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クリアル Research Memo(10):第2の成長ステージに向けた事業スキームを整備

注目トピックス 日本株
*14:50JST クリアル Research Memo(10):第2の成長ステージに向けた事業スキームを整備
■中長期の成長戦略

クリアル<2998>は、不動産特定共同事業法に基づく第3号及び第4号事業者としての許可取得を金融庁及び国土交通省へ申請している。これらの許可の取得により、SPCを利用したクラウドファンディングでの案件組成が可能となる。SPCにおいてクラウドファンディングを活用することで、原則的に物件のオフバランス、アップフロント・フィー等の各種手数料の即時売上計上が可能となり、貸借対照表の軽量化、倒産隔離なども実現できる。これによって、投資対象としての適格性が向上し、個人投資家に加えて金融機関や機関投資家による「CREAL」への参画が促進されることが見込まれ、投資主体の幅と投資額が大きく拡大することが期待される。また、借入金によるレバレッジ効果によって「CREAL」の投資家の利回りが向上し、さらには同社の収益の向上も期待できる。

現状では、GMVは調達時点(ファンド成立集時点)の数値として集計・公表される一方で、「CREAL」の売上高及び売上総利益への計上は取引決済時点(物件売却時点)で行われることから、GMVの成約から売上総利益の計上までに多くのファンドで約1年間のタイムラグが生じている。しかし、不動産特定共同事業法に基づく第3号及び第4号事業者としての許可を取得して、SPCの活用が可能となれば、「CREAL」の売上総利益(=GMV×Take Rate)のTake Rateを構成する確定フィー(案件組成手数料、ファンド運用手数料、償還手数料)と変動フィー(ファンドの外部売却時のキャピタルゲインのプロフィット・シェア)のうち、確定フィー部分についてタイムラグがなくなる。

上記を勘案すれば、許可取得決算期の業績は既存スキームで組成され約1年のタイムラグを経て売却とともに計上される確定フィーと、同期中に新スキームにて組成されてタイムラグなく計上される確定フィーが合算された金額が売上総利益に反映されることとなり、非常に大幅な増益となることが予想される。なお、その次の期はタイムラグにより確定フィーが反落することで減益が懸念されるが、SPC活用の本格化による顧客投資家数の増加と、金融機関や機関投資家の参画等による投資金額の拡大がGMVの増加につながり、高成長を持続する計画である。

このように不動産特定共同事業法第3号及び第4号事業者の許可取得は、同社のビジネスモデルを根本から変革し、これまで以上の高成長と高収益を創出する大きな原動力となることが期待される。同社ではSPCを活用した新たな事業スキームの構築を想定した「CREAL」の高成長を今後の経営戦略の中核に位置付け、2026年3月期にGMV600億円、会員数14万人の達成を計画している。また、「CREAL」の高成長を強力に支援し、資産運用の代表的なサービスとしての地位を確立すべく、大手ポイント会社や金融機関との連携やテレビなどのマスメディアを活用したマーケティング、AI、DX等の各種IT投資や新機能のリリースも積極的に行う方針である。

また、同社では会員基盤の拡大、物件の発掘とオペレーション力の強化に加えて、海外での事業展開もにらみ、M&Aについても積極的に検討する方針である。

「CREAL」のこうした取り組みに加えて、前述した「CREAL PB」のDXプラットフォームの継続的進化による成長加速、「CREAL」「CREAL PRO」のさらなるシナジー強化による経営基盤の拡大を推進する計画である。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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