ミロク情報 Research Memo(3):2023年3月期は、営業利益・経常利益は3期ぶりに過去最高を更新
[23/07/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:23JST ミロク情報 Research Memo(3):2023年3月期は、営業利益・経常利益は3期ぶりに過去最高を更新
■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
ミロク情報サービス<9928>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の41,461百万円、営業利益で同27.0%増の6,084百万円、経常利益で同22.4%増の5,839百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同16.6%減の3,767百万円といずれも期初会社計画を大幅に上回る好決算となり、売上高、営業利益、経常利益ともに過去最高を更新した。
なお、昨年10月31日に通期業績予想を上方修正しており、同予想値を若干上回って着地した。
活発なIT投資を背景にERP製品の販売が企業向け、会計事務所向けともに好調に推移し、システム導入契約売上高が前期比16.8%増となったほか、ストック型ビジネスとなるサービス収入もERP製品の一部サブスクリプション契約での提供やクラウドサービスの拡販により同9.6%増と順調に拡大した。システム導入契約売上高の先行指標となる受注残月数※(単体)は、期首比で0.60ヶ月減の5.73ヶ月と減少に転じたが、受注売上以上に計上売上が好調だったためで、想定の範囲内の動きとなった。2023年3月時点における主力ERP製品のサブスク提供件数は前年同期比93.6%増の2,059件、ARRは同126.1%増の15.8億円と急成長し、主力ERP製品の売上高に占めるサブスク契約の売上比率は18.0%を占めた。サブスク契約分の売上高は月額按分で2024年3月期以降も繰延計上されるため、売切り型で販売する場合と比較して、当該年度の収益は目減りすることになる。2023年3月期にサブスク契約で販売した案件をすべて売切り型で販売した場合と比較すると、売上高および営業利益で約18億円の影響があったと同社では試算している。
※受注残月数=受注残高÷当該年度の月平均のシステム導入契約売上高計画
利益面では、新製品発売による減価償却費の増加(前期比820百万円増)やのれん償却額の増加(同343百万円増)、販促費の増加(同405百万円増)に加えて、人員体制の強化(新卒社員83名等)や給与ベースアップに伴う人件費の増加等により売上原価並びに販管費が増加したものの増収効果により吸収し、営業利益率は前期の13.1%から14.7%に上昇した。営業外収支が持分法投資損失328百万円※を計上したことで若干悪化したほか、前期に特別利益として計上した関係会社株式売却益2,087百万円がなくなったため、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となった。期初計画ではERP製品の売上高をサブスク・クラウドサービスへの移行が進むなかで保守的に見積もっていたが、新製品へのリプレース需要や新規顧客の開拓が順調に進んだことで、売上高、各利益ともに計画を上回る結果となった。売切り型(フロー型)からサブスク・クラウドサービス型(ストック型)へのビジネスモデルの転換期には、業績が一時的に落ち込むケースも多いが、そのなかで2ケタ増収増益となり業績を伸ばしている点は評価される。なお、2023年3月末の連結従業員数は前期比93名増加の2,028名となった。
※持分法適用関連会社1社に係るのれん相当額について、取得時の事業計画において想定していた超過収益力が見込まれなくなったため、当該のれん相当額の未償却残高303百万円を一時償却したことが主因。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
ミロク情報サービス<9928>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の41,461百万円、営業利益で同27.0%増の6,084百万円、経常利益で同22.4%増の5,839百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同16.6%減の3,767百万円といずれも期初会社計画を大幅に上回る好決算となり、売上高、営業利益、経常利益ともに過去最高を更新した。
なお、昨年10月31日に通期業績予想を上方修正しており、同予想値を若干上回って着地した。
活発なIT投資を背景にERP製品の販売が企業向け、会計事務所向けともに好調に推移し、システム導入契約売上高が前期比16.8%増となったほか、ストック型ビジネスとなるサービス収入もERP製品の一部サブスクリプション契約での提供やクラウドサービスの拡販により同9.6%増と順調に拡大した。システム導入契約売上高の先行指標となる受注残月数※(単体)は、期首比で0.60ヶ月減の5.73ヶ月と減少に転じたが、受注売上以上に計上売上が好調だったためで、想定の範囲内の動きとなった。2023年3月時点における主力ERP製品のサブスク提供件数は前年同期比93.6%増の2,059件、ARRは同126.1%増の15.8億円と急成長し、主力ERP製品の売上高に占めるサブスク契約の売上比率は18.0%を占めた。サブスク契約分の売上高は月額按分で2024年3月期以降も繰延計上されるため、売切り型で販売する場合と比較して、当該年度の収益は目減りすることになる。2023年3月期にサブスク契約で販売した案件をすべて売切り型で販売した場合と比較すると、売上高および営業利益で約18億円の影響があったと同社では試算している。
※受注残月数=受注残高÷当該年度の月平均のシステム導入契約売上高計画
利益面では、新製品発売による減価償却費の増加(前期比820百万円増)やのれん償却額の増加(同343百万円増)、販促費の増加(同405百万円増)に加えて、人員体制の強化(新卒社員83名等)や給与ベースアップに伴う人件費の増加等により売上原価並びに販管費が増加したものの増収効果により吸収し、営業利益率は前期の13.1%から14.7%に上昇した。営業外収支が持分法投資損失328百万円※を計上したことで若干悪化したほか、前期に特別利益として計上した関係会社株式売却益2,087百万円がなくなったため、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となった。期初計画ではERP製品の売上高をサブスク・クラウドサービスへの移行が進むなかで保守的に見積もっていたが、新製品へのリプレース需要や新規顧客の開拓が順調に進んだことで、売上高、各利益ともに計画を上回る結果となった。売切り型(フロー型)からサブスク・クラウドサービス型(ストック型)へのビジネスモデルの転換期には、業績が一時的に落ち込むケースも多いが、そのなかで2ケタ増収増益となり業績を伸ばしている点は評価される。なお、2023年3月末の連結従業員数は前期比93名増加の2,028名となった。
※持分法適用関連会社1社に係るのれん相当額について、取得時の事業計画において想定していた超過収益力が見込まれなくなったため、当該のれん相当額の未償却残高303百万円を一時償却したことが主因。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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