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日ダイナミク Research Memo(5):プロジェクト管理・品質管理を徹底

注目トピックス 日本株
*14:25JST 日ダイナミク Research Memo(5):プロジェクト管理・品質管理を徹底
■事業概要

6. リスク要因・収益特性
一般的なリスク要因として、IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)においては、大型案件などの受注や個別案件ごとの採算性によって売上や利益が変動する可能性がある。この対策として日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>は、受注委員会において見積段階から採算をチェックするとともに、受注後も審議会においてプロジェクト進捗・品質管理状況を厳重にチェックするなど、プロジェクト管理・品質管理を徹底して不採算化防止・採算維持に取り組んでいる。全社ベースの取り組みとしては、業務プロセス改善による効率化を推進している。また、システム開発事業は開発後の保守・運用サービス受託拡大によって、サポート&サービス事業は継続受託案件の積み上げによって、いずれもストック売上が拡大しているため安定した収益構造となっている。

パーキングシステム事業は、管理現場数・管理台数の積み上げによって駐輪場利用料収入や駐輪場管理運営受託に係るストック売上が主力となり、入札等によって受注変動がある機器販売のフロー売上の比率が低下している。なお、コロナ禍の影響で、駐輪場利用者数減少による駐輪場利用料収入減少や、鉄道事業者の設備投資抑制による工事・商談延期など、大きな打撃を受ける局面があった。ただし、コロナ禍の影響が和らいで駐輪場利用者数が回復傾向となり、2023年3月期の駐輪場利用料収入は一部自営駐輪場における料金改定効果も寄与して、コロナ禍前の2020年3月期を上回る水準となった。

季節要因としては、システム開発事業は顧客企業のIT投資予算の執行時期や検収時期の関係で、第2四半期(7月〜9月)及び第4四半期(1月〜3月)の構成比が高い傾向がある。このため、一時的な大型案件や不採算案件などの影響を除けば、全体として四半期ベースでは第2四半期と第4四半期の構成比が高く、また半期ベースでは下期(10月〜3月)の構成比が高い傾向がある。ただしストック売上が拡大しているため、四半期業績の平準化が進展して季節要因の影響は小さくなっている。

7. IT関連事業は高水準推移、パーキングシステム事業は回復基調
過去6期間(2018年3月期〜2023年3月期)のセグメント別売上高と構成比の推移(その他の売上高を含む)を見ると、2020年3月期までの構成比は、概ねIT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)が6割強、パーキングシステム事業が3割強で推移していたが、2021年3月期及び2022年3月期は、パーキングシステム事業がコロナ禍の影響を受けた一方で、IT関連事業の売上高が順調に伸長しているため、IT関連事業の構成比が7割強、パーキングシステム事業の構成比が3割弱となっている。2023年3月期の売上高構成比は、IT関連事業が70.7%(システム開発事業が40.5%、サポート&サービス事業が30.2%)で、パーキングシステム事業が29.2%だった。

過去6期間(2018年3月期〜2023年3月期)のセグメント別営業利益と構成比(全社費用等調整前)の推移を見ると、IT関連事業の営業利益は売上拡大に伴って拡大基調である。パーキングシステム事業の営業利益は2021年3月期及び2022年3月期にコロナ禍の影響を受けた。2023年3月期の営業利益は、システム開発事業が人件費等の先行投資の影響で小幅増益にとどまったが、サポート&サービス事業は順調に伸長、パーキングシステム事業はコロナ禍の影響が和らいで大幅増益となった。

過去6期間(2018年3月期〜2023年3月期)のセグメント別営業利益率の推移を見ると、システム開発事業はプロジェクト管理・品質管理徹底などの施策の成果で、概ね10%を超える水準で安定的に推移している。サポート&サービス事業は、新規受託の大型案件(他社案件からの切り替え受託を含む)で一時的な初期コストが発生した場合に、利益率が低下する(2018年3月期、2020年3月期)が、この一時的な初期コストが一巡して稼働が安定化すると営業利益率が大幅に改善(2019年3月期、2021年3月期、2022年3月期)する傾向がある。

パーキングシステム事業は2020年3月期まで15%前後の高い水準で推移していたが、2021年3月期及び2022年3月期はコロナ禍の影響で売上高が減少したため営業利益率も大幅に低下した。2023年3月期は、機器販売の回復が遅れているものの、コロナ禍影響緩和や一部自営駐輪場における料金改定効果などで駐輪場利用料収入が回復し、管理運営コスト削減などの施策の成果も寄与して営業利益率が大幅に改善した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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