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アップル Research Memo(3):2022年12月期は円安を追い風に過去最高益を更新

注目トピックス 日本株
*14:23JST アップル Research Memo(3):2022年12月期は円安を追い風に過去最高益を更新
■業績動向

1. 2022年12月期の業績概要
アップルインターナショナル<2788>の2022年12月期の連結業績は、売上高が前期比56.6%増の29,222百万円、営業利益が同350.9%増の1,458百万円、経常利益が同217.4%増の1,701百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同229.9%増の1,330百万円と過去最高益を更新した。期初予想(売上高16,034百万円、営業利益203百万円)を大きく超過し、各利益は2度の上方修正値も上回る好決算となった。

好業績の主要な要因は、半導体不足などによる自動車メーカーの供給制約と為替の急激な円安シフトである。このうち為替については、2022年初約115円/米ドルから10月に151円/米ドルと32年ぶりの円安水準となった。新車の供給不足により中古車価格が上昇したことに加え、海外では円安メリットで買い急ぎが発生した。中古車輸出事業は一定割合のマージンを得るため、1台当たりの販売価格の上昇により利幅が拡大し大幅な増益をもたらした。

このような事業環境の下、同社は引き続き自動車市場の拡大が見込まれる東南アジア諸国等を中心に多国間の貿易ルートを確保し、高付加価値化を図ることで自動車市場の活性化と収益拡大に努めた。事業別では、中古車輸出事業の売上高が前期比93.4%増の22,008百万円とほぼ倍増した一方、中古車買取販売事業は同0.1%減の7,087百万円と横ばいとなった。また、中古車買取販売事業のうちフランチャイズ本部事業はおおむね堅調に推移し、フランチャイズ店舗数は同8店舗増の251店舗、査定件数は同8.9%増の158,200件、買取台数は3.9%増の72,500台、販売台数は同0.7%増の80,800台であった。一方で直営店は、新車販売が不安定であったことに伴いディーラーの下取り車サポート業務が減少した。

2. 財務状況と経営指標
2022年12月期末の資産合計は前期末比1,755百万円増加し15,957百万円となった。2022年12月期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しており、中古車輸出事業の売上計上基準を従来の出荷基準から入金基準に変更した結果、流動資産の売掛金が1,434百万円減少し、商品及び製品が2,920百万円増加した。短期的な財務の安全性を見る流動比率は249.5%の高水準を維持した。大幅な増益を反映して純資産が同1,112百万円増加したことから、自己資本比率は同1.7ポイント上昇し46.8%となった。

2022年12月期末の現金及び現金同等物は前期末比142百万円減の4,334百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは608百万円の支出となった。「収益認識に関する会計基準」等の適用により、棚卸資産の増加額(2,960百万円)が売上債権の減少額(1,434百万円)を上回った。投資活動によるキャッシュ・フローは24百万円の支出となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加により491百万円の収入となった。いすゞ自動車<7202>との資本提携解消による自己株式の取得で未処分利益が200百万円減少したが、今後消却を行う意向だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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