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極東貿易 Research Memo(6):3事業部門いずれも堅調に推移する見通し。新たな成長軌道へ乗る準備整う

注目トピックス 日本株
*12:26JST 極東貿易 Research Memo(6):3事業部門いずれも堅調に推移する見通し。新たな成長軌道へ乗る準備整う
■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
極東貿易<8093>の2024年3月期の連結業績は、売上高は前期比7.8%増の46,000百万円、営業利益は同4.9%増の1,050百万円、経常利益は同11.4%減の1,350百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同8.1%増の1,100百万円を見込んでいる。

産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門とも受注見通しは堅調であるものの、営業利益は売上高と比べて堅実な数値となっている。同社は「2023年3月期の営業利益が良すぎたので慎重に見ている」と言う。2024年3月期の業績計画は堅めの数値であり、事業環境により上振れる可能性は高いと弊社は見ている。

2. 事業セグメント別見通し
(1) 産業設備関連部門
売上高は前期比14.2%増の13,237百万円、売上総利益は同8.5%増の3,123百万円と、増収増益の見込みである。産業インフラ関連事業では国内基幹産業向け(鉄鋼、化学など)が回復基調にあり、インド事業も好調である。また、地震計事業(2023年3月期より事業承継により連結子会社の日本システム工業で地震計の生産開始)は後継機の開発などで事業が本格化する見込みである。資源・計測関連事業では、前期に本格的に立ち上げた洋上風力発電関連事業が好調で、海洋資源探査等の業界が回復し、自動車検査装置事業も安定的に推移する見込みである。

基幹事業である産業設備関連部門の業績は長らく低迷していたが、2023年3月期で底を打ったと見られる。同社でも産業インフラ関連事業及び資源・計測関連事業とも業績のプラス材料が多く、全体的に伸びていくと予想している。

(2) 産業素材関連部門
売上高は前期比9.6%増の14,291百万円、売上総利益は同5.1%増の2,127百万円と、おおむね堅調に推移する見込みである。機能素材関連事業では、主力の自動車業界向け樹脂・塗料が緩やかに回復する見通しである。炭素繊維副資材関連は北米、中国の炭素繊維メーカーに対して、炭素繊維の化学品・化学薬品など原材料を提供している。炭素繊維の海外市場は日本市場の数十倍と大きく、市場は現在主力の航空機市場から新市場(EV、風車ブレード、液体水素貯蔵用タンクなど)まで幅広く、高い成長が期待される。同社では、国内、欧米向け市場をターゲットに事業を積極的に展開し、2025年3月期以降の売上貢献を見込んでいる。

(3) 機械部品関連部門
売上高は前期比2.5%増の18,472百万円、売上総利益は同1.3%増の4,050百万円と、好調が続く見込みである。ねじ関連事業は、建機向けは引き続き好調で、産機向け・車載向けも高水準の受注をキープしている。同社によるとさらに上振れの可能性もあるようだ。ばね関連事業は、定荷重ばねにおいて海外向け市場開拓や用途開発を積極的に進めるも、主力の自動車向けは低調に推移する見込みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)



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