紀文食品 Research Memo(1):想定を超える原材料・エネルギーコスト増の影響を受けるも、中期経営計画は順調
[23/03/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:01JST 紀文食品 Research Memo(1):想定を超える原材料・エネルギーコスト増の影響を受けるも、中期経営計画は順調
■要約
1. 会社概要
紀文食品<2933>は水産練り製品のトップメーカーで、主にスーパーマーケットやコンビニエンスストア向けに販売している。水産練り製品は蒲鉾やちくわ、さつま揚、はんぺんなどを総称した食品で、原材料となる魚が各地で異なるため様々な種類の練り製品が作られてきた。同社はいち早く日本各地での製品のフルライン化を進めるとともに、チルド物流システムを確立したことで、約3,000億円と言われる国内練り製品市場でトップシェアを獲得した。国内食品事業のノウハウを生かし、チルド物流システムを外部企業に提供しているほか、健康志向を背景に魚食化が進むアジアや欧米で事業を拡大している。
同社の強みはブランド力、商品企画・開発力、物流システム、販売力などである。このうち商品企画・開発力としては、創業以来、原材料・製造技術や味覚・栄養・機能性の研究に取り組み、独創的な技術と柔軟な発想で水産練り製品を開発してきた。特に、長年続けてきた魚肉・大豆・鶏卵・鶏肉畜肉の4つのタンパク特性の研究を基盤に商品開発している。また、物流システムとしては集荷・仕分け・ピッキング・配送の全工程での低温度管理を実現し、販売力としては小売との直接取引を通した高い信頼関係を構築するとともに、SNSなどを活用したセールスプロモーション活動を積極的に展開している。
2. 中期経営計画
同社は2021年5月に、収益性向上と財務体質改善による「持続的成長サイクルの確立」を基本戦略とする3ヶ年の中期経営計画(2022年3月期〜2024年3月期)を発表した。国内事業の安定成長と海外事業の拡大による成長の加速、トータルコスト見直しによるコスト競争力のある強靭な企業体質の構築による経営効率の改善、社会に求められ支持される存在であるための経営進化(ESG・SDGsへの取り組み強化)による経営基盤の整備を推進し、2024年3月期に売上高108,419百万円、営業利益4,593百万円を目指している。初年度となる2022年3月期は順調に進捗した。2023年3月期は想定を超える原材料・エネルギーコスト増により各利益を下方修正したものの、成長戦略は順調に進捗しており、売上高を上方修正した。これらの結果、中期経営計画最終年度となる2024年3月期業績については、定性目標及び売上高は射程圏内であるものの、各利益の達成は厳しい状況と弊社では見ている。成長戦略の推進による利益面での改善がカギと言えよう。
3. 業績動向
2023年3月期第3四半期の連結業績は、売上高81,770百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益1,584百万円(同51.1%減)となった。売上高は国内食品事業の需要増及び価格改定効果に加え、海外食品事業の好調により全セグメントで増収となった。一方、利益面では、想定を超える原材料・エネルギーコスト増に伴い国内食品事業で損失を計上し、全体でも減収となった。これらの結果、2023年2月に通期業績予想を修正し、売上高105,228百万円(前期比6.1%増)、営業利益2,219百万円(同41.7%減)とした。2024年3月期については、国内食品事業での生産・配送の効率向上や価格改定効果、キャラクター蒲鉾などの好調商品の販促強化に加え、海外食品事業や食品関連事業の好調により、収益回復が見込まれると弊社では見ている。
■Key Points
・水産練り製品のトップメーカー。ブランド力、商品企画・開発力、物流システムなどに強み
・中期経営計画では国内事業の安定成長と海外事業の拡大を目指す
・想定を超える原材料・エネルギーコスト増の影響を受けるも、2024年3月期は収益回復の見込み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NS>
■要約
1. 会社概要
紀文食品<2933>は水産練り製品のトップメーカーで、主にスーパーマーケットやコンビニエンスストア向けに販売している。水産練り製品は蒲鉾やちくわ、さつま揚、はんぺんなどを総称した食品で、原材料となる魚が各地で異なるため様々な種類の練り製品が作られてきた。同社はいち早く日本各地での製品のフルライン化を進めるとともに、チルド物流システムを確立したことで、約3,000億円と言われる国内練り製品市場でトップシェアを獲得した。国内食品事業のノウハウを生かし、チルド物流システムを外部企業に提供しているほか、健康志向を背景に魚食化が進むアジアや欧米で事業を拡大している。
同社の強みはブランド力、商品企画・開発力、物流システム、販売力などである。このうち商品企画・開発力としては、創業以来、原材料・製造技術や味覚・栄養・機能性の研究に取り組み、独創的な技術と柔軟な発想で水産練り製品を開発してきた。特に、長年続けてきた魚肉・大豆・鶏卵・鶏肉畜肉の4つのタンパク特性の研究を基盤に商品開発している。また、物流システムとしては集荷・仕分け・ピッキング・配送の全工程での低温度管理を実現し、販売力としては小売との直接取引を通した高い信頼関係を構築するとともに、SNSなどを活用したセールスプロモーション活動を積極的に展開している。
2. 中期経営計画
同社は2021年5月に、収益性向上と財務体質改善による「持続的成長サイクルの確立」を基本戦略とする3ヶ年の中期経営計画(2022年3月期〜2024年3月期)を発表した。国内事業の安定成長と海外事業の拡大による成長の加速、トータルコスト見直しによるコスト競争力のある強靭な企業体質の構築による経営効率の改善、社会に求められ支持される存在であるための経営進化(ESG・SDGsへの取り組み強化)による経営基盤の整備を推進し、2024年3月期に売上高108,419百万円、営業利益4,593百万円を目指している。初年度となる2022年3月期は順調に進捗した。2023年3月期は想定を超える原材料・エネルギーコスト増により各利益を下方修正したものの、成長戦略は順調に進捗しており、売上高を上方修正した。これらの結果、中期経営計画最終年度となる2024年3月期業績については、定性目標及び売上高は射程圏内であるものの、各利益の達成は厳しい状況と弊社では見ている。成長戦略の推進による利益面での改善がカギと言えよう。
3. 業績動向
2023年3月期第3四半期の連結業績は、売上高81,770百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益1,584百万円(同51.1%減)となった。売上高は国内食品事業の需要増及び価格改定効果に加え、海外食品事業の好調により全セグメントで増収となった。一方、利益面では、想定を超える原材料・エネルギーコスト増に伴い国内食品事業で損失を計上し、全体でも減収となった。これらの結果、2023年2月に通期業績予想を修正し、売上高105,228百万円(前期比6.1%増)、営業利益2,219百万円(同41.7%減)とした。2024年3月期については、国内食品事業での生産・配送の効率向上や価格改定効果、キャラクター蒲鉾などの好調商品の販促強化に加え、海外食品事業や食品関連事業の好調により、収益回復が見込まれると弊社では見ている。
■Key Points
・水産練り製品のトップメーカー。ブランド力、商品企画・開発力、物流システムなどに強み
・中期経営計画では国内事業の安定成長と海外事業の拡大を目指す
・想定を超える原材料・エネルギーコスト増の影響を受けるも、2024年3月期は収益回復の見込み
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<NS>