ(UGC:User Generated Content)を解析してキーワードを抽出し、商品詳細ページのハッシュタグを自動生成する「ZETA HASHTAG」や、ECサイトでの商品購入までの導線を自動最適化する「ZETA Tracking」をリリースした。これらのことから、「ZETA CXシリーズ」は全体の成長をけん引するサービスと言える。

※1 個人情報保護の流れのなかで、サードパーティクッキー(他社サイトでの行動履歴)を使った情報取得が制限されること。ポストクッキーではサードパーティクッキーを前提にしたリターゲティング広告などが難しくなると言われている。
※2 リテールメディアテック(主にリテール企業のECサイト)を高付加価値化する様々なテクノロジー。代表例は規制されないファーストパーティクッキー(自社サイトでの行動履歴)を利用したECサイト内検索で、一般的な検索サイトよりコンバージョン率が高く効率的なため注目されている。


3. CX改善サービスの好調により2023年6月期第2四半期は実質営業増益
2023年6月期第2四半期の業績は、売上高1,107百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益4百万円(同94.1%減)となった。ネット広告サービスは競争激化などにより苦戦したものの、CX改善サービスは「ZETA CXシリーズ」が好調で、新規採用企業や既存企業向けが伸長した。なお、一見減益に見えるが、前年同期の業績にZETAの2022年5月期第1四半期業績が含まれていないことが要因で、これを加えた実質業績は8百万円の営業増益となる。期初計画比では、10百万円程度の損失を見込んでいたところ4百万円の営業利益を計上しており、計画比でも超過達成となった。

4. 高い成長と自己株式取得などの株主還元により、今後の企業価値向上が期待される
2023年6月期業績について同社は、売上高2,800百万円(前期比7.9%増)、営業利益370百万円(同1.9%増)とする期初計画を据え置いた。営業利益の伸びが鈍い印象を受けるが、ZETAの2022年5月期第1四半期業績を加えた実質的な営業利益との比較では前期比31.2%増予想となり、実態は好調であると言える。同社がターゲットとするEC市場は引き続き拡大が見込まれていることに加え、主要顧客が属する小売業界ではデジタル化やDXへのニーズが急速に進んでおり、「ZETA CXシリーズ」をはじめとするサービス展開が加速度的に拡がっていることから、中期的な利益成長が期待できる。一方、株主還元を重視する考えから、剰余金の一部について株主還元に充てることを発表した。主要株主が売却を予定している株式を取得し、消却やM&Aなどに充当する予定である。高い成長と株主還元により、同社の企業価値向上が期待される。

■Key Points
・EC事業者向けに一気通貫したデジタルマーケティングサービスを提供
・CX改善サービスの好調により2023年6月期第2四半期業績は実質営業増益
・高い成長と自己株式取得などの株主還元により、今後の企業価値向上を期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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