ブロードエンター Research Memo(3):物件オーナーのニーズに応えるサービスをワンストップで提供(2)
[23/03/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:33JST ブロードエンター Research Memo(3):物件オーナーのニーズに応えるサービスをワンストップで提供(2)
■ブロードエンタープライズ<4415>の会社概要
(2)「BRO-LOCK」
「BRO-LOCK」は、インターネット回線を介して、マンションのエントランスをオートロック化するための顔認証付きIoTインターフォンシステムである。「顔認証」「ICカード認証」「QRコード認証」「時限式暗証番号認証」などの方法で解錠が可能である。室内モニターから通話・解錠ができるうえ、スマートフォンがあれば外出先で来訪者と応対することもできる。このほか、訪問履歴の確認や不在時の訪問者の画像確認など、様々な機能を付けることもできる。
「B-CUBIC」と同じく、「初期導入費用0円プラン」で導入可能である。加えて、インターネット回線を利用したインターフォンシステムであるため取り付け工事が簡易で、かつ後付けも可能という点も訴求ポイントの1つである。そのほか、設置からアフターフォローまで一貫対応していること、管理業務を軽減できるクラウドサービスが導入できることも特長である。
クラウドサービスは、掲示物の代わりに入居者へ通知できるメッセージ送信、時限式QRコードの発行(解錠用のQRコードを有効期限や使用回数を限定し発行可能)、サブ暗証番号の発行(一時的な解錠用暗証番号をいつでも発行・削除可能)、入居者カードキーの情報管理、入室履歴管理、モバイルアプリ管理、などのサービスを提供しており、物件オーナーまたは管理会社の管理業務の効率化に貢献している。
販売方法としては、直販、取扱店・代理店を通じた販売のほか、OEMでの提供も行っている。
(3) 各種IoTデバイス
「B-CUBIC」をベースにIoTデバイスをワンストップで提供しており、スマートカメラ(セキュリティカメラ)、スマートロック、宅配ボックスなどを提供している。これらのデバイスも、初期導入費用0円で導入することができる。同社は、共用部にフォーカスしたIoTデバイスの開発を行っており、2023年にはスマートサイネージ(電子看板)とスマート宅配BOXの市場投入を予定している。スマートサイネージはマンション共用部に設置し、掲示板の代わりに使用されることが想定されている。
(4)「BRO-ROOM」
新規事業として「BRO-ROOM」がローンチした。これは、三菱地所<8802>の総合スマートホームサービス「HOMETACT」の設置と、提携先のリフォーム会社による宅内のリノベーションを同時に施工することで、IoTリノベーションを実現するサービスである。「HOMETACT」は、アプリやスマートスピーカーでエアコンやテレビ、照明、カーテンといった複数メーカーの幅広いIoT機器をコントロールできる総合スマートホームサービスである。物件オーナーは「BRO-ROOM」を導入することによって、空室対策をより強化することができる。同サービスも「初期導入費用0円プラン」を適用している。
(5)「BRO-CLOUD」
現在準備中のサービスとして「BRO-CLOUD」がある。これは集合住宅にIoT設備を導入し、物件オーナー・管理会社の管理業務の効率性を向上させるサービスである。物件オーナー・管理会社にとっては、1つのクラウドサービスで同社のIoTサービスを一括して管理することができるようになり、利便性をより高めながら同社のサービスやIoTデバイスを利用することができるようになる。これにより管理業務の削減につながる。
4. 市場環境と強み
同社は、集合住宅の中でも賃貸・既築をメインターゲットに事業活動を行っている。日本の総人口が減少傾向にありながらも貸家の新設着工戸数は増加している。これにより空室率が上昇し、マンションオーナーのキャッシュ・フローが悪化している現状がある。同社はインターネットサービス「B-CUBIC」を軸にしたIoTデバイスを提供することによって、物件のバリューアップとマンションオーナーのキャッシュ・フローの最大化に貢献している。入居者は「インターネット無料」や「オートロック」といった設備を導入している集合住宅に魅力を感じており、同社のサービスを導入することにより、空室率の改善、賃料の上昇などが実現できると言う。
既築賃貸市場で事業活動を行っている同社の強みとしては、以下のものを挙げることができる。
(1) マンションに特化したIoTサービスをワンストップで提供
同社は、インターネットサービス「B-CUBIC」を軸に、入居者ニーズの高いマンション向けIoTサービスをワンストップで提供している。物件オーナーにとっては、従来別々に契約し、導入する必要があったものを一括して導入できるため、費用負担を軽減できるメリットがある。一方で、同社にとっては、複数の商材・サービスを提供することによって、物件オーナーの多様なニーズに対応し、案件数の上昇やクロスセルによる売上の拡大を見込めるメリットがある。
(2) 管理会社との強固なネットワーク
同社が取引している管理会社の数は737社(2022年12月時点)であり、賃貸住宅管理事業者登録数4,601社(2020年7月時点)のうち、16.0%との取引実績を有していることになる。管理会社とオーナーは入居率の向上という目標が一致するため管理会社はオーナーの紹介には協力的であり、これにより同社は効率的な営業を行うことが可能になっている。取引管理会社数737社とは強固な取引関係にあるため、新規参入企業や競合にとっての競争優位の1つとなっている。
(3)「初期導入費用0円プラン」の導入
同社は債権流動化の仕組みを賃貸・既築市場に応用することによって、物件オーナーが初期投資を抑えながら同社のサービスを導入できる仕組みを構築している。賃貸・既築市場で「初期導入費用0円プラン」を提供している競合はほとんどいないと言う。実際に、同社顧客の70%以上が同プランを利用しており、同社サービスの訴求ポイントの1つになっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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■ブロードエンタープライズ<4415>の会社概要
(2)「BRO-LOCK」
「BRO-LOCK」は、インターネット回線を介して、マンションのエントランスをオートロック化するための顔認証付きIoTインターフォンシステムである。「顔認証」「ICカード認証」「QRコード認証」「時限式暗証番号認証」などの方法で解錠が可能である。室内モニターから通話・解錠ができるうえ、スマートフォンがあれば外出先で来訪者と応対することもできる。このほか、訪問履歴の確認や不在時の訪問者の画像確認など、様々な機能を付けることもできる。
「B-CUBIC」と同じく、「初期導入費用0円プラン」で導入可能である。加えて、インターネット回線を利用したインターフォンシステムであるため取り付け工事が簡易で、かつ後付けも可能という点も訴求ポイントの1つである。そのほか、設置からアフターフォローまで一貫対応していること、管理業務を軽減できるクラウドサービスが導入できることも特長である。
クラウドサービスは、掲示物の代わりに入居者へ通知できるメッセージ送信、時限式QRコードの発行(解錠用のQRコードを有効期限や使用回数を限定し発行可能)、サブ暗証番号の発行(一時的な解錠用暗証番号をいつでも発行・削除可能)、入居者カードキーの情報管理、入室履歴管理、モバイルアプリ管理、などのサービスを提供しており、物件オーナーまたは管理会社の管理業務の効率化に貢献している。
販売方法としては、直販、取扱店・代理店を通じた販売のほか、OEMでの提供も行っている。
(3) 各種IoTデバイス
「B-CUBIC」をベースにIoTデバイスをワンストップで提供しており、スマートカメラ(セキュリティカメラ)、スマートロック、宅配ボックスなどを提供している。これらのデバイスも、初期導入費用0円で導入することができる。同社は、共用部にフォーカスしたIoTデバイスの開発を行っており、2023年にはスマートサイネージ(電子看板)とスマート宅配BOXの市場投入を予定している。スマートサイネージはマンション共用部に設置し、掲示板の代わりに使用されることが想定されている。
(4)「BRO-ROOM」
新規事業として「BRO-ROOM」がローンチした。これは、三菱地所<8802>の総合スマートホームサービス「HOMETACT」の設置と、提携先のリフォーム会社による宅内のリノベーションを同時に施工することで、IoTリノベーションを実現するサービスである。「HOMETACT」は、アプリやスマートスピーカーでエアコンやテレビ、照明、カーテンといった複数メーカーの幅広いIoT機器をコントロールできる総合スマートホームサービスである。物件オーナーは「BRO-ROOM」を導入することによって、空室対策をより強化することができる。同サービスも「初期導入費用0円プラン」を適用している。
(5)「BRO-CLOUD」
現在準備中のサービスとして「BRO-CLOUD」がある。これは集合住宅にIoT設備を導入し、物件オーナー・管理会社の管理業務の効率性を向上させるサービスである。物件オーナー・管理会社にとっては、1つのクラウドサービスで同社のIoTサービスを一括して管理することができるようになり、利便性をより高めながら同社のサービスやIoTデバイスを利用することができるようになる。これにより管理業務の削減につながる。
4. 市場環境と強み
同社は、集合住宅の中でも賃貸・既築をメインターゲットに事業活動を行っている。日本の総人口が減少傾向にありながらも貸家の新設着工戸数は増加している。これにより空室率が上昇し、マンションオーナーのキャッシュ・フローが悪化している現状がある。同社はインターネットサービス「B-CUBIC」を軸にしたIoTデバイスを提供することによって、物件のバリューアップとマンションオーナーのキャッシュ・フローの最大化に貢献している。入居者は「インターネット無料」や「オートロック」といった設備を導入している集合住宅に魅力を感じており、同社のサービスを導入することにより、空室率の改善、賃料の上昇などが実現できると言う。
既築賃貸市場で事業活動を行っている同社の強みとしては、以下のものを挙げることができる。
(1) マンションに特化したIoTサービスをワンストップで提供
同社は、インターネットサービス「B-CUBIC」を軸に、入居者ニーズの高いマンション向けIoTサービスをワンストップで提供している。物件オーナーにとっては、従来別々に契約し、導入する必要があったものを一括して導入できるため、費用負担を軽減できるメリットがある。一方で、同社にとっては、複数の商材・サービスを提供することによって、物件オーナーの多様なニーズに対応し、案件数の上昇やクロスセルによる売上の拡大を見込めるメリットがある。
(2) 管理会社との強固なネットワーク
同社が取引している管理会社の数は737社(2022年12月時点)であり、賃貸住宅管理事業者登録数4,601社(2020年7月時点)のうち、16.0%との取引実績を有していることになる。管理会社とオーナーは入居率の向上という目標が一致するため管理会社はオーナーの紹介には協力的であり、これにより同社は効率的な営業を行うことが可能になっている。取引管理会社数737社とは強固な取引関係にあるため、新規参入企業や競合にとっての競争優位の1つとなっている。
(3)「初期導入費用0円プラン」の導入
同社は債権流動化の仕組みを賃貸・既築市場に応用することによって、物件オーナーが初期投資を抑えながら同社のサービスを導入できる仕組みを構築している。賃貸・既築市場で「初期導入費用0円プラン」を提供している競合はほとんどいないと言う。実際に、同社顧客の70%以上が同プランを利用しており、同社サービスの訴求ポイントの1つになっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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