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大幸薬品 Research Memo(2):2023年12月期業績は3期ぶりの黒字化達成を予想(期初予想どおり)

注目トピックス 日本株
*14:12JST 大幸薬品 Research Memo(2):2023年12月期業績は3期ぶりの黒字化達成を予想(期初予想どおり)
■今後の見通し

大幸薬品<4574>の2023年12月期通期の業績は、売上高で7,900百万円(前期比56.7%増)、営業利益で532百万円(前期は3,079百万円の損失)、経常利益で60百万円(同3,352百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で50百万円(同4,895百万円の損失)を予想する。医薬品事業、感染管理事業ともに業績を伸ばし、前期までの2期連続の赤字計上から回復し、黒字化を達成する予想である(期初予想どおり)。

医薬品事業の売上高は5,640百万円(前期比55.6%増)と大幅増を予想する。国内では、コロナ禍前の需要に回復しつつある市場動向に加え、当期の供給不足や他社製品欠品の影響に伴う流通在庫の枯渇、インバウンド関連需要の回復もプラス要因となる。このような環境の下、生産体制を強化し、市場への安定供給を行うとともに新規ユーザーの拡大策も実行する計画である。海外でも、主力の中国や香港、台湾市場において需要が回復傾向であり、供給体制が整えば成長が可能である。なお、医薬品事業の予想売上高5,640百万円は、コロナ禍前の2019年12月期と同水準(同期比101.0%)である。上期を終えた進捗率は37.5%とやや遅れているが、下期には供給力をさらに向上させる計画であり、香港・中国向けの値上げ(7月分から約20%アップ)なども貢献し十分に目標達成の可能性がある。

感染管理事業の売上高は前期比60.1%増の2,254百万円を予想する。国内一般用製品については、前期の反省を踏まえ「クレベリン」の信頼醸成を図るため、二酸化塩素の有効性や安全性に関する情報発信を強化する。2023年秋冬の需要期に向けては、本格的にプロモーションを再開し、前年下期の約3倍(2.7億円+α)の広告・販促予算を投入する計画である。海外向けについては、営業・マーケティングを強化している中国・台湾を中心にさらなる売上増加を目指し、市場に合わせた新製品の投入等を行う。なお、感染管理事業の予想売上高2,254百万円は、コロナ禍前の2020年3月期の24.2%である。前期は返品影響(約7億円)があったが、下期はこの影響がなくなるため、売上高を上げやすい状況にある。上期を終えた進捗率は16.4%となるが、下期に積極的に広告・販促投資を行い、エビデンスの表示・訴求を強化するなど「クレベリン」ブランドの強化策も実施し、目標達成を目指す。

売上総利益に関しては、感染管理事業における多額の返品や棚卸資産の評価損等がなくなることから売上総利益率は大きく改善する見込みである。販管費に関しては、構造改革を継続して進めることにより前期に近い水準を見込む。結果として、営業利益では前期から3,611百万円改善し、532 百万円と黒字化を達成する予想である。弊社では、1) 医薬品事業の事業環境がコロナ禍以前を上回る状況において供給力を増やせるか、2) 今年の秋冬商戦においてクレベリンの需要が計画どおり増加するか、の2点が通期の業績を左右する最大のポイントであると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)



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