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ブリッジ Research Memo(9):インサイドセールス事業、研修事業ともに2ケタ成長を見込む

注目トピックス 日本株
*15:39JST ブリッジ Research Memo(9):インサイドセールス事業、研修事業ともに2ケタ成長を見込む
■今後の見通し

1. 2023年12月期業績見通し
ブリッジインターナショナル<7039>の2023年12月期業績は、売上高7,662百万円(前期比14.2%増)、営業利益939百万円(同6.6%増)、経常利益939百万円(同5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益629百万円(同5.9%増)と、期初計画を据え置いている。通期予想に対する第2四半期の売上高の進捗率は、インサイドセールス事業の遅れにより46.7%となった。当初より下期にインサイドセールス事業の売上伸長を想定しており、キャッチアップは可能な範囲であると同社は考えている。営業利益はインサイドセールス事業の進捗率が売上高進捗率と同水準で遅れ気味であるが、研修事業の進捗率は60.0%と順調だ。今後インサイドセールス事業の売上高がキャッチアップすれば計画を上回る利益の確保が期待できる。なお、人材確保の強化やシステム投資などの先行投資は当初計画どおり継続的に進める予定である。増収効果でカバーする予定であるものの、通期の営業利益率は第2四半期を下回る12.3%を計画している。

新たな生活様式による時代の流れを受けて、リモートによる営業活動への期待値は高まり、インサイドセールスは近年多くのBtoB企業が導入を進め、スタンダードな営業スタイルとして定着しつつある。そのなかでインサイドセールスの内製化ニーズも増えてきており、安定的なストックビジネスであるアウトソーシングサービス以外のコンサルティング、システムソリューション、研修の各サービスの成長も期待される。同社では、2023年7月に新しくイノベーション推進部を設置した。グループが保有するそれらの各サービスに横串を通して、顧客のインサイドセールスに関わるすべてのニーズにワンストップで応える営業体制を整え、成長を加速する計画だ。

アウトソーシングから内製に切り替えたいという企業のニーズに対しては、単純にアウトソーシングを止めるのではなく、内製+アウトソーシングという形で顧客と協業するケースや、インバウンドだけのコールセンターをアウトバウンド型のセンターへ内製+アウトソーシングするという協業、レベニューシェアを行う形へ転換するようなモデルなど、同社のリソースを生かした形でインサイドセールス事業を展開していく。

企業向け研修サービスは、引き続きIT事業者のエンジニア人材育成の研修コンテンツを維持・拡充するほか、リスキリング需要に対応した非エンジニア人材向けの研修コンテンツを強化することで、IT事業者のエンジニア以外の新たな顧客獲得・拡大を図る。特にAIやChatGPT関連はニーズが高く、2023年6月よりビジネスパーソン向けにChatGPTの実用的な活用を支援する研修コースをリリースした。今後は受講者のレベルに合わせたコースの新設、内容や講師の変更などにより研修の品揃えの拡充を進めており、順次リリースする計画だ。

2.トピック
2023年10月に、前年に株式の10%を取得していたマレーシアのTK International Sdn.Bhd.(以下、TKインターナショナル)を100%子会社化する予定である。TKインターナショナルは、マレーシアを拠点に ASEAN 地域に進出する日系企業の販路開拓を支援するため、マーケティング支援や IT サービス事業を展開。顧客のASEAN 事業モデル構築フェーズから事業展開・拡大フェーズまでを広くカバーし、創立以来延べ 100 社以上の事業進出と成長のサポート実績を有する。

TK インターナショナルは MD ステータス※(旧名:MSC ステータス)を取得しており、マレーシア国内における外国人の採用において優位性がある。このためデジタルマーケティング人材の確保やCRMシステム開発のためのオフショア拠点の確保、同社グループの顧客のアジア本社機能への展開拠点の確保が可能となる。現在の売上高は1億円弱で、利益も小さいため当面非連結となるが、同社初の海外拠点であり、同社の成長戦略を担うことが期待される。

※MDステータス:マレーシア政府は、マレーシア国内の企業、人材、投資の分野において、デジタル経済の拡大を国家戦略として掲げおり、その主導的な役割を果たす企業にはMalaysia Digital Status(MD ステータス)を付与し、経済的な支援や優遇措置を提供している。TKインターナショナルは 2016 年からMD ステータス(当時の名称でMSC ステータス)の認可を受けており、管轄機関であるMDEC(マレーシアデジタルエコノミー公社)とも継続的に連携している。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)



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