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極東貿易 Research Memo(11):資本効率性と株主還元策を両立した巧みな資本戦略

注目トピックス 日本株
*12:31JST 極東貿易 Research Memo(11):資本効率性と株主還元策を両立した巧みな資本戦略
■中期経営計画と成長戦略

(3) 株主価値に資する資本政策の実行
株主価値・企業価値向上のためには、営業利益を1,000百万円近くまで回復させたうえで、資本効率性を高めることがカギとなる。中期経営計画では、2026年3月期の経営目標であるROE8%達成に向けて必要な成長投資(投資枠50億円等)を実行する一方で、自己資本を積み増さず資本効率性の向上を図る方針を掲げている。事業を推進するうえでの資金に余力があるためである。さらに、積極的な株主還元策を推進する。具体的には、2024年3月期までは当期純利益をすべて配当金に分配(配当性向100%)するという積極的な株主還元策を進める。

極東貿易<8093>では、機関投資家向け決算説明会(2023年5月26日開催)において、資本コストを開示した。「2023年3月期の株主資本コスト6.8%、加重平均資本コスト(WACC)5.8%」という情報開示に対して、投資家等の反応は、総じて肯定的評価のようである。今後は、この資本コストをベースに投資判断や事業ポートフォリオ戦略を進出することが望まれる。

プライム市場維持については、移行基準日(2021年6月30日)に「流通株式時価総額」基準にわずかに及ばず適合計画書に基づき改善してきた結果、2022年4月より現時点まで上場維持基準をクリアした。同社は、2023年5月開催の機関投資家向け決算説明会にて、引き続き「プライム上場企業に相応しい企業価値の維持・向上に務める」と述べた。

(4) パラダイムシフトのなかで「想像」し「創造」できる人材を育成
同社の企業成長を担う社員の育成を着実に進めるべく、中長期的な視野で人材投資を行うとともに、社員が活躍できる環境整備を積極的に進めている。技術商社では「想像」し「創造」できる人材、言い換えると「自らアイデアを出し、自走できる人材」が必要不可欠と同社は考えている。人材育成にあたり、2024年3月期は以下の2点を推進する。

・創造性を生み出しやすい企業文化の構築を目指し、若手中心に様々な研修プログラムを実施予定
・多様性のある採用などダイバーシティを推進。創造性と柔軟性に富んだ人材育成を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)



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