大幸薬品 Research Memo(1):2023年12月期第2四半期は、医薬品事業が牽引し増収
[23/09/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*14:11JST 大幸薬品 Research Memo(1):2023年12月期第2四半期は、医薬品事業が牽引し増収
■業績動向
大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。
2023年12月期第2四半期は、売上高が2,488百万円(前年同期比34.0%増)、営業損失が396百万円(前年同期は2,417百万円の損失)、経常損失が510百万円(同2,515百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が514百万円(同2,798百万円の損失)となり、大幅な業績の改善が見られた。
売上高に関しては、医薬品事業(国内、海外)が2,115百万円(前年同期比42.2%増)、感染管理事業が370百万円(同1.4%増)と医薬品事業が増収をけん引した。そのうち国内医薬品事業の売上高は、堅調な需要と他社製品の欠品の影響もあり、1,702百万円(同31.9%増)と大幅増収となった。主力製品である「正露丸」及び「正露丸クイックC」が大きく伸びた。国内止瀉薬市場は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)以前を上回る水準に回復しており、安定供給体制が整えば成長が可能な状況にある。同社のシェアは45.8%(2023年4月〜6月)であり、供給力の向上に伴いシェア回復傾向にある。海外医薬品事業の売上高は412百万円(同109.7%増)と倍増した。主力地域(中国、香港、台湾)での需要は旺盛であり、流通在庫は品薄となっており、まだ十分な供給量に至っていない。感染管理事業の売上高は伸び悩んだ。例年上期は需要期ではないが、前期に受けた措置命令や新型コロナウイルス感染症の5類移行などの影響により需要が低水準で推移した。
売上総利益は、医薬品事業の増収のほか、感染管理事業で前期の棚卸資産評価損や措置命令に伴う返品が改善したことにより増益となった。販管費に関しては、前期に実施した希望退職等による人件費減(前期比224百万円減)、運送費(在庫保管料含む、同143百万円減)、広告宣伝費(同126百万円減)等の構造改革が進捗し、販管費全体で同793百万円の減少となった。結果として、営業損失は同2,021百万円縮小し、396百万円の損失計上となった。セグメント利益では医薬品事業が514百万円の利益(前年同期は117百万円の損失)、感染管理事業は407百万円の損失(同1,643百万円の損失)だった。なお、感染管理事業の操業停止関連費用の影響(145百万円)が営業外費用として計上された。全体的に計画より若干進捗は下回っている状況である。構造改革の進捗や医薬品需要の回復など一定の成果も見えてきているため、今後の業績回復に期待したい。
財務基盤に関しては、安全性を維持している。流動比率294.8%(2023年12月期第2四半期末)は安全性の目安となる200%を超えており、自己資本比率58.7%(同)も高い水準である。有利子負債(3,169百万円)は、現金及び預金(4,782百万円)と比較しても抑制されている。上期には、安定的かつ持続的な成長と財務基盤の強化を目的としたエクイティファイナンスを実施し(2023年3月発表)、新株予約権行使による収入が1,425百万円計上された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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■業績動向
大幸薬品<4574>は、「正露丸」「セイロガン糖衣A」を中心とする医薬品事業と、ウイルス除去・除菌・消臭製品「クレベリン」シリーズを中心とした感染管理事業を展開している。
2023年12月期第2四半期は、売上高が2,488百万円(前年同期比34.0%増)、営業損失が396百万円(前年同期は2,417百万円の損失)、経常損失が510百万円(同2,515百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が514百万円(同2,798百万円の損失)となり、大幅な業績の改善が見られた。
売上高に関しては、医薬品事業(国内、海外)が2,115百万円(前年同期比42.2%増)、感染管理事業が370百万円(同1.4%増)と医薬品事業が増収をけん引した。そのうち国内医薬品事業の売上高は、堅調な需要と他社製品の欠品の影響もあり、1,702百万円(同31.9%増)と大幅増収となった。主力製品である「正露丸」及び「正露丸クイックC」が大きく伸びた。国内止瀉薬市場は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)以前を上回る水準に回復しており、安定供給体制が整えば成長が可能な状況にある。同社のシェアは45.8%(2023年4月〜6月)であり、供給力の向上に伴いシェア回復傾向にある。海外医薬品事業の売上高は412百万円(同109.7%増)と倍増した。主力地域(中国、香港、台湾)での需要は旺盛であり、流通在庫は品薄となっており、まだ十分な供給量に至っていない。感染管理事業の売上高は伸び悩んだ。例年上期は需要期ではないが、前期に受けた措置命令や新型コロナウイルス感染症の5類移行などの影響により需要が低水準で推移した。
売上総利益は、医薬品事業の増収のほか、感染管理事業で前期の棚卸資産評価損や措置命令に伴う返品が改善したことにより増益となった。販管費に関しては、前期に実施した希望退職等による人件費減(前期比224百万円減)、運送費(在庫保管料含む、同143百万円減)、広告宣伝費(同126百万円減)等の構造改革が進捗し、販管費全体で同793百万円の減少となった。結果として、営業損失は同2,021百万円縮小し、396百万円の損失計上となった。セグメント利益では医薬品事業が514百万円の利益(前年同期は117百万円の損失)、感染管理事業は407百万円の損失(同1,643百万円の損失)だった。なお、感染管理事業の操業停止関連費用の影響(145百万円)が営業外費用として計上された。全体的に計画より若干進捗は下回っている状況である。構造改革の進捗や医薬品需要の回復など一定の成果も見えてきているため、今後の業績回復に期待したい。
財務基盤に関しては、安全性を維持している。流動比率294.8%(2023年12月期第2四半期末)は安全性の目安となる200%を超えており、自己資本比率58.7%(同)も高い水準である。有利子負債(3,169百万円)は、現金及び預金(4,782百万円)と比較しても抑制されている。上期には、安定的かつ持続的な成長と財務基盤の強化を目的としたエクイティファイナンスを実施し(2023年3月発表)、新株予約権行使による収入が1,425百万円計上された。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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