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テリロジーHD Research Memo(9):中長期的にグループ売上高100億円を目指す

注目トピックス 日本株
*15:39JST テリロジーHD Research Memo(9):中長期的にグループ売上高100億円を目指す
■成長戦略

1. テリロジーグループ新3ヵ年中期経営計画
テリロジーホールディングス<5133>はグループ事業展開の加速やガバナンス強化を通した企業価値向上を目的として、2022年11月に持株会社体制へ移行した。そして、ポストコロナの新しい社会活動や企業活動を見据えて、グループ事業構築の拡充・変革を行っていかなければならない時期に直面していると考え、毎年改定を行うローリング方式としての中期経営計画の目標数値の見直しを行い、新たに「テリロジーグループ新3ヵ年中期経営計画」(2024年3月期〜2026年3月期、毎年改定を行うローリング方式)を策定した。目指す集団像を「自由な発想力、着実な行動力、そして実現力を保有するプロフェッショナルなイノベーション力溢れる企業集団を目指します。」として、目標数値には2024年3月期売上高63億円、営業利益2.4億円、2025年3月期売上高72億円、営業利益3.3億円、2026年3月期売上高82億円、営業利益5.3億円を掲げた。中長期的にはグループ売上高100億円を目指すとしている。

事業環境としては産業のDX化が急速に進むなか、産業構造も大きく変化・進化することを想定している。そして、このデジタル変革期を大きなチャンスと捉え、「安心・安全なデジタルの活用を支えるサイバー・セキュリティ技術の提供」、「簡単で負担を感じないクラウドサービスの提供」、「ログ解析・管理からデータマネジメント技術の提供」を挑戦領域の軸として、国内外の市場を問わず顧客のDX化推進に貢献するとしている。

目標達成に向けての基本戦略・重要施策におけるキーメッセージとしては、(1)グループ連携によるストック型事業モデルへの強化・人材育成、(2)グループ・ポートフォリオ事業の更なる拡充・拡大、(3)グローバルな事業展開を掲げている。顧客が抱える情報システムやセキュリティに関わる現場課題の解決にとどまらず、観光DXや環境DXに関わる社会課題解決など、今後の社会にとって「必要不可欠な新たな課題領域」に向けての意欲的な挑戦も推進する方針だ。そして、事業展開を加速させるための従業員エンゲージメント向上への取組として、2023年4月より従業員の賃金を6%引き上げ、さらに従業員持株会の奨励金付与率を従来の7%から20%に引き上げた。

また同社の直近のM&A・アライアンス戦略として、2022年8月に、セキュリティ事業を中心とした取引拡大と次世代事業開発を目的に、兼松エレクトロニクスと資本業務提携した。2023年2月に、製造業向けDXソリューションなど新規事業領域開拓に向けて、次世代の先進・先端技術を持つ企業を発掘するため、イスラエルのベンチャー投資ファンド「IL Ventures」に出資した。2023年5月に、クラウドセキュリティマネージドサービス提供、OT分野の業界特化型クラウド基盤構築、ソリューション開発を加速させるため、さくらインターネット<3778>の子会社であるアイティーエムと資本業務提携(持分法適用関連会社化)した。2023年6月にはテリロジーワークスが、日本の安全保障に貢献していく目的で2022年に資本業務提携したNCD社の株式を追加取得(出資比率を10.18%に引き上げ)して関係を強化した。そして今後のM&A・アライアンス戦略の基準を明確化し、対象領域をIT技術・専門商社・販売系領域、アジア圏・新興IT系技術商社、セキュリティソリューション領域、クラウド技術領域など、獲得年商規模を1案件あたり5〜10億円の規模感、投資予算規模を約20億円規模とした。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)



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