CRGHD Research Memo(6):2023年9月期は派遣領域の拡充・請負化、サービスの拡充が順調に進捗
[23/12/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*12:46JST CRGHD Research Memo(6):2023年9月期は派遣領域の拡充・請負化、サービスの拡充が順調に進捗
■業績動向
1. 2023年9月期の業績概要
CRGホールディングス<7041>の2023年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%減の20,815百万円、営業利益で同76.6%減の113百万円、経常利益で同76.8%減の107百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同84.6%減の44百万円となった。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へ移行して社会経済活動が正常化するのに伴い、人材需要が回復傾向に回帰するなど、外部環境は好転した。そうしたなか、主力の人材派遣紹介事業においては、製造・物流向け人材派遣が堅調に推移したほか、イベント関連のスポット案件も順調に獲得した。一方で、コールセンター向け派遣におけるワクチン問い合わせ業務など、新型コロナ関連案件の特需が剥落するなか、新規案件の獲得にも苦戦したことなどが響き減収となった。利益面に関しても、コールセンター向け派遣の特需剥落が影響した。コールセンター向け人材派遣の売上高の減少により、売上総利益が前期比で減少したことに加え、2022年11月に子会社化したオシエテののれん償却費の計上などにより減益となった。なお、コールセンター向け人材派遣の新規顧客開拓に関しては、下期に営業活動強化のための体制構築を実施しており、2024年9月以降に新規顧客の開拓を本格化する。
コールセンター向け特需の剥落により減収減益となるなかにあっても、成長戦略の基本方針である派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充は確実に進捗を見せた。派遣領域の拡充に関しては、従来の製造・物流業界に加えて、新たに機械製造業、食品製造業の顧客を獲得した。派遣領域の請負化に関しては先述のとおり(株)プロテクスが本格的に製造業へ進出することを決定している。サービスの拡充については、2023年8月にクラウド型法人出張サポートサービスを手掛ける(株)ピカパカとの協業により、同社が提供する出張予約システム上にてオシエテの通訳・翻訳マッチングプラットフォームサービスの提供を開始したほか、同年9月には(株)Matchbox Technologiesとの協業により短期人材マッチングサービス「グッジョブス」の提供を開始した。その他、直近では2023年10月に、埼玉県さいたま市に自立訓練(生活訓練)事業所「eSTUDIO」を開設しており、メタバース・eスポーツを活用した障害者向け自立訓練(生活訓練)事業を開始している。
また、資本業務提携による事業拡大にも取り組んだ。フェムケア商品による女性の健康課題解決を推進する企業であるMellia(株)と資本業務提携を行い、Melliaのカスタマーサポート業務や店舗運営業務へ人材を派遣し、同社の業績拡大を支援している。このように、将来の収益基盤確立に向けた種まきは確実に実施されている状況であり、これらの事業が中長期的に同社の業績を押し上げていくものと弊社は見ている。
こうした新規事業の拡充や経費の削減・効率化等などにより、2023年8月に発表した業績予想(期初の予想を下方修正したもの)を上回って着地した。それぞれ売上高はプラス315百万円、営業利益はプラス38百万円、経常利益はプラス32百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、おおむね想定どおりの着地となった。
なお、同社が属する人材サービス業界においては、2023年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍、完全失業率(季節調整値)は2.6%となり、コロナ禍前の水準まで回復はしていないものの、回復傾向にある。
M&Aにより流動負債が増えるも、短期、長期ともに支払い能力は問題のない水準
2. 財務状況
2023年9月期末における資産合計は7,229百万円となり、前期末比1,416百万円増加した。流動資産は4,819百万円となり、前期末比351百万円増加した。これは主に、売掛金が269百万円減少した一方で、現金及び預金が610百万円、その他が7百万円増加したことなどによるものである。固定資産は2,410百万円となり、前期末比1,065百万円増加した。これは主に、投資有価証券が112百万円減少した一方で、のれんが480百万円、土地が472百万円、建設仮勘定が100百万円、顧客関連資産が65百万円、繰延税金資産が48百万円増加したこと等によるものである。
負債合計は4,113百万円となり、前期末比1,371百万円増加した。流動負債は4,046百万円となり、前期末比1,321百万円増加した。これは主に、未払費用が74百万円、未払消費税等が81百万円、未払法人税等が32百万円減少した一方で、短期借入金が1,300百万円、未払金が215百万円増加したこと等によるものである。固定負債は67百万円となり、前期末比50百万円増加した。これは主に、その他が9百万円減少した一方で、長期借入金が40百万円、繰延税金負債が19百万円増加したことなどによるものである。
純資産合計は3,115百万円となり、前期末比44百万円増加した。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が44百万円増加しことによるものである。
これらにより、流動比率は119.1%、固定比率は77.3%となった。M&Aを実施したことなどを受け、流動負債が増えているものの、流動比率、固定比率は健全な水準であり、長短の支払い能力に問題はないと弊社は考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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■業績動向
1. 2023年9月期の業績概要
CRGホールディングス<7041>の2023年9月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%減の20,815百万円、営業利益で同76.6%減の113百万円、経常利益で同76.8%減の107百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同84.6%減の44百万円となった。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類へ移行して社会経済活動が正常化するのに伴い、人材需要が回復傾向に回帰するなど、外部環境は好転した。そうしたなか、主力の人材派遣紹介事業においては、製造・物流向け人材派遣が堅調に推移したほか、イベント関連のスポット案件も順調に獲得した。一方で、コールセンター向け派遣におけるワクチン問い合わせ業務など、新型コロナ関連案件の特需が剥落するなか、新規案件の獲得にも苦戦したことなどが響き減収となった。利益面に関しても、コールセンター向け派遣の特需剥落が影響した。コールセンター向け人材派遣の売上高の減少により、売上総利益が前期比で減少したことに加え、2022年11月に子会社化したオシエテののれん償却費の計上などにより減益となった。なお、コールセンター向け人材派遣の新規顧客開拓に関しては、下期に営業活動強化のための体制構築を実施しており、2024年9月以降に新規顧客の開拓を本格化する。
コールセンター向け特需の剥落により減収減益となるなかにあっても、成長戦略の基本方針である派遣領域の拡充、派遣領域の請負化、サービスの拡充は確実に進捗を見せた。派遣領域の拡充に関しては、従来の製造・物流業界に加えて、新たに機械製造業、食品製造業の顧客を獲得した。派遣領域の請負化に関しては先述のとおり(株)プロテクスが本格的に製造業へ進出することを決定している。サービスの拡充については、2023年8月にクラウド型法人出張サポートサービスを手掛ける(株)ピカパカとの協業により、同社が提供する出張予約システム上にてオシエテの通訳・翻訳マッチングプラットフォームサービスの提供を開始したほか、同年9月には(株)Matchbox Technologiesとの協業により短期人材マッチングサービス「グッジョブス」の提供を開始した。その他、直近では2023年10月に、埼玉県さいたま市に自立訓練(生活訓練)事業所「eSTUDIO」を開設しており、メタバース・eスポーツを活用した障害者向け自立訓練(生活訓練)事業を開始している。
また、資本業務提携による事業拡大にも取り組んだ。フェムケア商品による女性の健康課題解決を推進する企業であるMellia(株)と資本業務提携を行い、Melliaのカスタマーサポート業務や店舗運営業務へ人材を派遣し、同社の業績拡大を支援している。このように、将来の収益基盤確立に向けた種まきは確実に実施されている状況であり、これらの事業が中長期的に同社の業績を押し上げていくものと弊社は見ている。
こうした新規事業の拡充や経費の削減・効率化等などにより、2023年8月に発表した業績予想(期初の予想を下方修正したもの)を上回って着地した。それぞれ売上高はプラス315百万円、営業利益はプラス38百万円、経常利益はプラス32百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益に関しては、おおむね想定どおりの着地となった。
なお、同社が属する人材サービス業界においては、2023年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍、完全失業率(季節調整値)は2.6%となり、コロナ禍前の水準まで回復はしていないものの、回復傾向にある。
M&Aにより流動負債が増えるも、短期、長期ともに支払い能力は問題のない水準
2. 財務状況
2023年9月期末における資産合計は7,229百万円となり、前期末比1,416百万円増加した。流動資産は4,819百万円となり、前期末比351百万円増加した。これは主に、売掛金が269百万円減少した一方で、現金及び預金が610百万円、その他が7百万円増加したことなどによるものである。固定資産は2,410百万円となり、前期末比1,065百万円増加した。これは主に、投資有価証券が112百万円減少した一方で、のれんが480百万円、土地が472百万円、建設仮勘定が100百万円、顧客関連資産が65百万円、繰延税金資産が48百万円増加したこと等によるものである。
負債合計は4,113百万円となり、前期末比1,371百万円増加した。流動負債は4,046百万円となり、前期末比1,321百万円増加した。これは主に、未払費用が74百万円、未払消費税等が81百万円、未払法人税等が32百万円減少した一方で、短期借入金が1,300百万円、未払金が215百万円増加したこと等によるものである。固定負債は67百万円となり、前期末比50百万円増加した。これは主に、その他が9百万円減少した一方で、長期借入金が40百万円、繰延税金負債が19百万円増加したことなどによるものである。
純資産合計は3,115百万円となり、前期末比44百万円増加した。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が44百万円増加しことによるものである。
これらにより、流動比率は119.1%、固定比率は77.3%となった。M&Aを実施したことなどを受け、流動負債が増えているものの、流動比率、固定比率は健全な水準であり、長短の支払い能力に問題はないと弊社は考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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