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エイシアンスタ Research Memo(2):横浜と上海を中心に事業展開する不動産会社

注目トピックス 日本株
*14:52JST エイシアンスタ Research Memo(2):横浜と上海を中心に事業展開する不動産会社
■事業概要

1. 事業内容
ASIAN STAR<8946>の事業セグメントは、不動産販売事業、不動産管理事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業、投資事業の5つの事業セグメントで開示されている。2022年12月期の売上高構成比(セグメント間の内部売上高または振替高を含む)は、不動産販売事業が44.9%を占める主力事業となっており、次いで不動産管理事業が23.1%、不動産賃貸事業が16.1%、不動産仲介事業が15.9%を占めている。売上高に占める割合が最大の不動産販売事業は、期によって物件売却の有無により売上変動が大きくなる傾向にあるが、不動産管理事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業の3事業で連結業績の約6割を占めており、不動産販売事業の売上変動が連結業績に過度に影響を及ぼしにくいバランス型のセグメント構造である。同社が、継続的かつ安定的に成長できる事業基盤の構築を目指し、不動産管理事業等の「ストック型フィービジネス」を強化してきた結果と言える。


(1) 不動産販売事業
不動産販売事業の主力は、新築戸建と収益マンションの販売事業である。同社は、「お客様へ新たな価値を提供できる喜びと感謝の気持ちを忘れずに、人と社会の幸せに貢献する」という企業理念のもと、横浜・川崎エリアを中心に「A's Terre(アステール)」ブランドで新築戸建を販売している。また、自社ブランド「グリフィンシリーズ」で横浜・川崎エリアに集中して収益マンション及び居住用マンションの販売を行っており、2022年12月31日までに合計4,731戸を分譲してきた※。加えて、リゾート開発事業の実績もある。同事業の今後に関しては、2022年12月期から繰越しとなっているリゾート用地の売却を継続する方針である。

※分譲の多くはASIAN STARが手掛けており、過去に分譲した物件については、同社の連結子会社である(株)グリフィン・パートナーズが主に売買仲介と賃貸仲介を行っている。


(2) 不動産管理事業
不動産管理事業の主力は、「グリフィンシリーズ」マンションを含む約4,000戸の賃貸マンションの管理事業である。同社は、横浜・川崎エリアに集中して「グリフィンシリーズ」ブランドを中心とする収益マンションを延べ104棟4,731戸(2022年12月31日現在)供給してきた経緯があり、集金代行、更新事務代行、設備の点検・清掃・修繕など賃貸管理業務を受託するとともに、管理物件の入居者が退去する際には原状回復工事やバリューアップを目的としたリフォーム工事を受注している。契約不動産オーナーの資産価値の「維持・継続」と「さらなる向上」を念頭に置いた管理業務が評価され、横浜・川崎エリアのマンション管理会社のなかで高い顧客満足度を得ている。中国の上海においては連結子会社である柏雅酒店管理(上海)有限公司が駐在員向けのサービスアパートメント運営管理事業を行っている。また、同じく連結子会社であるU-HOMEと特庫伊投資が中古の建物を借上げ、簡易内装を施し、家具を配置した後に顧客へ賃貸するマンション管理事業を展開している。

(3) 不動産賃貸事業
同社はマンション、事務所及び駐車場等を所有または賃借し、これらを賃貸または転貸する不動産賃貸事業を行っている。不動産開発が盛んに行われてきた中国においては、開発した物件の収益性を高めるための不動産賃貸サービスに対する需要が増加する段階にあると言う。中国におけるニーズが拡大するなかで、良好な事業環境が予想される事業分野である。

(4) 不動産仲介事業
連結子会社であるグリフィン・パートナーズは、横浜・川崎エリアで知名度のある自社グリフィンブランドと全国ネットワークのアパマンショップブランドで不動産売買及び不動産賃貸借に関わる仲介事業を行っている。連結子会社である徳威不動産と特庫伊投資は、中国で不動産売買及び不動産賃貸借に関わる仲介事業を行っている。

(5) 投資事業
連結子会社である(株)ASIAN STAR INVESTMENTSは、上記事業とのシナジー効果が見込める事業や今後の成長が見込まれる新たな事業への投資事業を行っている。


事業基盤の不動産管理事業を堅守しつつ、中国事業でさらなる成長を目指す
2. 同社の特長
同社は1979年の創業当時から、横浜・川崎エリアを地盤として自社マンションブランド「グリフィンシリーズ」の開発・販売を主力とする不動産販売ビジネスを手掛けてきた。「グリフィンシリーズ」ブランドの収益マンションの供給実績は、延べ104棟4,731戸(2022年12月31日現在)に上る。2008年にリーマンショックに伴う信用収縮を原因とした不動産市況の悪化により急激な業績悪化を経験したため、2011年から不動産販売事業の規模を縮小しつつ、これまで自社で販売を手掛けて建物の細部まで熟知している「グリフィンシリーズ」マンションの不動産管理事業を収益の柱に育てるとともに、徳威不動産との資本業務提携を締結して中国事業を開始した。

現在では不動産管理事業を中心とした不動産総合サービスを事業の柱とすることで事業基盤の確立を進め、安定的で堅実な収益体系を構築できており、中長期的成長を積極的に模索している。中国において医薬品・医療機器などの動産輸出事業への進出を検討しているほか、「ホテル事業」「テーラーメイド旅行商品の開発・提供」「医療ツーリズム」「美容ツーリズム」等、様々な可能性を模索しながら新事業の創出も計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)



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