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ブリッジ Research Memo(8):インサイドセールスに新たなビジネスチャンスが発生(2)

注目トピックス 日本株
*15:38JST ブリッジ Research Memo(8):インサイドセールスに新たなビジネスチャンスが発生(2)
■ブリッジインターナショナル<7039>の業績動向

2. サービス別業績
セグメント別売上高比率は2022年12月期第2四半期のインサイドセールス事業68.0%、研修事業32.0%から、2023年12月期第2四半期においてはインサイドセールス事業が66.9%に低下し、研修事業が33.1%に上昇した。インサイドセールス事業では、ストックビジネスの特性からアウトソーシングサービスが売上高の9割程度を占めていたが、研修事業が成長した。

(1) インサイドセールス事業
インサイドセールス事業の売上高は2,392百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は277百万円(同13.3%減)となった。主要サービスであるアウトソーシングセールスの売上高は2,110百万円(同0.1%減)と前年同期並みであった。これは前年同期に約2億円の大型スポット案件があったことによる反動で、実質的には10%程度の伸び率を確保した。1年超継続的に売上を計上しているストック案件の顧客社数と売上高が拡大したほか、収益獲得余地の大きい金融系の新規顧客を前年同期より2社増やし、将来のストック案件を積み上げた。

インサイドセールスを内製化したいという企業のニーズも高まってきており、戦略の立案、業務の設計・立ち上げ、システム導入・定着化支援などのコンサルティングサービスと、インサイドセールス活動の開始に合わせて必要となるCRM※1/SFA※2システムの構築・保守などのシステムソリューションサービスの売上高は、合計で226百万円(前年同期比16.0%増)と順調に推移した。インサイドセールス事業の通期予想に対する進捗率は45.1%だが、同社によれば、当初より下期にインサイドセールス事業の売上伸長を想定しており、すぐにキャッチアップする見通しである。

※1 CRM:Customer Relationship Managementの略。企業内でその顧客の属性やコンタクト履歴を記録・管理することにより、それぞれの顧客に応じた対応を可能にし、顧客満足度を向上させる取り組みを行うための情報システムを指す。
※2 SFA:Sales Force Automationの略。顧客管理、案件管理、営業行動管理、売上の管理・予測、営業データの蓄積・ 分析などの機能を備えた営業支援システム。営業情報の共有、営業プロセスの見える化、標準化などが可能であり、CRMやMA(マーケティングオートメーション)との連携も可能。


利益面では、前年同期の大型スポット案件の利益が剥落したこと、社内のDX投資、マーケティング投資、人材投資を進めたことにより、セグメント利益は減益となった。利益率は11.6%となり同2.0ポイント低下したが、同社では投資が先行することを当初より見込んでおり想定どおりである。通期予想に対する進捗率は売上高進捗率と同じ45.1%だが、売上高のキャッチアップにより通期予想の利益は達成できるものと、弊社では考えている。

(2) 研修事業
研修事業の売上高は1,184百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント利益は195百万円(同14.4%減)となった。コロナ禍で控えていた新入社員の採用が復調し、第2四半期の売上高の5割超を占める新人研修の売上高が673百万円(同10.9%増)となった。経済産業省が示すデジタルスキル標準ver1.0に対応したDX推進研修マップを整備し、リスキリングにおいて需要の高いビジネススキルとデジタルスキルの双方を兼ね備えるDX人材の育成プログラム・コンテンツを拡充したことで、新人研修以外のビジネス・IT・DX研修の売上も512百万円(同2.2%増)と堅調に推移した。なかでもビジネス研修の売上は、「ChatGPT活用術」「全てのビジネスパーソンのためのプロジェクトマネジメント」「演習で磨くプロジェクトマネジメント」などの新しいコースを積極的に導入したAI・プロジェクトマネジメント系の研修がけん引し、同27%増と伸長した。研修事業の通期予想に対する進捗率は50.3%と計画どおりに推移した。

利益面では、人材投資やDX投資などの先行投資によりセグメント利益は前年同期比14.4%減少した。利益率も16.5%と同4.1ポイント低下したが、価格改定、不採算プログラムの閉鎖、内部講師の活用など効率的な原価コントロールにより、同社が想定した利益率を上回り、通期予想に対する進捗率は60.0%と順調に推移した。

また、顧客企業ごとの研修要件を受けてカスタマイズして提供する受託提供型の「カスタマイズ研修」は同8%増、公募型でホームページ上において定型的な研修コースの開催を告知し複数の企業が参加する「公開研修」は同6%増と、それぞれ順調に拡大した。オンライン研修が定着するなか、ITスキル、ビジネススキル、プロジェクトマネジメントなどの様々な研修セミナーの需要は今後の増加が見込まれると、弊社では考えている。

同社資料によると、研修事業が属する企業向け研修市場の2022年度市場規模予測は、オンライン研修などのコロナ禍に対応した研修サービスが新たな需要を創出し、5,320億円にまで成長すると推計されていた。2023年以降もDX推進人材を対象とした研修や、企業のリスキリング強化の需要の高まりによって、コロナ禍前以上のマーケットに拡大すると予測されている。

同社グループの研修事業については、主に国内のIT事業者・システムインテグレーター企業の新入社員向け研修を請け負っているため、毎年顧客企業が新卒社員を迎え入れる4〜6月期に売上及び利益が集中する傾向がある。ただし、前述のとおりビジネス・DX・IT研修などのカテゴリーが増えることで平準化が図られており、引き続き利益成長をけん引すると弊社では考えている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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