ブランジスタ Research Memo(7):一気に収益けん引役となったプロモーション支援事業
[23/12/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*15:37JST ブランジスタ Research Memo(7):一気に収益けん引役となったプロモーション支援事業
■ブランジスタ<6176>の業績動向
2. セグメント別の業績動向
2023年9月期のセグメント別の業績※は、プロモーション支援事業が売上高で1,073百万円、セグメント利益368百万円、メディア事業が売上高2,258百万円(前期比5.7%増)、セグメント利益214百万円(同4.4%増)、ソリューション事業が売上高970百万円(同5.0%減)、セグメント利益159百万円(同7.1%増)となった。また、プロモーション支援事業がセグメント利益の構成比で45%を占めるなど一気に収益をけん引する事業に成長し、メディア事業ではプロモーション支援事業への人員異動を行ったものの、自治体とのタイアップ広告の契約額・公開数が3年連続で過去最高を更新するなど、メディア事業とソリューション事業も堅調といえる業績内容だった。
※プロモーション支援事業は前期実績がないため前期比増減を示していない。売上高、セグメント利益ともに連結調整前数値。
(1) プロモーション支援事業
プロモーション支援事業は、「アクセルジャパン」が事業開始初年度から非常に多くの企業が興味を示し、2023年9月期は205件という契約企業社数を確保することができた。この要因は、前述した「アクセルジャパン」の強みに加え、立ち上げ段階からメディア事業やソリューション事業で培ったノウハウや、キャスティング力、クリエイティブ力、プッシュ型提案営業といった強みを使えたことにあると思われる。これにより契約企業数の伸びにつながっただけでなく、早い時期に経済産業省・中小企業庁に採用されることとなった。中小企業庁では、全国の中小企業への広報として公式サイト内の動画やポスター、チラシなどにアンバサダー契約した有名タレントを使用してもらっているが、中小企業庁に採用されたことで「アクセルジャパン」自体の認知が全国の中小企業に広がるとともに、ほかの政府・自治体や大企業からも注目を集めることになり、同社の事業拡大にとって強い追い風になったということができる。なお、ウェブ広告からのリードが多いことや、大企業の期間限定キャンペーンでの活用、ふるさと納税のPRツールとして自治体に活用されている現状からターゲットの業種・業態が格段に広いことが特徴だ。
「アクセルジャパン」の提供素材の制作原価(撮影費や素材制作費など)は、年に1回だけ発生し、計上は有名タレントとの契約期間に応じて按分計上される。アンバサダーである有名タレントへの報酬は、固定部分と採用社数によって決まる変動費部分がある。ほかの固定費はリード(見込み客)向け広告などの広告宣伝費と人件費程度しかなく、利益面では非常に好採算な事業ということができる。リード向け広告費については、第1四半期に事業開始に伴う記者発表イベントや広告を実施するなどのプロモーションを行ったことでやや膨らんだ模様だが、同社の強みを集結させた結果、垂直立ち上げが実現した。この結果、セグメント利益率が34.3%と、同社事業のなかで最も高くなっている点は強く評価したい。なお、契約社数が好調に推移しているため、より広い顧客の確保に向けて期中でアンバサダーを追加した。
(2) メディア事業
メディア事業は、インバウンドを含めた観光・外食需要の回復を背景に、「旅色」の広告掲載数が増加した。特に自治体に対しては、「旅色 FO-CAL」で観光・ふるさと納税・移住定住といったテーマをもって1,600の自治体にコンタクトしてきたこともあり、タイアップ広告の公開数が43件(前期39件)と3年連続で過去最高を更新することができた。さらに、地域活性化への貢献を強化するため、台湾の高速道路にある清水(チンスイ)サービスエリアを運営しているNEXCO中日本のグループ会社で台湾現地法人の艾客思國際股フン有限公司と業務提携を結んだ。清水SAは日本への旅行や日本食が人気な台湾の方へ向けて、「和」をテーマにした食と文化を発信しているため、今回の業務提携で自治体や企業などがこの空間を活用したPRイベントを実施できるようになった。第一弾は和歌山県湯浅町と、スーツケースの「プロテカ」やアルミニウム合金製のハードケース「ゼロハリバートン」を展開する日本の総合バッグメーカーのエース株式会社のイベントを実施した。なお、2023年9月期は「アクセルジャパン」への人員拠出を行ったため営業人員が一時的に減少したが、売上高、セグメント利益の前期比は堅調に推移し、自治体タイアップは、3年連続で過去最高契約額、公開数を更新した。
(3) ソリューション事業
ソリューション事業は、EC市場がコロナ禍で激化している状況から通販サービスの縮小により売上高は減少したが、広告宣伝費等の販管費が減少したことでセグメント利益は増益を達成することができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
■ブランジスタ<6176>の業績動向
2. セグメント別の業績動向
2023年9月期のセグメント別の業績※は、プロモーション支援事業が売上高で1,073百万円、セグメント利益368百万円、メディア事業が売上高2,258百万円(前期比5.7%増)、セグメント利益214百万円(同4.4%増)、ソリューション事業が売上高970百万円(同5.0%減)、セグメント利益159百万円(同7.1%増)となった。また、プロモーション支援事業がセグメント利益の構成比で45%を占めるなど一気に収益をけん引する事業に成長し、メディア事業ではプロモーション支援事業への人員異動を行ったものの、自治体とのタイアップ広告の契約額・公開数が3年連続で過去最高を更新するなど、メディア事業とソリューション事業も堅調といえる業績内容だった。
※プロモーション支援事業は前期実績がないため前期比増減を示していない。売上高、セグメント利益ともに連結調整前数値。
(1) プロモーション支援事業
プロモーション支援事業は、「アクセルジャパン」が事業開始初年度から非常に多くの企業が興味を示し、2023年9月期は205件という契約企業社数を確保することができた。この要因は、前述した「アクセルジャパン」の強みに加え、立ち上げ段階からメディア事業やソリューション事業で培ったノウハウや、キャスティング力、クリエイティブ力、プッシュ型提案営業といった強みを使えたことにあると思われる。これにより契約企業数の伸びにつながっただけでなく、早い時期に経済産業省・中小企業庁に採用されることとなった。中小企業庁では、全国の中小企業への広報として公式サイト内の動画やポスター、チラシなどにアンバサダー契約した有名タレントを使用してもらっているが、中小企業庁に採用されたことで「アクセルジャパン」自体の認知が全国の中小企業に広がるとともに、ほかの政府・自治体や大企業からも注目を集めることになり、同社の事業拡大にとって強い追い風になったということができる。なお、ウェブ広告からのリードが多いことや、大企業の期間限定キャンペーンでの活用、ふるさと納税のPRツールとして自治体に活用されている現状からターゲットの業種・業態が格段に広いことが特徴だ。
「アクセルジャパン」の提供素材の制作原価(撮影費や素材制作費など)は、年に1回だけ発生し、計上は有名タレントとの契約期間に応じて按分計上される。アンバサダーである有名タレントへの報酬は、固定部分と採用社数によって決まる変動費部分がある。ほかの固定費はリード(見込み客)向け広告などの広告宣伝費と人件費程度しかなく、利益面では非常に好採算な事業ということができる。リード向け広告費については、第1四半期に事業開始に伴う記者発表イベントや広告を実施するなどのプロモーションを行ったことでやや膨らんだ模様だが、同社の強みを集結させた結果、垂直立ち上げが実現した。この結果、セグメント利益率が34.3%と、同社事業のなかで最も高くなっている点は強く評価したい。なお、契約社数が好調に推移しているため、より広い顧客の確保に向けて期中でアンバサダーを追加した。
(2) メディア事業
メディア事業は、インバウンドを含めた観光・外食需要の回復を背景に、「旅色」の広告掲載数が増加した。特に自治体に対しては、「旅色 FO-CAL」で観光・ふるさと納税・移住定住といったテーマをもって1,600の自治体にコンタクトしてきたこともあり、タイアップ広告の公開数が43件(前期39件)と3年連続で過去最高を更新することができた。さらに、地域活性化への貢献を強化するため、台湾の高速道路にある清水(チンスイ)サービスエリアを運営しているNEXCO中日本のグループ会社で台湾現地法人の艾客思國際股フン有限公司と業務提携を結んだ。清水SAは日本への旅行や日本食が人気な台湾の方へ向けて、「和」をテーマにした食と文化を発信しているため、今回の業務提携で自治体や企業などがこの空間を活用したPRイベントを実施できるようになった。第一弾は和歌山県湯浅町と、スーツケースの「プロテカ」やアルミニウム合金製のハードケース「ゼロハリバートン」を展開する日本の総合バッグメーカーのエース株式会社のイベントを実施した。なお、2023年9月期は「アクセルジャパン」への人員拠出を行ったため営業人員が一時的に減少したが、売上高、セグメント利益の前期比は堅調に推移し、自治体タイアップは、3年連続で過去最高契約額、公開数を更新した。
(3) ソリューション事業
ソリューション事業は、EC市場がコロナ禍で激化している状況から通販サービスの縮小により売上高は減少したが、広告宣伝費等の販管費が減少したことでセグメント利益は増益を達成することができた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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