フェローテク Research Memo(1):2024年3月期第2四半期の売上高は8.2%増、営業利益は23.6%減
[23/12/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*11:21JST フェローテク Research Memo(1):2024年3月期第2四半期の売上高は8.2%増、営業利益は23.6%減
■要約
フェローテックホールディングス<6890>の主力事業は、真空シール、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)製品、磁性流体、サーモモジュールなどの様々な製品・装置・部品・素材等の製造である。加えて、半導体製造装置メーカー向けに各種部品等の洗浄サービスやシリコンウエーハの研磨なども行う企業である。
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
2024年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比8.2%増の105,494百万円、営業利益が同23.6%減の13,035百万円、経常利益が同35.4%減の15,217百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同47.5%減の8,390百万円となった。売上高はほぼ計画どおりであったが、製品構成の変化により営業利益は期初予想(15,000百万円)から未達となった。事業別では、世界的な半導体業界での生産調整や設備投資抑制の影響を受けて、半導体等装置関連の売上高は60,257百万円(前年同期比5.5%減)、セグメント利益は7,788百万円(同33.5%減)となった。また電子デバイスでは、パワー半導体用基板が大きく寄与して売上高は32,840百万円(同42.3%増)、セグメント利益は6,080百万円(同14.2%増)となったが、半導体等装置関連の利益の落ち込みをカバーするには至らなかった。さらに営業外において、為替差益が1,727百万円(前年同期は5,198百万円)と減少したこと、持分法による投資損失が1,324百万円(同249百万円)となったことなどから経常利益の減益幅は大きくなった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に特別利益として計上した持分変動利益618百万円が剥落したことに加え、投資有価証券評価損495百万円を計上したことなどから減益幅はさらに大きくなった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期通期の業績は、現時点で売上高220,000百万円(前期比4.4%増)、営業利益27,000百万円(同23.0%減)、経常利益28,000百万円(同34.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益15,000百万円(同49.5%減)と予想している。売上高の予想は期初と変わっていないが、営業利益は期初予想(32,500百万円)から下方修正された。これは、現在の市況において利益率の高い製品の売上構成比が下がると見られるためだ。下期に入っても、半導体業界を取り巻く環境に大きな変化はなく、同社製品に対する需要が本格的に回復するのは来期以降と見られるが、現時点で下方修正されたこの予想が達成される可能性は高いだろう。通期での投資額は96,900百万円(前期は62,661百万円)、減価償却費は17,400百万円(同12,618百万円)と計画している。
3. 中期経営計画の計画値は下方修正したが、2025年3月期の目標値は変えず
同社は、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表していた。主要製品の需要動向に合わせて何度か修正を行ったが、現時点での計画値は前述のように売上高2,200億円、営業利益270億円(営業利益率12.3%)となっている。さらに目標値(計画値ではない)として2025年3月期に売上高2,700億円、営業利益450億円、2026年3月期に売上高3,600億円、営業利益600億円を発表しているが、今のところこの目標値は変わっていない。今後は、2024年3月期が終了した時点で新たな「中期経営計画」が発表されるものと思われ、どのような計画になるのか注視する必要がありそうだ。
■Key Points
・石英、セラミックス等の無機系製品の大手メーカー。半導体業界向けが多い
・2024年3月期第2四半期の営業利益は前年同期比23.6%減、通期予想も23.0%減へ下方修正
・中期経営計画値も下方修正だが、2025年3月期以降の目標値を変えず
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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■要約
フェローテックホールディングス<6890>の主力事業は、真空シール、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)製品、磁性流体、サーモモジュールなどの様々な製品・装置・部品・素材等の製造である。加えて、半導体製造装置メーカー向けに各種部品等の洗浄サービスやシリコンウエーハの研磨なども行う企業である。
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
2024年3月期第2四半期決算は、売上高が前年同期比8.2%増の105,494百万円、営業利益が同23.6%減の13,035百万円、経常利益が同35.4%減の15,217百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同47.5%減の8,390百万円となった。売上高はほぼ計画どおりであったが、製品構成の変化により営業利益は期初予想(15,000百万円)から未達となった。事業別では、世界的な半導体業界での生産調整や設備投資抑制の影響を受けて、半導体等装置関連の売上高は60,257百万円(前年同期比5.5%減)、セグメント利益は7,788百万円(同33.5%減)となった。また電子デバイスでは、パワー半導体用基板が大きく寄与して売上高は32,840百万円(同42.3%増)、セグメント利益は6,080百万円(同14.2%増)となったが、半導体等装置関連の利益の落ち込みをカバーするには至らなかった。さらに営業外において、為替差益が1,727百万円(前年同期は5,198百万円)と減少したこと、持分法による投資損失が1,324百万円(同249百万円)となったことなどから経常利益の減益幅は大きくなった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に特別利益として計上した持分変動利益618百万円が剥落したことに加え、投資有価証券評価損495百万円を計上したことなどから減益幅はさらに大きくなった。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期通期の業績は、現時点で売上高220,000百万円(前期比4.4%増)、営業利益27,000百万円(同23.0%減)、経常利益28,000百万円(同34.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益15,000百万円(同49.5%減)と予想している。売上高の予想は期初と変わっていないが、営業利益は期初予想(32,500百万円)から下方修正された。これは、現在の市況において利益率の高い製品の売上構成比が下がると見られるためだ。下期に入っても、半導体業界を取り巻く環境に大きな変化はなく、同社製品に対する需要が本格的に回復するのは来期以降と見られるが、現時点で下方修正されたこの予想が達成される可能性は高いだろう。通期での投資額は96,900百万円(前期は62,661百万円)、減価償却費は17,400百万円(同12,618百万円)と計画している。
3. 中期経営計画の計画値は下方修正したが、2025年3月期の目標値は変えず
同社は、2024年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表していた。主要製品の需要動向に合わせて何度か修正を行ったが、現時点での計画値は前述のように売上高2,200億円、営業利益270億円(営業利益率12.3%)となっている。さらに目標値(計画値ではない)として2025年3月期に売上高2,700億円、営業利益450億円、2026年3月期に売上高3,600億円、営業利益600億円を発表しているが、今のところこの目標値は変わっていない。今後は、2024年3月期が終了した時点で新たな「中期経営計画」が発表されるものと思われ、どのような計画になるのか注視する必要がありそうだ。
■Key Points
・石英、セラミックス等の無機系製品の大手メーカー。半導体業界向けが多い
・2024年3月期第2四半期の営業利益は前年同期比23.6%減、通期予想も23.0%減へ下方修正
・中期経営計画値も下方修正だが、2025年3月期以降の目標値を変えず
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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