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サンフロ不動産 Research Memo(6):オフィス事業の計画を上回る進捗により大幅増収増益(1)

注目トピックス 日本株
*11:06JST サンフロ不動産 Research Memo(6):オフィス事業の計画を上回る進捗により大幅増収増益(1)
■業績動向

1. 2024年3月期第2四半期累計の業績概要
サンフロンティア不動産<8934>の2024年3月期第2四半期累計の業績は、売上高48,998百万円(前年同期比38.7%増)、営業利益12,022百万円(同49.4%増)、経常利益11,944百万円(同48.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益8,463百万円(同57.7%増)となった。不動産再生事業は、高水準の利益率を継続する高収益事業としてグループ全体の業績を力強くけん引、物件売却が計画を前倒して進捗し大幅な増収増益となった。不動産サービス事業は、新拠点を拡充・増床した貸会議室事業が好調を維持するとともに、各事業とも堅実に伸長した。主な要因として、企業研修、セミナー、検定試験等の需要の拡大が継続する中、拡充・増床した拠点及び新設した拠点での受注が好調であることが挙げられる。ホテル・観光事業は、旅行需要の拡大継続やインバウンド回復も伴い、稼働率・客室単価ともに向上しているホテル運営が業績に寄与した。販売費及び一般管理費は、人件費、販売手数料、システム関連費用を含む支払手数料等の増加により前年同期比で増加しているが計画どおりである。

2. セグメント別の事業動向
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業は、売上高31,984百万円(前年同期比21.8%増)、セグメント利益9,543百万円(同4.0%増)となった。販売件数は14件(内NY物件1件)、前年同期と比較して物件数は同数であるが、物件規模が上回っている。また、不動産小口所有商品の組成も着実に進捗し前年同期比増収増益にて推移した。セグメント利益に関しては、利益率が高い中長期リプランニング物件の売却があった前年同期から低下するものの29.8%と高水準を維持した。平均事業期間は514日(前年通期比116日減)、事業期間短縮の取り組みと併せて仕入れ強化にも引き続き取り組んでおり、期末在庫数が増加した。また、中長期リプランニング物件を多く販売した前期に対して、今期は短期リプランニング物件の販売が中心となり、平均事業期間が短縮された。引き続き事業期間に拘った運営により、高い資本効率性を実現していく方針だ。仕入物件金額は30,920百万円で同6,100百万円増加した。前年通期の仕入物件金額である32,860百万円に迫る水準まで進捗している。

(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業は、売上高5,172百万円(同18.4%増)、セグメント利益2,902百万円(同13.8%増)となった。リーシングマネジメント事業では、賃貸仲介において、管理受託物件における入居テナントの賃貸仲介件数の増加により増収増益となった。売買仲介においては、前年同期に仲介した大型案件からの反動減が生じているものの堅調に推移した。プロパティマネジメント事業では管理受託棟数の増加により増収増益、ビルメンテナンス事業では消毒業務の減少、人員増強による原価増を要因として増収減益となった。また、貸会議室事業では、新拠点の増強と高稼働継続によって業績は好調に推移した。滞納賃料保証事業では全体売上はほぼ横ばいであったが、主たる事業である信用保証売上高は、既存顧客の更新と新規顧客の獲得により堅調に推移した。

(3) ホテル・観光事業
ホテル・観光事業は、売上高11,329百万円(同148.8%増)、セグメント利益3,397百万円(前年同期は334百万円の損失)となった。ホテル開発事業では、前期に契約済みのホテル物件の売却決済が予定どおり完了したことが業績に大きく貢献した。足元では、箱根町や河口湖等で土地取得が進捗しており、その他地域においても開発案件が着実に進行している。ホテル運営事業では、旅行需要の拡大・インバウンドの再開によって稼働率・客室単価が向上し、増収増益となった。

(4) その他事業
その他事業は、売上高996百万円(同60.7%増)、セグメント利益131百万円(同51.6%増)となった。建設事業では、グループ子会社において受注が増加、工事も順調に進捗し増収増益となった。海外開発事業では、引き続きベトナムで案件組成に注力していく方針だ。また、2023年10月には、特定技能外国人等の就労支援を目的とするSFヒューマンサポート(株)を設立。同社グループ(サンフロンティアホテルマネジメント(株)、SFエンジニアリング(株)等)での就労支援からスタートし、段階的に受入れ先企業における外国人採用支援・育成事業などへ拡充し、3年後には年間100名の外国人財の就業を目標としている。同事業は、特定技能外国人等の就労支援という社会課題の解決に寄与するのみならず、同社グループ事業における人財確保や持続的な成長にも資するものであると弊社では見ている。

3. 財務状況
2024年3月期第2四半期累計の資産合計は、前期末比7,095百万円増の159,615百万円となった。リプランニング物件の売却が契約を前倒して進捗し、売買代金の現金化によって現金及び預金が5,094百万円増加した。また、取り組み強化中のリプランニング物件の仕入れ・工事が、物件の売却を上回ったため、棚卸資産が2,147百万円増加している。

負債合計は前期末比772百万円減の67,781百万円となった。1年以内返済予定の長期借入金が4,226百万円、未払法人税等が1,361百万円増加した。一方で、長期借入金が5,522百万円、流動負債その他に含まれる前受金が910百万円減少した。有利子負債に関しては、物件売却に伴う返済が仕入に伴う借入を上回ったが、1年以内返済予定の長期借入金の増加により、流動負債における借入金が一時的に増加している。

純資産合計は前期末比7,868百万円増の91,833百万円となった。期末配当金の支払い1,216百万円等による減少があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益8,463百万円の積み上げ等により増加した。自己資本比率は同2.5pt上昇の55.4%となり、財務健全性は盤石であり短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)



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