iーplug Research Memo(2):新卒採用のミスマッチを解消する「OfferBox」を運営
[23/06/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:22JST iーplug Research Memo(2):新卒採用のミスマッチを解消する「OfferBox」を運営
■会社概要
1. 会社概要
i-plug<4177>は、「つながりで世界をワクワクさせる」というミッションの下、「生涯のキャリア・ポテンシャルを最大化するためのアクションをあらゆる人が実行できる、プラットフォームを実現する」をビジョンに掲げ、日本の労働市場が直面する急速な労働人口の減少という問題を、企業と求職者のとのマッチングの観点からテクノロジーとプラットフォームビジネスで解決することを目指している。具体的には、就職活動中の学生と求人企業を対象に、企業が採用したいと思える学生に直接アプローチできる新卒オファー型就活サービス「OfferBox」を提供している。また子会社で、(株)イー・ファルコンが適性検査サービス「eF-1G」を展開しているほか、(株)paceboxが2022年8月に稼働を開始した20代、30代向けオファー型転職サービス「PaceBox」を運営している。
新卒求職者と求人企業のミスマッチを背景に、新卒で採用された学生の3割が3年以内に離職すると言われている。現代表取締役CEOである中野智哉(なかのともや)氏は、このようなミスマッチを解消することを目的に、2012年4月、現取締役の田中伸明(たなかのぶあき)氏らとともに兵庫県伊丹市で同社を設立し、新卒紹介事業を開始した。しかし、新卒紹介事業に関するノウハウを十分蓄積できていなかったことや、差別化も十分でなかったことから苦戦し、20営業日で事業継続を断念することとなった。そのような厳しい状況のなか、中野氏がエントリー型リクルーティングサービスの対局に位置するダイレクト型の新卒採用サービスを発案し、「OfferBox」として提供を開始した(2012年10月に学生登録開始、12月にオファー送信開始)。その後、「OfferBox」は同社の成長ドライバーとなり、業容も順調に拡大、2021年3月には東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場した(2022年4月の市場再編に伴ってグロース市場へ移行)。
時代性と有効性を兼ね備えるダイレクト型
2. 事業環境
長期的に穏やかに拡大していると言われている新卒リクルーティングサービスだが、その手法はエントリー型とダイレクト型(オファー型、スカウト型、逆求人型などとも呼ばれる)に大きく分けられる。このうちエントリー型は最も一般的な採用手法で、企業が就職ナビサイトに公開した求人情報を学生が閲覧し、当該求人に対して学生がエントリー、企業がエントリーしてきた学生の中から採用者を選ぶ。大量のエントリーを確保できるメリットがあるため高度成長期などの大規模採用に向いていたが、欲しい人材をピンポイントで採用することが難しいうえ、内定候補の絞り込みにコストがかかる点で時代性に欠けるようになってきた。一方、ダイレクト型は、インターネットや検索機能などの浸透を背景に拡がり、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)をきっかけにエントリー型からのスイッチが進んだ手法で、学生が登録したプロフィール(データベース)に企業がアクセスして採用候補者を選ぶスタイルである。このため、アプローチなど決定に至るまでの工数は多くなるが、企業が求める最適な人材をピンポイントで選ぶことができるというメリットがある。
日本の労働環境は、人口減少や少子高齢化、健康寿命の延伸、社会保障制度の脆弱化などの影響がより鮮明となっており、そのため人材の獲得競争は今後一層激化していくことが予想されている。一方、高齢化のなかで人生100年時代のキャリア形成が必要となってきており、遠くない将来、個人がライフステージを軸に職を選ぶようになっていくことが考えられる。そのため日本にとっても、企業にとっても、個人にとっても、職の「マッチング」の重要性がより高まる時代となってきた。そうしたなかでインターネットや検索技術などを駆使するダイレクトリクルーティングサービスは、人物本位に選ぶことのできる、極めて有効で時代に適した採用手法として認知されるようになってきた。コロナ禍のオンラインニーズによって成長しただけのようにも見えたが、時代性と有効性を兼ね備えているため、今後も成長を続けるのは必至といえ、遠からず人材採用のスタンダードになっていくことが予測されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<SI>
■会社概要
1. 会社概要
i-plug<4177>は、「つながりで世界をワクワクさせる」というミッションの下、「生涯のキャリア・ポテンシャルを最大化するためのアクションをあらゆる人が実行できる、プラットフォームを実現する」をビジョンに掲げ、日本の労働市場が直面する急速な労働人口の減少という問題を、企業と求職者のとのマッチングの観点からテクノロジーとプラットフォームビジネスで解決することを目指している。具体的には、就職活動中の学生と求人企業を対象に、企業が採用したいと思える学生に直接アプローチできる新卒オファー型就活サービス「OfferBox」を提供している。また子会社で、(株)イー・ファルコンが適性検査サービス「eF-1G」を展開しているほか、(株)paceboxが2022年8月に稼働を開始した20代、30代向けオファー型転職サービス「PaceBox」を運営している。
新卒求職者と求人企業のミスマッチを背景に、新卒で採用された学生の3割が3年以内に離職すると言われている。現代表取締役CEOである中野智哉(なかのともや)氏は、このようなミスマッチを解消することを目的に、2012年4月、現取締役の田中伸明(たなかのぶあき)氏らとともに兵庫県伊丹市で同社を設立し、新卒紹介事業を開始した。しかし、新卒紹介事業に関するノウハウを十分蓄積できていなかったことや、差別化も十分でなかったことから苦戦し、20営業日で事業継続を断念することとなった。そのような厳しい状況のなか、中野氏がエントリー型リクルーティングサービスの対局に位置するダイレクト型の新卒採用サービスを発案し、「OfferBox」として提供を開始した(2012年10月に学生登録開始、12月にオファー送信開始)。その後、「OfferBox」は同社の成長ドライバーとなり、業容も順調に拡大、2021年3月には東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場した(2022年4月の市場再編に伴ってグロース市場へ移行)。
時代性と有効性を兼ね備えるダイレクト型
2. 事業環境
長期的に穏やかに拡大していると言われている新卒リクルーティングサービスだが、その手法はエントリー型とダイレクト型(オファー型、スカウト型、逆求人型などとも呼ばれる)に大きく分けられる。このうちエントリー型は最も一般的な採用手法で、企業が就職ナビサイトに公開した求人情報を学生が閲覧し、当該求人に対して学生がエントリー、企業がエントリーしてきた学生の中から採用者を選ぶ。大量のエントリーを確保できるメリットがあるため高度成長期などの大規模採用に向いていたが、欲しい人材をピンポイントで採用することが難しいうえ、内定候補の絞り込みにコストがかかる点で時代性に欠けるようになってきた。一方、ダイレクト型は、インターネットや検索機能などの浸透を背景に拡がり、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)をきっかけにエントリー型からのスイッチが進んだ手法で、学生が登録したプロフィール(データベース)に企業がアクセスして採用候補者を選ぶスタイルである。このため、アプローチなど決定に至るまでの工数は多くなるが、企業が求める最適な人材をピンポイントで選ぶことができるというメリットがある。
日本の労働環境は、人口減少や少子高齢化、健康寿命の延伸、社会保障制度の脆弱化などの影響がより鮮明となっており、そのため人材の獲得競争は今後一層激化していくことが予想されている。一方、高齢化のなかで人生100年時代のキャリア形成が必要となってきており、遠くない将来、個人がライフステージを軸に職を選ぶようになっていくことが考えられる。そのため日本にとっても、企業にとっても、個人にとっても、職の「マッチング」の重要性がより高まる時代となってきた。そうしたなかでインターネットや検索技術などを駆使するダイレクトリクルーティングサービスは、人物本位に選ぶことのできる、極めて有効で時代に適した採用手法として認知されるようになってきた。コロナ禍のオンラインニーズによって成長しただけのようにも見えたが、時代性と有効性を兼ね備えているため、今後も成長を続けるのは必至といえ、遠からず人材採用のスタンダードになっていくことが予測されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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