TDCソフト Research Memo(1):2024年3月期第2四半期はすべての事業分野が好調
[23/12/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*17:11JST TDCソフト Research Memo(1):2024年3月期第2四半期はすべての事業分野が好調
■要約
TDCソフト<4687>は、金融業界のITソリューションに強みを持つ、独立系システムインテグレーターである。日本のIT業界の歴史を長く支えてきた確かな技術力をベースに、銀行、クレジット、保険などの金融ITソリューション分野が売上の5割弱を占める。また、既存のシステムインテグレーション(以下、SI)事業領域を軸に新たな事業領域の拡大を目指している。最新の要素技術を活用した「高付加価値SIサービス」も推進。この取り組みによって次世代型SI事業は順調に拡大しており、ITコンサルティング&サービス分野の高成長が続いている。
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
2024年3月期第2四半期業績は、売上高18,856百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益1,858百万円(同0.4%増)、経常利益1,930百万円(同0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,310百万円(同0.7%増)となった。期初の第2四半期予想に対しても、売上高は6.4%増、営業利益は17.7%増、経常利益は17.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は19.1%増で着地した。DXを背景とした企業の戦略的なIT投資需要が活発になるなかで、パートナーとのアライアンス拡大により需要増に応え、すべての事業分野が好調に推移した。また、高付加価値SIサービスも順調に拡大した。利益面では、積極的人材投資や次世代型SI事業拡大に向けた技術投資に加え、社員のエンゲージメント向上や採用力強化、並びに事業拡大に対応したワークプレイス戦略として本社移転などの投資を進めた結果、販管費は前年同期比19.7%増加し営業利益は微増となった。
2. 2024年3月期の見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高37,300百万円(前期比5.8%増)、営業利益3,550百万円(同2.6%増)、経常利益3,750百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,510百万円(同0.8%増)を見込む。第2四半期の実績は計画を上回ったが、現時点では期初の業績予想を据え置いた。ただし、今後も市場環境は順調に推移することが想定され、すべての事業分野で売上高の拡大を見込んでおり、引き続き最新の要素技術や人材確保・育成に関する投資を積極的に行う。2023年10月に本社機能を新オフィスに移転したが、第3四半期以降も旧本社の開発拠点化など、第2四半期までと同程度の投資を予定している。これらの投資については、収益拡大で吸収し増益を計画している。事業環境が好調ななかで予想は保守的に映るが、同社では、人材など経営リソースに応じた売上の伸長を計画しており、トラブルプロジェクトの原因となるような外注に依存した無理な受注はしない方針だ。
3. 中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」の進捗
2023年3月期からスタートした中期経営計画(FY2022〜FY2024)「Shift to the Smart SI Plus」では、主要戦略としての「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」に、Plusとして「事業領域の拡大」を掲げた。「高付加価値SIサービスの追求」においては、事業の拡大と高収益化を推進するため、アジャイル開発事業とセキュリティ関連事業を重点戦略分野と位置付けている。顧客の潜在ニーズを捉え、アジャイル、セキュリティ等の最新の要素技術等を活用することで高付加価値サービスを提供し、時間や手間などを含めたユーザコストの低減を両立したインテグレーションサービスである次世代型SI事業を順調に拡大させている。その結果、直近5ヶ年で売上高は5倍以上に伸長し、売上に即した事業の拡大やコスト削減の取り組みにより、収益性も向上した。アジャイル開発事業の売上高が順調に拡大するのに呼応して、セキュリティ関連事業についても既存顧客へクロスセルによるビジネス展開を図り、トータルセキュリティソリューションサービスの売上を着実に伸ばしている。
■Key Points
・2024年3月期第2四半期は次世代型SI事業が順調に拡大するとともに、すべての事業分野が好調
・クラウド系ソリューションにおいて収益性の高いプライム案件が拡大
・最新の要素技術獲得や人材確保・育成に関する投資を積極的に実行
・社員エンゲージメント向上と事業拡大に対応して本社を移転し、旧本社の開発拠点化を進める
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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■要約
TDCソフト<4687>は、金融業界のITソリューションに強みを持つ、独立系システムインテグレーターである。日本のIT業界の歴史を長く支えてきた確かな技術力をベースに、銀行、クレジット、保険などの金融ITソリューション分野が売上の5割弱を占める。また、既存のシステムインテグレーション(以下、SI)事業領域を軸に新たな事業領域の拡大を目指している。最新の要素技術を活用した「高付加価値SIサービス」も推進。この取り組みによって次世代型SI事業は順調に拡大しており、ITコンサルティング&サービス分野の高成長が続いている。
1. 2024年3月期第2四半期の業績概要
2024年3月期第2四半期業績は、売上高18,856百万円(前年同期比12.3%増)、営業利益1,858百万円(同0.4%増)、経常利益1,930百万円(同0.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,310百万円(同0.7%増)となった。期初の第2四半期予想に対しても、売上高は6.4%増、営業利益は17.7%増、経常利益は17.0%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は19.1%増で着地した。DXを背景とした企業の戦略的なIT投資需要が活発になるなかで、パートナーとのアライアンス拡大により需要増に応え、すべての事業分野が好調に推移した。また、高付加価値SIサービスも順調に拡大した。利益面では、積極的人材投資や次世代型SI事業拡大に向けた技術投資に加え、社員のエンゲージメント向上や採用力強化、並びに事業拡大に対応したワークプレイス戦略として本社移転などの投資を進めた結果、販管費は前年同期比19.7%増加し営業利益は微増となった。
2. 2024年3月期の見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高37,300百万円(前期比5.8%増)、営業利益3,550百万円(同2.6%増)、経常利益3,750百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,510百万円(同0.8%増)を見込む。第2四半期の実績は計画を上回ったが、現時点では期初の業績予想を据え置いた。ただし、今後も市場環境は順調に推移することが想定され、すべての事業分野で売上高の拡大を見込んでおり、引き続き最新の要素技術や人材確保・育成に関する投資を積極的に行う。2023年10月に本社機能を新オフィスに移転したが、第3四半期以降も旧本社の開発拠点化など、第2四半期までと同程度の投資を予定している。これらの投資については、収益拡大で吸収し増益を計画している。事業環境が好調ななかで予想は保守的に映るが、同社では、人材など経営リソースに応じた売上の伸長を計画しており、トラブルプロジェクトの原因となるような外注に依存した無理な受注はしない方針だ。
3. 中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」の進捗
2023年3月期からスタートした中期経営計画(FY2022〜FY2024)「Shift to the Smart SI Plus」では、主要戦略としての「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」に、Plusとして「事業領域の拡大」を掲げた。「高付加価値SIサービスの追求」においては、事業の拡大と高収益化を推進するため、アジャイル開発事業とセキュリティ関連事業を重点戦略分野と位置付けている。顧客の潜在ニーズを捉え、アジャイル、セキュリティ等の最新の要素技術等を活用することで高付加価値サービスを提供し、時間や手間などを含めたユーザコストの低減を両立したインテグレーションサービスである次世代型SI事業を順調に拡大させている。その結果、直近5ヶ年で売上高は5倍以上に伸長し、売上に即した事業の拡大やコスト削減の取り組みにより、収益性も向上した。アジャイル開発事業の売上高が順調に拡大するのに呼応して、セキュリティ関連事業についても既存顧客へクロスセルによるビジネス展開を図り、トータルセキュリティソリューションサービスの売上を着実に伸ばしている。
■Key Points
・2024年3月期第2四半期は次世代型SI事業が順調に拡大するとともに、すべての事業分野が好調
・クラウド系ソリューションにおいて収益性の高いプライム案件が拡大
・最新の要素技術獲得や人材確保・育成に関する投資を積極的に実行
・社員エンゲージメント向上と事業拡大に対応して本社を移転し、旧本社の開発拠点化を進める
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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