SFP Research Memo(1):2023年2月期は回復基調が継続し、大幅な増収及び損益改善を実現
[23/04/24]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:01JST SFP Research Memo(1):2023年2月期は回復基調が継続し、大幅な増収及び損益改善を実現
■要約
1. 会社概要
SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている「磯丸水産」(海鮮居酒屋)や「鳥良商店」(鶏料理専門店)等の運営を主力事業としている。一等立地による集客力を最大限に生かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。ただ、2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて業績が大きく後退し、2022年2月期までの2年間は新規出店等の大規模投資は控え、コスト削減による収益体質の強化に専念してきた。2023年2月期に入ってからは、コロナ禍(第7波等)による断続的な影響を受けつつも、回復基調は継続しており、地方都市を中心とした出店再開にも取り組んでいる。2023年2月末の総店舗数は210店舗(うち、FC※16店舗)となっている。
※フランチャイズ(以下、同様)。
2. 2023年2月期の業績
2023年2月期の業績は、売上高が前期比120.3%増の22,913百万円、営業損失が754百万円(前期は7,919百万円の損失)、経常利益が同28.1%減の1,582百万円とコロナ禍からの一定の回復により大幅な増収となり、営業損失も大きく縮小した。一方、経常利益が減益となったのは助成金収入の減少によるものであり、その点は想定内である。売上高は、コロナ禍(第7波等)の影響を受けたものの、早朝・深夜帯の営業の一部再開(第2四半期)や訪日観光客の急増(第3四半期)、宴会需要の復興(年末年始)に伴い、四半期ごとに段階的な回復を実現してきた。損益面でも、物価上昇等に伴う厳しい収益環境の下でも、増収に伴う収益の押し上げや収益体質の強化を通じて大きく改善に向かっており、第4四半期には営業黒字化(四半期ベース)を実現している。活動面では、地方都市への出店や注力業態である「ネオ大衆酒場」(小型・低投資で安定的に稼ぐモデル)への業態転換など、成長回帰に向けて動き出した。
3. 2024年2月期の業績予想
2024年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比17.8%増の27,000百万円、営業利益を1,000百万円と、売上高のさらなる回復により通年での営業黒字化を見込んでいる。訪日客の取り込みや深夜営業の本格再開が増収に寄与する想定である。実質既存店売上高の回復に加え、地方都市への出店を進めるほか、注力業態である「ネオ大衆酒場」の出店加速(業態転換を含む)を計画している。損益面では、賃上げによる人件費の増加やインフレに伴う水光熱費の高止まりなどが想定されるものの、増収による収益の押し上げや原価率の上昇抑制により大幅な増益となり、営業黒字化を実現する見通しとなっている。
4. 今後の方向性
同社は、2020年2月期までは毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、2021年2月期以降はコロナ禍の影響により先行き不透明な状況にあることから公表を見送っている。ただ、今後の環境変化等を見据え、短・中期的な方向性を明示しており、(1) 地方都市への出店、(2) 注力業態「ネオ大衆酒場」の拡大、(3) 既存店の伸び(訪日観光客・深夜営業)、(4) インフレ対策(価格転嫁等)、(5) DX推進(キャッシュレス等)などに取り組むことで、成長軌道への早期回帰を目指していく。
■Key Points
・2023年2月期の業績はコロナ禍(第7波等)の影響を受けつつも、総じて回復基調にあり、大幅な増収及び損益改善を実現
・地方都市への出店や注力業態への転換など、今後に向けても新たな成長軸を示すことができた
・2024年2月期の業績予想については、売上高のさらなる回復により通年での営業黒字化を見込んでいる
・地方都市への出店、「ネオ大衆酒場」の拡大、既存店の伸び、インフレ対策、DX推進等により、成長軌道への回帰を目指していく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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■要約
1. 会社概要
SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている「磯丸水産」(海鮮居酒屋)や「鳥良商店」(鶏料理専門店)等の運営を主力事業としている。一等立地による集客力を最大限に生かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。ただ、2020年以降、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響を受けて業績が大きく後退し、2022年2月期までの2年間は新規出店等の大規模投資は控え、コスト削減による収益体質の強化に専念してきた。2023年2月期に入ってからは、コロナ禍(第7波等)による断続的な影響を受けつつも、回復基調は継続しており、地方都市を中心とした出店再開にも取り組んでいる。2023年2月末の総店舗数は210店舗(うち、FC※16店舗)となっている。
※フランチャイズ(以下、同様)。
2. 2023年2月期の業績
2023年2月期の業績は、売上高が前期比120.3%増の22,913百万円、営業損失が754百万円(前期は7,919百万円の損失)、経常利益が同28.1%減の1,582百万円とコロナ禍からの一定の回復により大幅な増収となり、営業損失も大きく縮小した。一方、経常利益が減益となったのは助成金収入の減少によるものであり、その点は想定内である。売上高は、コロナ禍(第7波等)の影響を受けたものの、早朝・深夜帯の営業の一部再開(第2四半期)や訪日観光客の急増(第3四半期)、宴会需要の復興(年末年始)に伴い、四半期ごとに段階的な回復を実現してきた。損益面でも、物価上昇等に伴う厳しい収益環境の下でも、増収に伴う収益の押し上げや収益体質の強化を通じて大きく改善に向かっており、第4四半期には営業黒字化(四半期ベース)を実現している。活動面では、地方都市への出店や注力業態である「ネオ大衆酒場」(小型・低投資で安定的に稼ぐモデル)への業態転換など、成長回帰に向けて動き出した。
3. 2024年2月期の業績予想
2024年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比17.8%増の27,000百万円、営業利益を1,000百万円と、売上高のさらなる回復により通年での営業黒字化を見込んでいる。訪日客の取り込みや深夜営業の本格再開が増収に寄与する想定である。実質既存店売上高の回復に加え、地方都市への出店を進めるほか、注力業態である「ネオ大衆酒場」の出店加速(業態転換を含む)を計画している。損益面では、賃上げによる人件費の増加やインフレに伴う水光熱費の高止まりなどが想定されるものの、増収による収益の押し上げや原価率の上昇抑制により大幅な増益となり、営業黒字化を実現する見通しとなっている。
4. 今後の方向性
同社は、2020年2月期までは毎年、向こう3ヶ年の中期経営計画を公表してきたが、2021年2月期以降はコロナ禍の影響により先行き不透明な状況にあることから公表を見送っている。ただ、今後の環境変化等を見据え、短・中期的な方向性を明示しており、(1) 地方都市への出店、(2) 注力業態「ネオ大衆酒場」の拡大、(3) 既存店の伸び(訪日観光客・深夜営業)、(4) インフレ対策(価格転嫁等)、(5) DX推進(キャッシュレス等)などに取り組むことで、成長軌道への早期回帰を目指していく。
■Key Points
・2023年2月期の業績はコロナ禍(第7波等)の影響を受けつつも、総じて回復基調にあり、大幅な増収及び損益改善を実現
・地方都市への出店や注力業態への転換など、今後に向けても新たな成長軸を示すことができた
・2024年2月期の業績予想については、売上高のさらなる回復により通年での営業黒字化を見込んでいる
・地方都市への出店、「ネオ大衆酒場」の拡大、既存店の伸び、インフレ対策、DX推進等により、成長軌道への回帰を目指していく
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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