TDCソフト Research Memo(4):価値創造型システムインテグレーター企業へ変貌
[23/12/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
*17:14JST TDCソフト Research Memo(4):価値創造型システムインテグレーター企業へ変貌
■強み
1. 金融業界に強固な顧客基盤
TDCソフト<4687>は、金融・法人の部門で顧客との付き合いが長い。同社は、顧客のビジネスをどこまでも深く理解し、あるべき姿をともに考え、プロジェクトを成功に導く新しいアイデアを出す、というスタンスで臨んでいる。これにより顧客の信頼を得て関係が長くなるため、顧客の業務にも精通する。仕事によっては同社がサブ・コントラクタ(2次請け)として受注する場合もあるが、その際も開発のなかで徐々にプロジェクトの中核を担うようになり、顧客の信頼も厚くなることから替えがきかない存在となることも多い。結果として事業規模は拡大しており、そこからさらにノウハウ・信頼が蓄積するといった好循環を作り出すことに成功している。同社はITの専門家として高い開発力を備えており、ITニーズに確実に応えるビジネスモデルから先へ進み、市場や顧客の潜在的なニーズを捉え準備することで、デジタル技術の新たな潮流に対応した価値創造型のシステムインテグレーター企業へと変貌している。
2. アジャイル開発事業は3ヶ年で89%拡大
同社は情報サービス産業の黎明期よりシステム開発事業を行っており、現在では業務アプリケーションからITインフラ、ネットワーク基盤構築、クラウドサービス等も手掛け、着実に成長している。また社内認定制度で認められたトップスキル技術者や、高度情報処理技術者など、技術力の高い社員を擁している。昨今では顧客のビジネス環境変化に合わせ柔軟かつ迅速なシステム開発を行うため、アジャイル開発技術者の育成に注力。技術動向を捉えて最新の技術を常に追い求め、ビジネスに活用することが同社の強みである。アジャイルの取り組みでは、顧客のビジネススピードを加速させるためのサービスを提供する。「アジャイル」というとソフトウェア開発だけにフォーカスが当たりがちだが、DXの推進やビジネススピードを加速させるためには、組織のマインド、仕組みを戦略・企画立案段階から変えていくことが大事な要素だと考えられている。同社は大規模なアジャイル開発フレームワークである「SAFe(R)」を提供する米国Scaled Agile, Inc.とパートナーシップを組み、顧客の組織・プロセスをアジャイル型に変革していくためのコンサルティングサービスである「アジャイル型組織/プロセス変革サービス」、及び顧客とともに企画・検討から実装・運用までをトータルサポートする「アジャイル開発支援サービス」等を提供している。
ウォーターフォール型は、企画→要件定義→設計→開発→テスト→リリース運用といった流れとなり、結果確認まで時間がかかるほか、企画段階と運用段階でニーズが変わっていることが多いため、変更時の投資の無駄が大きく、後戻りしにくい(捨てにくい)ことがネックとなる。さらに、DXの流れが加速するなか、IT技術は日々進歩しており、新たな対応が後手に回りやすいと同社では考えている。一方、アジャイル型では、同じ時間軸で、企画→実装→結果確認→振返り→企画→実装→結果確認→振返り→企画→実装→結果確認といった形で進められるため、結果確認までの時間が短いほか、変更時の投資の無駄が少なく、後戻りしやすい(捨てることが可能)。そのため、アジャイル型サービスの需要は高まっていると見られる。顧客のDX需要拡大に伴い、同社のアジャイル開発事業の2024年3月期第2四半期売上高は前年同期比49.6%増と大幅に伸長し、直近3ヶ年では89.7%拡大している。
3. プロジェクトマネジメント総合力
ITプロジェクトの重要性やリスクが高まりつつある現代において、同社はプロジェクトマネジメント力が重要だと考えている。システム開発において収益力が低下する要因の多くは、開発プロジェクトの進行時に生じるが、同社はプロジェクトの収益性低下を個人の力と組織の力の両面からカバーして防いでいる。個人レベルではPMP(R)※を技術社員の半数以上に取得させることや、ナレッジの共有などにより対処している。組織レベルでは、ソリューション事業部がCMMI成熟度レベル4の認定を受けたこともあり、定量的な品質管理や、会社でのチェック制度、フォロー体制などが整備されている。同社はこれらを「個人のPM力」と「組織のPM力」を掛け合わせた「PM総合力」と定義しており、再現性の高いシステム開発の源となっている。
※PMP(R):Project Management Professionalの略。プロジェクトマネジメントに関する国際資格。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HH>
■強み
1. 金融業界に強固な顧客基盤
TDCソフト<4687>は、金融・法人の部門で顧客との付き合いが長い。同社は、顧客のビジネスをどこまでも深く理解し、あるべき姿をともに考え、プロジェクトを成功に導く新しいアイデアを出す、というスタンスで臨んでいる。これにより顧客の信頼を得て関係が長くなるため、顧客の業務にも精通する。仕事によっては同社がサブ・コントラクタ(2次請け)として受注する場合もあるが、その際も開発のなかで徐々にプロジェクトの中核を担うようになり、顧客の信頼も厚くなることから替えがきかない存在となることも多い。結果として事業規模は拡大しており、そこからさらにノウハウ・信頼が蓄積するといった好循環を作り出すことに成功している。同社はITの専門家として高い開発力を備えており、ITニーズに確実に応えるビジネスモデルから先へ進み、市場や顧客の潜在的なニーズを捉え準備することで、デジタル技術の新たな潮流に対応した価値創造型のシステムインテグレーター企業へと変貌している。
2. アジャイル開発事業は3ヶ年で89%拡大
同社は情報サービス産業の黎明期よりシステム開発事業を行っており、現在では業務アプリケーションからITインフラ、ネットワーク基盤構築、クラウドサービス等も手掛け、着実に成長している。また社内認定制度で認められたトップスキル技術者や、高度情報処理技術者など、技術力の高い社員を擁している。昨今では顧客のビジネス環境変化に合わせ柔軟かつ迅速なシステム開発を行うため、アジャイル開発技術者の育成に注力。技術動向を捉えて最新の技術を常に追い求め、ビジネスに活用することが同社の強みである。アジャイルの取り組みでは、顧客のビジネススピードを加速させるためのサービスを提供する。「アジャイル」というとソフトウェア開発だけにフォーカスが当たりがちだが、DXの推進やビジネススピードを加速させるためには、組織のマインド、仕組みを戦略・企画立案段階から変えていくことが大事な要素だと考えられている。同社は大規模なアジャイル開発フレームワークである「SAFe(R)」を提供する米国Scaled Agile, Inc.とパートナーシップを組み、顧客の組織・プロセスをアジャイル型に変革していくためのコンサルティングサービスである「アジャイル型組織/プロセス変革サービス」、及び顧客とともに企画・検討から実装・運用までをトータルサポートする「アジャイル開発支援サービス」等を提供している。
ウォーターフォール型は、企画→要件定義→設計→開発→テスト→リリース運用といった流れとなり、結果確認まで時間がかかるほか、企画段階と運用段階でニーズが変わっていることが多いため、変更時の投資の無駄が大きく、後戻りしにくい(捨てにくい)ことがネックとなる。さらに、DXの流れが加速するなか、IT技術は日々進歩しており、新たな対応が後手に回りやすいと同社では考えている。一方、アジャイル型では、同じ時間軸で、企画→実装→結果確認→振返り→企画→実装→結果確認→振返り→企画→実装→結果確認といった形で進められるため、結果確認までの時間が短いほか、変更時の投資の無駄が少なく、後戻りしやすい(捨てることが可能)。そのため、アジャイル型サービスの需要は高まっていると見られる。顧客のDX需要拡大に伴い、同社のアジャイル開発事業の2024年3月期第2四半期売上高は前年同期比49.6%増と大幅に伸長し、直近3ヶ年では89.7%拡大している。
3. プロジェクトマネジメント総合力
ITプロジェクトの重要性やリスクが高まりつつある現代において、同社はプロジェクトマネジメント力が重要だと考えている。システム開発において収益力が低下する要因の多くは、開発プロジェクトの進行時に生じるが、同社はプロジェクトの収益性低下を個人の力と組織の力の両面からカバーして防いでいる。個人レベルではPMP(R)※を技術社員の半数以上に取得させることや、ナレッジの共有などにより対処している。組織レベルでは、ソリューション事業部がCMMI成熟度レベル4の認定を受けたこともあり、定量的な品質管理や、会社でのチェック制度、フォロー体制などが整備されている。同社はこれらを「個人のPM力」と「組織のPM力」を掛け合わせた「PM総合力」と定義しており、再現性の高いシステム開発の源となっている。
※PMP(R):Project Management Professionalの略。プロジェクトマネジメントに関する国際資格。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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